
映画や小説などで活躍する諜報機関の〝エージェント〟に憧れを抱き、いつか人助けをする職業に就きたいと願う無職の好青年、万津莫。だが、彼は幼いころから良い行いをすると、なぜか自分の身に多大な不幸が降りかかるという特殊体質持ちであった。ただひとりの肉親である妹の万津美浪からも「良いことは禁止!」と釘を刺される始末。思い通りにいかない日常に悶々としながらも日中は就活に励み、日が暮れて就寝時間を迎えると自室のベッドで眠りにつくという日々を送っていた。そして、莫が深い眠りについたとき、彼の持つもうひとつの特殊な力が発動する。それは、眠っている間に見ている夢を夢だと自覚できている〝明晰夢〟の力。これにより莫は思い通りに夢の展開をコントロールし、とある諜報機関に属する無敵のエージェント「セブン」になりきって、映画の主人公のようなヒーロー活動を謳歌していた。現実では叶わぬ夢を、文字通り夢の中で存分に堪能していたのである。
そんなある日、莫の夢に謎の怪人が出現。明晰夢の力で撃退しようとするも、いつものように思い通りにはいかず、窮地に追い込まれてしまう。焦燥のなか逃げ続け、謎の扉を抜けてたどり着いた先に広がっていたのは、莫の深層心理の世界。まるでスパイ映画のような作戦室「ゼッツルーム」であった。そこで待っていたのは、夢の中で莫に指示を出していた極秘防衛機関「CODE」の司令官、ゼロ。彼から託された胸にセットするベルト「ゼッツドライバー」と、球体カプセル型のアイテム「インパクトカプセム」を受け取った莫は、そのふたつを使い「仮面ライダーゼッツ フィジカムインパクト」へと変身。圧倒的な力により莫を追ってきた怪人「ガンナイトメア」を撃破するのだった。そして迎えた朝。「悪い夢を見た……」と安堵する莫の胸にはゼッツドライバーが!? 本当にCODEのエージェント「コードナンバー:セブン」となっていた莫は、人の夢の中へと入り込み、夢主の深層心理にある願いを歪んだ形の悪夢で叶え、やがては夢主を完全に取り込んで現実世界への実態化を目論む怪人「ナイトメア」と戦うというミッションを課せられるのだった。
夢が叶ったと無邪気に喜ぶ莫。その一方で、実はナイトメアを追う者がほかにも存在していた。警視庁公安部に属する「怪事課」。課長の富士見鉄也とその部下である南雲なすかのふたりしかいない窓際部署ではあるが、彼らは夢の中でナイトメアが行動することで、現実世界に残す痕跡「ブラックケース」を追っていた。そんななか、富士見の夢に取り憑いた「ボムナイトメア」が実体化。手遅れになる前になんとかボムナイトメアを撃破した莫だったが、ナイトメアが実体化したことで、ナイトメアの因子である〝黒い蝶〟が世の中に大量にばら撒かれてしまう。だが悪いことばかりではなく、この事件を機に莫は怪事課と懇意となり、富士見となすかは現実世界でブラックケースを追い、莫はその情報を頼りに夢の世界でナイトメアを探し撃退するという協力関係が結ばれることとなる。
こうして他者の夢へと潜入する莫。そんな彼のもとには謎多きふたりの人物の姿が……。ひとりは夢主が変わるたびに違った役割で現れ、莫のミッションをサポートしてくれる国民的超人気タレントのねむ。当初は有名人故に誰の夢の中にも出現すると思っていた莫だったが、実は現実のねむは行方不明になっていたと発覚。現実の自分がどこにいるのか、そもそも存在しているのかもわからないという彼女は、ただ夢の中を彷徨うだけの存在と化していた。それを知った莫は、ナイトメアと戦う傍ら、現実のどこかにきっと存在しているはずのねむを探し出すと彼女に約束するのだった。
もうひとりはノクス。自らを「夜を生き、夢を彷徨うエージェント」と言い放ち、ナイトメアを使役し莫のミッションを妨害。そして、かつて富士見の部下として怪事課に所属していた元警察官の小鷹賢政と同じ顔を持つ男である。彼は莫を利用することで、破損していた変身ベルト「ナイトインヴォーカー」と「イレイスカプセム」を回収し復元。「ノクスナイト」へと擬装を果たすと、莫の前に立ち塞がった。ふたりの夢の戦士は激しく激突し、ノクスが愛用する武器「ブレイカムバスター」から放たれた光弾が、莫の持つ「バリアカプセム」を穿つ。破壊されたカプセム内から出現したのはナイトメア……。カプセムとは悪夢を叶える力。すなわちナイトメアが封じ込まれていたのだ。
思いもよらぬ状況に莫は困惑し、完全に言葉を失ってしまう。自分が従ってきたCODEとは本当に信頼に足る組織なのか、そしてナイトメアとはいったい!?




























