かんざき しろう神崎士郎

「最後に存在できるライダーはただ一人。ライダーを倒せ。戦え」

■プロフィール

種族：人間

性別：男性

年齢：25歳

職業・身分など：大学院生

家族など：神崎優衣（妹）、神崎沙奈子（叔母）

　演：菊地謙三郎（きくち・けんざぶろう）

■説明

神崎優衣の兄。

幼いころに事故で両親を亡くし、妹の優衣が叔母の神崎沙奈子に引き取られる一方、士郎は高見姓の親戚に引き取られ、新たな家族とともにアメリカへ渡り、高見士郎として暮らすことになった。その後、士郎はアクレイ大学へ進学し、ポトラッツ教授に師事。彼以外には理解できない何かを研究していたが、大学での実験中に事故で亡くなった。

ところが、士郎はそれからまもなく日本の清明院大学へ入学し、江島均教授の研究室に所属。2001年の夏、研究室のメンバーである小川恵理や仲村創らとともに、2号館研究棟の401号室でミラーワールドに関する実験を行なった。この結果、実験の場にダークウイングが出現。被験者だった恵理が原因不明の昏睡状態に陥り、大学に恵理を迎えにきた恋人の秋山蓮が、彼女を守るために士郎からカードデッキ（ナイト）を受け取ってダークウイングと契約。江島教授も別のモンスターに狙われるようになって研究室は解散となり、士郎も以後は行方不明となった。そのため、士郎の名は「OREジャーナル」が調査している連続行方不明事件の行方不明者リストにも、高見士郎の名で登録されている。

ただし、のちにアメリカへ渡った桃井令子が高見士郎の死亡診断書を確認しており、士郎は日本に現れた時点でミラーワールドの存在になっていたと思われる。

その後、士郎は問題を抱えるさまざまな人間と接触しては、カードデッキを与えて「戦って勝ち残れば、どんな願いも叶えられる」と吹き込み、仮面ライダー同士が最後のひとりになるまで戦うよう仕向けた。その目的は、勝ち残った仮面ライダーと自身が差し向ける仮面ライダーオーディンとを戦わせてオーディンに勝利させ、出現する「新しい命」を手に入れて優衣に与えることにあった。

子供の頃の士郎と優衣は、半ば両親に放置されて狭い部屋に閉じ込められており、そこで優衣は亡くなってしまった。このとき、ミラーワールドの優衣が「私がそっちへ行ってお兄ちゃんと一緒にいてもいい？」と士郎に語り掛け、士郎はこれを承諾。優衣の鏡像が実体化した衝撃で爆発と火災が発生するなか、鏡像の優衣は動かなくなった優衣と一体化した。しかし、優衣が得たのは仮初めの命で、彼女が20歳を迎えたときに消える定めだった。そのため、士郎は優衣を失いたくない一心で優衣を消滅させない方法を研究。カードデッキによる仮面ライダーへの変身と、アドベントカードによるモンスターとの契約、そして仮面ライダーたちが戦った末に、勝者が新しい命を得られるというシステムを構築したのだった。

ところが、優衣は他人を犠牲にしてまで生きることを望まず、真実を思い出した彼女は20歳の誕生日を待たずして消滅。仮面ライダー同士の戦いも、仮面ライダーナイトこと秋山蓮の勝利で決着した。士郎はタイムベントで時間を巻き戻し、すべてやり直そうと考えるが、鏡の中から語り掛ける優衣に説得されて翻意。現実世界は、ふたりが願った「みなが幸せに笑っている世界」へと修正された。

【『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』では……】

仮面ライダー同士の戦いが進み、残っている者は城戸真司＝仮面ライダー龍騎、秋山蓮＝仮面ライダーナイト、北岡秀一＝仮面ライザーゾルダ、浅倉威＝仮面ライダー王蛇、霧島美穂＝仮面ライダーファム、そしてまだ現れていない1名を加えた6名となる。

しかし、戦いの進行は士郎が考えていたよりもかなり遅く、妹である神崎優衣の20歳の誕生日が間近に迫っており、士郎は真司らを集めて3日以内に決着をつけるようタイムリミットを通告した。

優衣は、幼い頃にミラーワールドの自分と一体化しており、その命は20歳の誕生日に消えてしまう。これを知った士郎はミラーワールドを研究してカードデッキを開発。仮面ライダー同士の戦わせ、勝ち残ったもっとも強い者の命を優衣に与えて彼女の消滅を防ごうとしていた。ゆえに、誕生日までに決着がつかなければ意味がない。ところが、これに気づいた優衣は、自分のために他人が傷つき、犠牲になることを拒み、自ら命を絶ってしまった。これに絶望した士郎も消滅してミラーワールドは閉じてしまうが、そこから無数のハイドラグーンが現実世界へ逃げ出し、人々を襲い始めることになった。