用語辞典
- はからんだ 【 ハカランダ 】
-
栗原遥香が経営する喫茶店。アルファベット表記は「JACARANDA」で、家具や楽器などの材料として広く使われている植物ブラジリアン・ローズウッドの別名でもある。
娘の栗原天音も学校から帰ったのちはよく店を手伝っている。かつて雪山で亡くなった栗原晋から栗原一家の写真を渡されたジョーカーは、消えゆく己の命よりも家族に思いを馳せた彼の行動に興味を抱き、相川始と名乗って「ハカランダ」を訪問。以後は居候となっており、彼もときおり店を手伝っている。
始がアンデッドであるため、彼の存在を察知したアンデッドの影響が及んだり、時限爆弾が置かれていたことまであった。しかし、天音が始によく懐いていることもあり、遥香は始に秘密があると感じながらも追求しなかった。また遥香が白井虎太郎の姉だったこともあり、剣崎一真や広瀬栞もしばしば店を訪れていたほか、上城睦月と山中望美がたびたび待ち合わせ場所に使っている。
- はくちょうごう 【 白鳥号 】
-
白井虎太郎が所有していた黒いクラシックカー。虎太郎曰く「白鳥のように華麗に走って欲しい」という思いから命名したとのことだが、広瀬栞は「白鳥と言うよりカラスでしょ」と評していた。
旧車ということもあってもともと調子はよくなかったが、戦闘中の剣崎一真を虎太郎が呼びに行った際、ついに煙を噴いて故障してしまう。その後、虎太郎は白鳥号を修理屋に出し、以後は代車を使っていた。修理屋の見立てでは「直すのは難しいかもしれない」とのことだったが、最終的にどうなったのかはわからない。[#01][#03][#05]
- はじめのぷれぜんと 【 始のプレゼント 】
-
相川始が栗原天音にプレゼントしたハート型のペンダント・ネックレス。
『劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE』にも登場し、中学生になった天音が身につけていた。[#39][#劇場版]
- ぱずるのぴーす 【 パズルのピース 】
-
深沢小夜子が組み立てていたジグソーパズルの最後のピース。
「完成されたら終わりのような気がする」という理由で橘朔也が「俺が飲みこんだ」と嘘をつき、完成させないようにした。[#04]
- はたしじょう 【 果たし状 】
-
遺恨を晴らしたり仇討ちをする目的で、その相手に果し合い、すなわち命がけの勝負を申し込む書状のこと。決闘状とも呼ばれる。日時や勝負方法などが指定されており、相手が同意して応じれば決闘することになる。現在、決闘は日本を含めた多くの国で禁止されているため法律を遵守する限り決闘はできないが、慣習的に当事者同士の勝負での問題解決を申し込む手紙が「果たし状」と呼ばれている。
鯛次郎が蛸三郎に果たし状を送り、「負けたほうが組を畳む」という条件での売上勝負を申し込んだ。[#30]
- ばとるふぁいと 【 バトルファイト 】
-
統制者の管理のもと、53種のアンデッドによって行われるバトルロワイヤル。
戦いに敗れたアンデッドは統制者の意思を伝える封印の黒い石版「モノリス」によって、順次カードに封印されていく。最後に勝ち残ったアンデッドには、地球環境を意のままに変えられる万能の力が与えられる。アンデッドが己の種の繁栄を賭けて戦うのはこの力を得るためだが、唯一ジョーカーが勝ち残った場合は状況が異なり、無限に出現するダークローチによって地球上の全生命が消去されるという“バトルファイトのリセット”が行われる。
人類基盤史研究所、通称「BOARD(ボード)」の研究では、1万年前に行われた前回のバトルファイトで人類の祖となったヒューマンアンデッドが勝ち残り、地球は人間が支配する惑星になったとされている。一部の上級アンデットの発言から、彼らの多くは自身の種のみが存在する世界を目指していたと思われるが、現在の世界で暮らしているのは人間だけではない。ヒューマンアンデッドが多様な生物が共存する世界を望んだのは明らかで、それが続くかどうかは現代の我々次第というわけだ。
なお、不死であるアンデッドはラウズカードのなかで生きている。BOARDは、そこに人類が永遠の生命を手にするための何かがあると考え、アンデッドの生命の秘密を解き明かそうとしていた。
- はめつのいめーじ 【 破滅のイメージ 】
-
脳裏に、自身の命に関わるような映像が浮かぶこと。
ライダーシステムの使用による副作用で、変身者の心の根底に恐怖心がある場合、適合レベルによっては脳の一部で増幅された恐怖心が破滅のイメージとして心に植え付けられ、その影響を受けて体調不良が生じる。橘朔也も恐怖心から自分が砕け散るかのような破滅のイメージを見るようになっていた。心の問題なので、体調不良を治すには恐怖心を克服するしかない。[#06]
- ひーろー 【 ヒーロー 】
-
神話や物語の主人公、もしくは普通の人が成し得ないようなことを実現した人のことで、日本語では「英雄」と呼ぶ。人格が優れ、社会や人々のために問題を解決するといった、人々から称賛されるような人物を指すのが一般的だが、強烈な個性を備えた悪人が“悪のヒーロー”ととらえられて「ダークヒーロー」と呼ばれることもある。
生原羽美がたびたび口にしていたが、彼女自身は「ヒーローなどいない」という否定派だった。その根底には「ヒーローがいるなら自分の家族を助けてくれたはず」という思いがあり、実際にはそうではなかった=ヒーローはいないというわけだ。彼女が思い描くヒーロー像は不明だが、多数の人々が一斉に危機に陥った場合、ヒーローがひとりしかいないならよほどの超人でもない限りすべて助けるのは不可能で、「すべての人を助ける」と口にした剣崎一真を「無理だ」と否定したのもうなずける。
