クレジット

原作:石森章太郎
脚本:井上敏樹
監督:田﨑竜太 ほか
プロデューサー:
 濱田千佳(テレビ朝日)
 白倉伸一郎(東映)
 武部直美
 宇都宮孝明
制作:
 テレビ朝日
 東映
 ADK

MASKED RIDER FAIZ

放送期間
2003.1.26~2004.1.18【全50話】
主題歌

Justiφ's / ISSA

「疾走する本能」

夢を持たない青年・乾巧は旅の途中、特殊な変身ツール「ファイズギア」を持つ少女・園田真理に遭遇。異形の怪人「オルフェノク」に襲われたことをきっかけに、仮面ライダーファイズとして戦い始めるのだった……。ベルトを巡る争い。そしてオルフェノクとして甦りながらも、人として生きようとする青年・木場勇治との出会い。悪意が生み出す罠や対立に巻き込まれながらも、巧は人間として、ファイズとして、誰かの夢を守るための戦いに身を投じていく。

クレジット

原作:石森章太郎
脚本:井上敏樹
監督:田﨑竜太 ほか
プロデューサー:
 濱田千佳(テレビ朝日)
 白倉伸一郎(東映)
 武部直美
 宇都宮孝明
制作:
 テレビ朝日
 東映
 ADK

第1話「旅の始まり」

第1話「旅の始まり」

第2話「ベルトの力」

第2話「ベルトの力」

相関図&各話詳細

 いつも眉間にシワを寄せており、口を開けば語気粗めという、人とのつき合いが苦手そうな青年、乾巧は、九州から東京へとバイクで旅をしている途中、互いのバッグを取り違えるというトラブルから、ひとりの女性と出会う。彼女の名は園田真理。身寄りのない子どもたちを引き取り育てる養護施設「流星塾」の出身者であり、その創始者にして世界有数の大企業「スマートブレイン」の社長である花形から突如、バイク「オートバジン」とともにベルト型のツール「ファイズドライバー」が送られてきたため、花形の真意を確かめるべく、巧と同様にスマートブレイン本社のある東京を目指していた。
 旅の途中、真理は全身が灰色の謎の怪人「オルフェノク」に命を狙われ、この騒動に巻き込まれた巧は、真理に促されるまま半ば強引な形でファイズドライバーを装着し、仮面の戦士「仮面ライダーファイズ」へと変身。見事にオルフェノクを撃退する。そんな現実離れした事件が起こったあとも巧と真理の奇妙な縁は続き、襲い来るオルフェノクを倒しながらのバイク旅は続行。さらには道中に出会った「みんなが幸せになるように人助けをしたい」という夢見がちな青年、菊池啓太郎も旅の仲間に加えつつ、一行は無事に東京に到着する。そして、行く宛のない巧と真理は啓太郎の実家「西洋洗濯舗 菊池」に居候としてお世話になることが決まるのだった。
 その後、東京に来た目的を果たすため、巧を伴った真理は、スマートブレイン本社を訪問。だが、そこで待っていたのは真理が父と慕う花形ではなく、突如行方不明になった花形に変わり、新たな社長に就任した男、村上峡児であった。彼はファイズドライバーの返却を求め、巧と真理もそれに応じるのだが……。
 少し時を遡り、交通事故により長い期間、昏睡状態に陥った青年、木場勇治は、息を引き取った直後に目を覚ますという、不可解な現象を体験。無事に退院することになるも、彼が眠っていた時間はあまりにも長過ぎた。同じ事故で家族、そして帰る家まで失っていただけでなく、かつて懇意にしていた女性、森下千恵からの裏切りにも直面。怒りの感情を昂ぶらせると、木場の肉体は「ホースオルフェノク」へと変貌し、千恵を手に掛けてしまうのだった。
 怪人になってしまった自分はこれからどう生きていけばいいのか……。過酷な現状に打ち拉がれる木場だったが、そんな彼にスマートブレインからの使者、スマートレディが手を差し伸べる。さらに、学校で酷い虐めを受けていただけでなく家族の中で孤立し、人間に絶望した果てに雪の中で命を落とし「クレインオルフェノク」に覚醒した女性、長田結花。オルフェノクの仲間を増やす能力により「スネークオルフェノク」に覚醒した青年、海道直也。近い時期にオルフェノクへと変貌した3人は、スマートブレインの庇護のもとに集まり、奇妙な同居生活を開始する。
 オルフェノクとは何なのか、ファイズドライバーはオルフェノクと戦うためにつくられたのだろうか……。その影で暗躍するスマートブレインの真の目的とは? 数多くの謎をはらみながら、奇しくも同じ時期に同居生活を始めた男女3人と3人は、これからはじまる過酷な運命に導かれるように、互いの素性を知らぬまま出会い、交流していくのだった。

