仮面ライダー、怪人、等……。平成仮面ライダーシリーズにまつわる膨大なデータを閲覧できる「仮面ライダー図鑑」がいよいよオープン! 今回は図鑑制作チームから、その見所や今後の展望を紹介してもらいました。
- 担当A
- ADKエモーションズ 図鑑企画編集担当
- 担当I
- 石森プロ データ監修担当
- 担当S
- HP製作会社 システム構築/管理担当
- 担当T
- 東映 ライセンス担当
満を持してオープンした
「仮面ライダー図鑑」誕生の秘密
———仮面ライダー図鑑」をつくることになった経緯をお願いします。
担当A「平成仮面ライダー20作品記念公式サイト」をつくるにあたり、現行作品のフォローアップ企画やニュース記事だけでなく、平成仮面ライダーシリーズという長い間積み重ねてきた財産を、ちゃんと使った企画もほしいという事で、「仮面ライダー図鑑」をつくってみましょうということになりました。まずは今回の『仮面ライダービルド』から始まり、『仮面ライダーエグゼイド』、『仮面ライダーゴースト』と遡っていく形で更新していく予定です。
これまで、書籍などで平成仮面ライダーをまとめたものはいくつもつくられているのですが、仮面ライダーが全部で何体いるのかとか、このキャラクターは仮面ライダーなのか怪人なのかとか、明確化されていない部分もありました。今回を機にそういった不明瞭な部分も、可能な限り徐々に整理していきましょうと。
担当Iたとえば『仮面ライダー電王』のシルバラ、ゴルドラみたいに、「彼らは仮面ライダーなの?」っていう微妙なキャラクターもいますからね。
近々だと『仮面ライダージオウ』のアナザーアギト。あれは明確に仮面ライダーではなく怪人扱いなのですが、『仮面ライダーアギト』にもアナザーアギトは登場していましたよね。あっちは仮面ライダー扱いなので、今後は名前を「仮面ライダーアナザーアギト」として区別することになりました。あとはオーマジオウ。あれも現時点では仮面ライダーなのかそうじゃないのか、揺れている状態なんですよね。
ただ、そういった怪人よりも仮面ライダーに近いキャラクターに関しては、仮面ライダーの項目に掲載しています。『仮面ライダービルド』でいうと、ナイトローグやヘルブロスといったキャラクターですね。
担当Tこういったところは、あまり明確にはしてこなかったのですが、他のメンバーの皆さんの心意気に負けて、今回は膨大な図鑑企画に挑戦することになりました。とはいえ、WEBサイトではあるので、今後、時代ともに紹介の仕方も解釈も変わっていく可能性はあります。いい訳ではないんですが(笑)
担当S図鑑に入る内容としては、大きく分けて「仮面ライダー」「怪人」「登場人物」「アイテム・その他」の4つになります。一覧ではさまざまなタグを使って絞り込み検索をかけることができますし、解説ページではそれぞれ関連する人物やアイテムなども合わせて表示され、そこからも各解説ページに飛べるようになっています。
担当A検索タグに関しては、これまで公式としてあまり使っていなかった文言も、積極的に使っていくことになりました。各仮面ライダーごとに、「中間PU(中間パワーアップ)」や「最終(最終フォーム)」、登場人物だと「おやっさん枠」とか……。
担当Sちなみに登場人物、怪人、アイテム項目で右上の「作品を選ぶ」をクリックすると、その作品のキャラクターたちが自動的にカテゴリー分けされた状態で表示されます。近年の仮面ライダーはアイテムの数が膨大なので、たとえばフルボトルは「東都フルボトル」「ロストフルボトル」と分けられ、より見やすくなるんです。
なお、リストはデフォルトでは番手順で並べられていますが、登場順や50音順に表示を切り替えられます。この「番手順」という言葉も、私自身、「仮面ライダー図鑑」の仕事で初めて知った言葉なんです。
担当A番手順っていうのは、いわゆるキャラクターやアイテムに登録された仮ナンバーのようなもので、書籍などで羅列して紹介される場合は、この並びでお願いしますと決まっている順番のことです。登場順をデフォルトにすると、どうしてもおかしな並びになってしまう作品が出てくるので……。
担当I『仮面ライダーアギト』だと、仮面ライダーG3が最初ですからね(笑)。
担当A各仮面ライダーごとにID番号が振ってあり、この並びが気持ちいいだろうなっていう順番で並ぶようになっています。基本的には主役仮面ライダー→2号仮面ライダーという並びなのですが、実はこの2号、3号、それ以降……というのも明確に決まってはいないんですよね。
担当I『仮面ライダー剣(ブレイド)』の仮面ライダーギャレン、仮面ライダーカリスのどっちが2号なんだ問題とか、それ以降を3号、4号、5号と並べて良いものなのかとか、まだ明確に解決していないことがいろいろとあります。
担当Tなかなか難しいところですよね。ただ、作品にはファンの方の数だけ「こうだ」という解釈や想いがあると思います。なのでご覧頂く皆様には公式サイトの紹介の仕方が全てではないと気楽に楽しんで頂ければと思っています。
膨大なデータ量を、
公式ならではのまとめ方で
図鑑に落とし込む
———これだけのデータをまとめるのは大変だったのではないでしょうか。