ただ、例え少数だったとしても救われた人がいれば、その人にとって助けてくれた人はヒーローともいえる。また超人的な力がある個人などいなくても、剣崎のように「力の及ぶ限り目の前の人を救う」という者が大勢いればそれだけ多くの人を救えるわけで、「あきらめずに他人を救おうとする心があれば誰でもヒーロー」というのが剣崎の考えなのかもしれない。[#36]
- ひかわきゃっする 【 氷川キャッスル 】
-
金満里子が大家をしている古い木造アパートで、剣崎一真が入居していた。
しかし、仮面ライダーとしての特訓で2か月留守にし、そのあいだの家賃を滞納したことから追い出されてしまった。[#1]
- ひとのあやまちをただすのはひとでしょ 【 「人の過ちを正すのは人、でしょ?」 】
-
橘朔也に対する剣崎一真の言葉。
相川始を救ったのち、剣崎一真は橘との約束通り広瀬義人=トライアルBのもとへ同行。広瀬を見た剣崎はアンデッドを開放した件を責めるが、アンデッド解放に至った事情を聞いて落ち着きを取り戻し、橘から「人の過ちを正せるのは同じ人だけだ」となだめられた。しかし、その後に広瀬が剣崎をジョーカーに変えて不死の秘密を解明しようと企んでいたと判明。暴走しかけながらも正気に戻った剣崎は、謝罪した橘にこの言葉をかけて彼を許し、さらに「オレのなかのジョーカーに勝てればキングフォームは最強の力になる」と続けて決意を示した。[#38]
- ひとをあいしているからたたかっている 【 「人を愛しているから戦っている」 】
-
剣崎一真が戦う理由の根底。
強力なエレファントアンデッドに勝てなかった剣崎は、白井農場へやってきた嶋昇に勝つ方法を尋ねた。すると嶋は「ない」と即答。剣崎が戦いを「使命や義務だと考えている」と指摘し、「それでは人は強くなれず、君を動かすものはもっと別のところにあるはずだ」と続けた。のちのエレファントアンデッドとの戦いで、剣崎は取り残されていた子供をかばって逃し、自分が「そこいる人を守りたい」という想い、人々への愛から戦っているのだと気づき、嶋から受け取ったラウズアブゾーバーを使って新たな力を手にする。[#26]
- ふういんのくろいせきばんものりす 【 封印の黒い石版「モノリス」 】
-
黒い石版のような神秘的物体。アンデッドたちに“統制者”の意思を伝え、バトルファイトを管理する役割ももつ。
普段は長方形の中央部をねじったような形をしているが、戦いに負けたアンデッドを封印してラウズカードに換える時ときなどに、ねじれがない板状になる。また、ジョーカーがバトルファイトに勝利した場合は、世界をリセットするためのダークローチを無限に生み出す機能もある。
なお、現代のバトルファイトは1万年のサイクルで行われる正式なものではなかったため、首謀者である天王路博史がギラファアンデッドに倒されるまでは、彼の施設に安置され、行動を起こすことはなかった。
- ふかざわしんりょうじょ 【 深沢診療所 】
-
深沢小夜子の診療所。
小夜子は橘朔也と同じ大学に通っていた友人で、体調不良に悩まされた橘が彼女を頼って訪れた。診療所は橘にとって安らぎの場でもあり、しばしば会話中に眠ってしまうこともあった。[#03]
- ふじきゅうはいらんど 【 富士急ハイランド 】
-
山梨県にある遊園地。
相川始が目が治って退院する栗原天音を迎えに行った際、彼女にせがまれて一緒に出かけ楽しいひと時を過ごした。[#39]
- ぶらっくあんどほわいと 【 black and white 】
-
広瀬義人=トライアルBが橘朔也に教えたキーワード。
政府のある機関が保存している人類基盤史研究所、通称「BOARD(ボード)」のデータベースにアクセスするためのもの。通常は非公開のデータも含め、すべての記録が閲覧可能になる。これによって橘はジョーカーの危険性を知り、相川始を封印しようと考えるようになった。[#32]
- ぼーど 【 BOARD 】
-
天王路博史が設立し、烏丸啓が所長を務める研究機関「人類史基盤研究所」の通称。
すべての発端は、チベットの洞窟で発見された太古の遺跡にある。ここには53種のアンデッドによるバトルファイトについて記した壁画があり、さらに封印されたアンデッドのラウズカードを内包した「ボードストーン」も存在した。そこで、天王路はこれらを研究するために「BOARD(ボード)」を設立。自ら理事長に就任し、「人類基盤史」と名付けたバトルファイトの実態解明と、回収したボードストーンから取り出したカードの研究を開始した。しかし、これらの事実は一部の者以外には伏せられており、表向きには「“人類が繁栄した背景には進化論で説明できない別の要因がある”という仮説をもとに、現在の人類史よりも以前の歴史の謎を探求する機関」とされている。
のちに広瀬義人がアンデッドの封印を解いてしまったため、解放されたアンデッドを再封印するために急ぎライダーシステムを開発。このとき理事長だった天王路は責任をとって辞任し、烏丸が研究所の所長に就任した。その後、適合者だと判明した研究員の橘咲也、そして新たにスカウトした剣崎一真をアンデッド封印の任に当たらせていたが、ローカストアンデッドの襲撃によって研究所は壊滅してしまう。しかし、研究所には上位組織である天王路の私的機関が存在し、研究所が壊滅した後も剣崎や橘にはBOARD名義で給料が支給されていた。