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 紆余曲折あり、乾巧が所持するようになった「ファイズドライバー」と、同族の裏切り者と判断された木場勇治の命を狙い、「スマートブレイン」が本気を出し始める。社長の村上峡児は目的を果たす刺客として、自身が〝上の上〟と認める4人の「オルフェノク」で構成された「ラッキークローバー」に仕事を依頼。オルフェノクとオルフェノクの脅威から人間を守る者たちとの戦いは、更に苛烈さを増そうとしていた。
 そんななか、園田真理は巧を伴う形で、かつての仲間である元「流星塾」の生徒たちと再会。彼らもまた、真理と同じように花形から送られたベルト「カイザドライバー」を使い、オルフェノクと戦っていた。だが、カイザドライバーを装着して「仮面ライダーカイザ」に変身した者は、戦いを終え変身を解除した直後に肉体が砂と化して消滅してしまう。そんな呪いのベルトとして皆に恐れられたカイザドライバーは、ひとり、またひとりと若者たちの命を奪った果てに、変身しても肉体に異変のなかった元流星塾生の青年、草加雅人の手に渡る。そして、彼もオルフェノクと戦う新たな仲間として、「西洋洗濯舗 菊池」の同居人に加わるのだった。
 だが、初対面から草加と剃りの合わなかった巧は、彼が何か重大な秘密を抱えているのではないかという違和感を抱いていた。かつて開催された流星塾の同窓会に草加は参加していなかったはずなのに、なぜ寄せ書きの色紙には名前が添えてあるのか……。これに対し、草加は同窓会には参加していなかったの一点張りで、さらに問い詰める巧に対して、好青年の顔の下に隠した攻撃的な本性を垣間見せる。以降、草加は巧を自分の理想とする環境には必要のない邪魔者とみなすと、彼を排除せんと小賢しい策を弄していく。さらに、ある戦いのなかで長田結花がオルフェノクであったことを知った巧は、オルフェノクのなかにも人間の心を持つ者がいるかもしれないと思うようになり、戦うことができなくなってしまう。それはオルフェノクは絶対に滅ぼさねばならないと考えている草加との対立を深めることとなり、巧はより仲間たちから孤立していくのだった。
 その後、木場勇治がかつて命を奪ってしまった森下千恵の兄、義正が絶望の果てにオルフェノクに覚醒。千恵の通っていた大学で人々を襲うという事件が発生する。互いの正体を知らぬまま木場との絆を深めていた巧は、この恐怖の状況、そして木場が悲しむ姿を見て、戦うことが罪であるのなら、それは自分自身が背負うと決意して「仮面ライダーファイズ」へと変身。戦士としてひとつ心を成長させるのだった。
 一方、草加は元流星塾生の阿部里奈と徳本恭輔からの連絡を受け、3人で何処かへと向かっていた。彼らの話によるとファイズ、カイザだけでなく、もう1本のベルトが存在するというのだ。