担当Iすごく大変です(笑)。いわゆる平成第2期(『仮面ライダーW(ダブル)』以降の作品)は仮面ライダー、登場人物、アイテム……いずれもものすごく数が多いので、それを事細かにひとつずつフォローしていくのは、非常に手の掛かる大変な作業です。
平成第2期の作品の特徴としては、縦軸の話が仮面ライダーやアイテムにしっかりと結びついているので、何かひとつの項目を紹介すると、あのアイテムやこのキャラクターも関連性があるといった感じに、たくさんの項目に触れなきゃいけないということになるんです。この「仮面ライダー図鑑」のひとつの目的として、「すべてを網羅していこう」というものもあったので……。
担当Aただ、網羅とはいってもある程度のレギュレーションは決まっており、TVシリーズ、映画、Vシネマ、雑誌や玩具の付録というように、今回の「仮面ライダー図鑑」で紹介するのは映像作品として出てきたものに限っています。なので、理論上や設定としてのみ存在するというものは、現時点では載せない予定です。
担当Iあくまでも現時点ですから、小説や舞台に登場したものについても、いずれは載せられたらいいなとは思っています。
スーツがつくられたものや絵が存在するものは載せるのも楽なんですけど、講談社さんから発売している小説に登場したキャラクターみたいに、絵がないものは大変ですね。まぁ文章の説明だけで、ディティールは伝えられるとは思いますけど。ただ、まずは現状の「仮面ライダー図鑑」を完成させてからということで、首を長ーくしてお待ちいただければと……。
———昭和仮面ライダーにも対応するのでしょうか。
担当A勿論対応していければと思っています。ただまずは平成仮面ライダーをつくり終えてからですかね……。
担当I昭和仮面ライダーに着手するとなれば、なんといっても怪人の数がものすごいので大変ですね。ただ、昭和仮面ライダーが好きな方も多いので、平成仮面ライダーの図鑑を2年後くらいを目処に完成させて、そこから考えていきたいと思います。
仮面ライダーのように「仮面ライダー図鑑」も時とともに進化していく!
———「仮面ライダー図鑑」の注目ポイントをお願いします。
担当I仮面ライダーシリーズをずっと観てくださっている往年の仮面ライダーファンの方は、すごくディープなところまで注目してくれているので、そういった方に楽しんでいただけたらいいなと思いますね。
担当A細かいところも見てほしいし、ライトなファンの方にはデータベースとして活用していただき、新たな発見なども見つけてほしいですね。
本音を言いますと、今回の『仮面ライダージオウ』のような記念作品は、過去作品の仮面ライダーがたくさん登場するじゃないですか。だから、私たちの作品制作に役立てるため、「仮面ライダー図鑑」をつくりたかったという思いも少しはあります(笑)。すべてを網羅してまとめられている公式のデータベースというのが、存在していなかったので。
担当I設定に関しても、表には出していない部分も書くつもりではあります。小説で補完されていない部分も含めて、まだ出せていないものが結構存在するんですよ。映像作品だけで伝えきれていない部分も、載せていきたいですね。
———今後追加していく予定のコンテンツなどはあるのでしょうか。
担当Aゆくゆくはベルトのギミックの音声や、変身シーンと必殺技の動画などを追加したいですね。あと、各作品のエピソードごとにどんなことが起きたのか、誰が何をしたのか、そういったものがわかるようなエピソード解説も入れていきたいです。
担当I今回、『仮面ライダービルド』がオープンしましたが、現状のテキストもこのままではなく、随時更新されていく予定です。あとは、監督や脚本家でも検索できるようにしたいと思っています。ただ、まずは基本となる仮面ライダーや登場人物たちの画像と説明を紹介して、少しずつ拡張ということになります。
担当Sウェブサイトではなくアプリという形になれば、また違った遊び方もできますので、我々としての目標はアプリ化です。そうすればコンテンツの更新をプッシュ通知で伝えたり、動画も快適に視聴できるようになると思いますので。
担当Aそうなんです、最終的にはアプリにしたいと思っているんですよ。各仮面ライダーのページにアクセスすると、その仮面ライダーの最新のおもちゃが表示されているみたいなこともやりたいですし。
担当Tお客様にとって便利なものになればいいですよね。
———「仮面ライダー図鑑」を見てくださる方々にメッセージをお願いします。
担当A閲覧していただいて、何か前向きな改善点があったら、ご意見をいただければと思います。検索タグについても更新できますので、「こんなのがほしい」という意見は絶賛募集中です!
担当Iお待たせした分、密度は濃くなっております。これから長い目で温かく見守ってください(笑)。多分に抜けはあるとは思いますが、そうならないよう細心の注意を払ってつくっていきますので、これからも仮面ライダーを愛してくださればと思います。
担当Tいろいろなキャラクターの公式サイトがある中、ここまで作品について細かく紹介しようとする変わったサイトってなかなかないなと思っています。ただ、そういった「そこまでやる?」みたいなこだわりが、仮面ライダーシリーズらしい気がしていますので、「なんかまたへんなことしているな」と楽しんで頂ければと思います。
取材・文:株式会社ライブ