けんざき かずま剣崎一真
- 登場作品
- 仮面ライダー剣
- 初登場回/初登場作品
- 第1話『紫紺の戦士』(2004年1月25日放送)
「俺は誰かを守るためにしか戦わない。そう決めてるから」
■プロフィール
種族:人間→アンデッド
性別:男性
年齢:22歳
職業・身分など:BOARD(ボード)の社員(壊滅後は独自に行動)
演:椿隆之(つばき・たかゆき)
■この人物が変身する仮面ライダー
■説明
仮面ライダーブレイドの変身者。人類基盤史研究所、通称「BOARD(ボード)」にライダーシステムとの高い適合性を認められスカウトされる。
自分の信じた道を突き進む熱血漢で、どんな困難があっても決して折れず、いかなる過酷な運命にも果敢に立ち向かう強い精神力を持つ。また他者を裏切ったり利用することを嫌い、そうした輩には怒りを隠さない。しかし、一本気ゆえに不器用で頭に血が上りやすい性格から周囲と衝突することも少なくなく、そうした性格もあってか、白井虎太郎に出会うまでは友人もいなかった。
生活面においてはかなりズボラな面があり、BOARDにスカウトされた後、2ヶ月の研修を受けてブレイドの変身者となったが、そのあいだの家賃を滞納したため住んでいたアパートを追い出されてしまう。そして、途方に暮れていたところへ仮面ライダーの存在を追う虎太郎から同居の提案があり、「仮面ライダーについて取材させる」ことを条件に彼の家で居候することになった。
11歳の頃に火事で両親を亡くし、天涯孤独の身となった。この経験から「すべての人を助けたい」と思うようになり、仮面ライダーとして戦うことは「命を懸けて戦う価値がある仕事」と誇りにしている。その決意はどんなにボロボロになっても戦い続けるほどに強いものだったが、自分の身を一切顧みないという危うさもはらんでいた。
最初は戦闘経験の浅さなどからアンデッドに苦戦することも多かったが、戦いを経るごとに成長し、強力な上級アンデッドとも互角以上に渡り合うまでになる。ライダーシステムとの高すぎる融合係数から生まれた独自の仮面ライダーブレイド キングフォームは、絶大な力を持つと同時に変身を重ねると自分の肉体がアンデッドに変異してしまう危険性もあったが、持ち前の精神力でそれすらも乗り越え自分の力とした。
また、アンデッドとの戦いに対する姿勢の変化が訪れたターニングポイントがふたつある。ひとつは突如現れたローカストアンデッドの襲撃でBOARD本部が壊滅状態になった際で、良き先輩と慕っていた橘朔也=仮面ライダーギャレンが裏切ったと思い込み、深く葛藤して戦う気力まで失ってしまう。だが、襲撃から逃れた同僚の広瀬栞からの厳しい叱咤を受け、アンデッドと戦うことが“今、自分がやらねばならない仕事”だと改めて認識。人々を守るために全力で戦うことを決意した。
もうひとつは改造実験体であるトライアルDに追われるようになった際で、封印できないトライアルDの出現により、剣崎は自分ではなく周囲の人間に危険が及ぶことを危惧。ひとりで戦おうと決意して虎太郎の家から出ていったが、この時も剣崎を探し出した栞の言葉が彼の心に大きな力を与えた。「剣崎はひとりで戦っているのではない。戦えない自分たちの代わりに戦っている」。そんな栞の正直な想いが、剣崎に自分が“仮面ライダーである”ということを改めて強く理解させた。この直後に繰り広げられた上級アンデッドのコーカサスビートルアンデッドとの戦いでは、衆人環視のなかで自身が仮面ライダーであると宣言しつつ変身。「戦えないすべての人のために、俺が戦う!」と強い想いを吐露しながら、コーカサスビートルアンデッドを打ち破った。