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 元「流星塾」の生徒たちから〝誰よりも強く優しかった〟と信頼されている女性、木村沙耶が所持していたベルト「デルタドライバー」。これを使えば誰でも「仮面ライダーデルタ」に変身できるが、デルタに適合しなければ装着者の闘争本能が刺激され、変身解除後は凶暴性を増した性格に変貌してしまうという、あまりにも危険なベルトだった。沙耶のもとに集まった元流星塾生たちは、デルタドライバーの魔力に魅せられて争奪戦を開始。仲間たちの絆の崩壊を受け絶望したのか、沙耶はデルタギアを持って皆の前から姿を消した。その後、彼女は自分が何者であるのかを隠しつつ、アルバイトとして「西洋洗濯舗 菊池」に潜入。「仮面ライダーファイズ」として戦っていた乾巧が信頼できる人間であると確信すると、彼にデルタドライバーを預けようとするのだった。
 また、沙耶とともに皆の前から姿を消したと思われていた青年、澤田亜希が、「スパイダーオルフェノク」に覚醒していたことが判明。澤田はまるでなにかに目覚めたように冷徹に人間を襲い、さらには元流星塾の仲間たちの命まで次々と奪っていくと、「ラッキークローバー」への加入条件を果たすべく、沙耶までその手に掛けてデルタドライバーを強奪。そして、デルタドライバーは長く姿を見せなかったラッキークローバー最後の一葉、北崎の手に収まるのだった。
 まるで子どもが玩具を楽しむような北崎の無邪気な暴力は、巧たちだけでなく木場勇治にも向けられ、結果、巧は木場が「ホースオルフェノク」であること、木場は巧がファイズであることを知ってしまう。これまでは互いの正体を知らぬまま敵としていがみ合っていたふたりだったが、顔を突き合わせて話をすることで多くの誤解は解消するかと思われた。しかし、それを快く思わない草加雅人がふたりの仲を裂こうと再び策を弄し、巧と木場のすれ違いの関係は継続することとなる。
 その後、子どものころに意地悪はされたが、確かな優しさも持っていた澤田を信じたいという真理の思いを尊重し、巧は真理を澤田に会わせるが、澤田は真理の命を奪うことで完全に人間の心を捨てられると語り、非情の一撃を放つ。まさかの事態を目の当たりにした巧は、オルフェノクを信じるべきではなかったと自責の念に囚われた思いを抑えられず、その怒りの拳を木場に向ける。木場もまた草加から真理を襲ったのは巧だと嘘を付かれてこれを信じ、巧と木場は激しく戦い合うことに。
 そこに偶然通りかかった北崎が乱入し、自分も戦おうとするが、ふたりの激しい怒気に当てられて心が冷めてその場を離れると、デルタドライバーを澤田に譲渡。そんな澤田も残った元流星塾生たちを呼び出すと、草加にデルタドライバーを投げ渡して関係性にけりをつけるための決戦を希望する。だが、この勝手な澤田の行動は村上峡児の怒りに触れることになり、澤田は一転「スマートブレイン」から追われる身に。そんな目まぐるしく状況が変化するなかで、草加と澤田は決着を付けるべく対峙することになるが、そこに病院からの「真理の命が尽きた」という無情の連絡が届き、戦いどころではなくなってしまう。

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 自身が「ウルフオルフェノク」であることを皆の前に晒し、澤田亜希を倒した乾巧は、「ラッキークローバー」への加入を果たす。これにより「スマートブレイン」の最新医療技術が使えるようになり、命を失った園田真理は蘇った。だが、皆に自身の正体が知られた以上、今まで通りに生活することはできない。仲間たちが自分に怯える姿を見た巧は「西洋洗濯舗 菊池」を去ることを決め、「ファイズドライバー」を木場勇治に預けるのだった。
 その後、スマートブレインの招聘に応じた巧は、衝撃の映像を見せられる。そこには「流星塾」の同窓会の日の夜の出来事が映されていた。そして、我を忘れたウルフオルフェノクが、怯える元生徒たちを襲おうとする姿が……。自分の中にも凶暴なオルフェノクの意思が眠っているのではないかと絶望した巧は、スマートブレインに従順になったフリをしながら木場に襲い掛かり、自らの命を断とうとまでする。
 やはり同窓会の日のことを断片的に覚えており、自分たちを襲ったオルフェノクが巧であったと知り、怒り心頭の草加雅人を除いて皆が巧を心配するなか、実はスマートブレインが巧に見せた映像はフェイクだったと判明。真理と草加を前に、実は逃げ延びていた澤田の口から語られたのは、同窓会の日に元流星塾の生徒たちを襲ったのは、すでにオルフェノクとして覚醒していたひとりの元流星塾生、それに加え北崎こと「ドラゴンオルフェノク」という事実だった。偶然通りかかった巧は、この暴威を止めるべく間に入るも、力及ばずに倒されてこのときの記憶を失っていただけだったのだ。そして、巧は巧であると信じる真理の思い、さらには命が尽きようとする澤田が実は人間の心を捨てきることができなかったと知った巧は、人間として、「仮面ライダーファイズ」として戦うと誓い、仲間たちのもとに戻る決心をする。しかも、何者かから真理のもとに届けられた新ツール「ファイズブラスター」を使用し、巧は「仮面ライダーファイズ ブラスターフォーム」という新たな力を得るに至った。また、草加に促されながらも、平穏に暮らしたいがゆえに戦いから遠ざかろうとしていた三原修二も、ともに行動していた阿部里奈の決して逃げない必死の姿に覚悟を固め、できる限りやってみると「デルタドライバー」の装着者となることを決断する。
 巧たちとスマートブレインとの戦いが激化していく一方、人類もこの事態を静観していたわけではなく、実は警察組織の一部の者はオルフェノクの存在を認識していた。やがてオルフェノクは人類の脅威になると目した南雅彦は、そこがオルフェノクの総本山と知らぬままスマートブレインからの資金援助を受け、極秘に「オルフェノク研究所」を設立。どこからか入手したサンプル体のオルフェノクに非人道的な実験を繰り返していた。そして、新たなサンプル体として長田結花に目を付けて彼女を捕縛すると、オルフェノクから人間に戻る研究と嘘をついて過酷な実験を行うのだった。この決して許されぬ非道な行為は、オルフェノクのサンプル体が最後の力を振り絞って反逆したことで中断され、さらには巧と木場が駆けつけたことで結花の救出にも成功。身の安全のために彼女は西洋洗濯舗 菊池に預けられることになり、結花に片思いだった菊池啓太郎が、彼女がオルフェノクと気付きながらも思いを受け止めたことで、ようやく結花も幸せを掴もうとする。だが、南の執拗な追跡、そしてラッキークローバーの影山冴子の手によって結花は帰らぬ人となり、人間の残酷な一面を目の当たりにした木場は心を闇に染めて絶望。そんな彼に対し、流星塾の創始者にしてスマートブレインの元社長である花形が手を差し伸べる。

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 「オルフェノク」は急激な肉体の変化に耐えられず、やがて自ら滅びゆく種族であると判明。それを食い止める鍵となるであろう「オルフェノクの王」こと「アークオルフェノク」は、かつて海堂直也と菊池啓太郎が火事の現場から救った少年、鈴木照夫の中で眠っており、照夫も自分が王だと知らぬまま同族のオルフェノクを襲い食らい成長。やがて迎える覚醒の時は近づきつつあった。
 時を同じくして、突如として表舞台に復帰した花形の導きにより、木場勇治が「スマートブレイン」の新社長に就任。社を追放された村上峡児は、捲土重来を狙い3本のベルトを手に入れようとするも、乾巧「仮面ライダーファイズ」、草加雅人「仮面ライダーカイザ」、三原修二「仮面ライダーデルタ」による必殺キックを同時に受け敗北。最後の力を振り絞って逃げた先にいた照夫=アークオルフェノクに、オルフェノクの未来を託すように我が身を捧げ、狂気の笑いとともに散っていった。
 その後、木場は巧、草加、三原を社に招聘し、オルフェノクの王を倒すべく共闘を提案する。オルフェノクを操るスマートブレインこそ敵だと断言する草加は、即座に拒否の態度を示してその場を飛び出し、三原も草加を追う形で退席。さらに、木場が巧に対し「人間を捨てた」と言い放ったことで、巧は木場との関係性が完全に断絶したと理解する。
 3人の協力こそ得られなかったが、木場は別のプランとして海堂に「ライオトルーパー」に変身可能なベルト「スマートバックル」を譲渡。他の5名のライオトルーパーとともに自分の手駒として利用しようとするも、実は木場のかつての姿に憧れていた海堂は、人間の敵になった木場に対して失望。三原に頭を下げてまで協力を要請し、すべてのスマートバックルの回収を試みるのだった。
 人間を守る側とオルフェノクを守る側、戦う者たちがそれぞれの立場を明確にさせるなか、体調の異変により倒れた草加は養父である花形と再会。実は草加の体内にはオルフェノクの記号が埋め込まれており、それに適合していたことでカイザに変身できていたが、今、その記号が消えかかっており、これ以上の変身は肉体が耐えられないと花形から告げられる。それでもオルフェノクは滅ぼさねばならないという意志を貫いた草加は、かつて訪れたスマートブレイン本社で偶然再開した三原との約束を果たすべく、園田真理や阿部里奈と会おうとしていた花形の前に立ち塞がった。だが、実はすでに滅びの時を迎えていた花形は、草加に対してなおも変身を止めるように告げたのちに肉体が砂と化して崩れ去る。その後、真理を人質に取られたことで呼び出された草加は、「ラッキークローバー」の影山冴子、琢磨逸郎、北崎との決戦に臨むが満足に戦えず敗北。そして、草加から「カイザドライバー」を奪いカイザへと変身した木場の手により命を散らしたのだった。
 王を倒すべきか守るべきか……スマートブレイン側も一枚岩とはいえず、王と戦うことに固執した北崎は、冴子と琢磨に裏切られ背後から攻撃されただけでなく、ファイズ、デルタの必殺キックを受けてついに敗北。そして、逃げた先で居合わせた照夫の中から出現したアークオルフェノクに喰われて絶命する。その側で呆然と立ち尽くす照夫の中にアークオルフェノクが戻っていくが、その光景を巧が目撃してしまう。
 王の覚醒が目前に迫るなか、巧はそれが照夫と知りながらも手を下すことができるのか。そして、王を守ると宣言した木場と巧の激突は、もはや避けられない状況にある。オルフェノクと人類の行く末を懸けた、最後の戦いが始まろうとしていた。

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登場仮面ライダー

主要登場人物一覧

主要アイテム一覧