橘、相川始、上城睦月らほかの仮面ライダーの変身者たちとは、すれ違いや人間に化身して状況を撹乱する上級アンデッドの暗躍などから対立することもあった。そのたびに悩みや試練にぶつかったが、戦いを通じてそれらを乗り越え、結束を強めていった。とくに始とは、彼の正体がアンデッドと知った直後こそ強く敵対していたが、始=仮面ライダーカリスがギャレンに敗北して倒れた際に剣崎が助けたことをきっかけとして、少しずつ交流するようになる。その後、ともに数々の戦いを重ねるなかで親睦を深め、互いに友情に似た感情を抱くまでの関係性へと発展していった。
戦いに終わりの兆しが見えてくると、現代で繰り広げられているバトルファイトが歪んだ形で引き起こされたものと判明。その黒幕だった天王路博史をも打倒し、未封印のアンデッドが残りわずかとなるなか、剣崎は重大な決断を迫られる。
ジョーカーである始を封印するか否か……。
ここで剣崎は“始を封印しない”道を選び、始以外のアンデッドがすべて封印されてバトルファイトが決着。しかし、ジョーカーの勝利は世界のリセットを意味しており、出現した大量のダークローチが人々を襲い始めた。
剣崎は自身の選択が招いた状況に悩み苦しみ、これを打破すべくひとつの結論を導き出す。それは始を含めたすべての人間を救うこと。ただし、自分自身以外を……。
その後、彼はブレイド キングフォームで昼夜を問わずダークローチと激闘。さらに始とも激しい戦いを繰り広げ、ついに彼の肉体はアンデッド、もうひとりのジョーカーへと変異した。この結果、バトルファイトを管理する統制者が剣崎という新たなアンデッドを認識。アンデッドが2体存在するためバトルファイトが再開され、同時に世界のリセットが中断されてすべてのダークローチが消え去った。
そして剣崎と始に「決着を付けるべく戦え」という統制者の意志が届くが、アンデッドの本能に抗いつつ剣崎は断固として戦いを拒否。始に人の世界で暮らすよう告げると、ひとり何処かへと去っていった。
剣崎は人々のため、友のため、そして運命に勝つために、独り戦い続けている。
【『劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE』では……】
バトルファイトが終了したことで戦いから離れ、ゴミ収集の清掃員として働いていた。時折かつて仮面ライダーとして戦っていたことを懐かしみながらも、最後の戦いでジョーカーである始を封印してしまったことに思うところがあり、さらに彼がいなくなったことが原因で栗原天音(14歳)がすさんでしまったと知ると、複雑な思いをにじませていた。
ふたたびアンデッドが解放されたと知ると、持ち前の正義感から生身であるにも関わらず人々を守ろうとした。
アンデッドたちを次々と封印していく志村純一=仮面ライダーグレイブら新世代ライダーたちの横柄な態度に苛立つなか、再度仮面ライダーレンゲルへの変身が可能になった睦月がビートルアンデッドを封印したことでチェンジビートル(スペードA)を入手。ふたたびブレイドとして戦い始める。
もうひとりのジョーカー、アルビノジョーカーが本性を現すと、睦月にリモートテイピア(クラブ10)を使わせてジョーカーを解放。ふたたび4大仮面ライダーが集結するも、天音をバニティカードに封じたアルビノジョーカーの手により古代の邪神フォーティーンが復活してしまう。
しかし、天音の身代わりとなった始が自らバニティカードに封印されると、苦悩しながらもそれを破壊。力が弱っまたフォーティーンを仮面ライダーブレイド キングフォームの力で粉砕し、すべての戦いを終わらせた。
■戦闘時の決め台詞など
「そうだよな……あんた言ってたよな。すべては自分の敵だって。じゃあ……俺も、あんたを敵と思うことにする!」
「そうだ、人を愛しているから俺は戦っているんだ」
「たとえカードが1枚もなくても……お前を封印できるはずだ。俺に、ライダーの資格があるなら! 戦えないすべての人のために……俺が戦う!!」
「たとえ今は、君ひとり守るのがやっとでも、あきらめない。運命に負けたくないんだ!」
「俺は、運命と戦う。そして、勝って見せる」
「お前は、人間たちのなかで生き続けろ」