Case13
滅ぼす

仮面ライダーゼッツCase12 衝くのご視聴をありがとうございました！
いろんなことが起こりましたね…


48時間の制限時間よりも前に、小さな隕石がなん度も落ちてきてすでに大きめな被害が出ている今回。
早く心の扉を探して見つけなきゃいけないのに、ノクスからの妨害が入り莫の心は折れかけです。
ゼッツは地球滅亡の危機を救えるのでしょうか…

なんだか雲行きが怪しくなってきているCase12…
気を取り直して！振り返っていきましょう！

先週の提供バックのサイドテロップから「宇宙きたーーーーー！」と騒いでおりましたが、
なんと、この船外活動服、

仮面ライダーフォーゼで着用されていたものをゼッツでお借りしております！！
本当に「宇宙きたーーーー！」なんです！！

Case12はCase6,7以来の山口監督回となっています。
山口監督はいつも「今、現実の莫が寝てて夢をみています！」というのがよくわかるように撮ってくださいますが
まさか、莫にいびきかきながら寝言で「隕石！？」といわせるとは！
台本には、ト書きとしてもセリフとしてもその描写はなく、監督の演出です。
クールなセブンと現実のとぼけた寝顔の莫の差が感じられます。

今回の夢主は…
隕石衝突のタイムリミットを申告してきた宇宙センター職員の宇田宙太（演・仲谷憲さん）


ではなく！？

宇宙が大好きな石井星也くん、のようです。
黒川晏慈さんに演じていただいております。
澄んだ瞳と素朴だけれどオーラを感じる雰囲気が
宇宙へ純粋に憧れる星也の人となりにベストマッチ！

撮影前の衣装合わせの際に小道具の参考で
普段使っているランドセルなどの荷物も持ってきていただいたのですが
ランドセルカバーが宇宙柄でした。
（特に宇宙が好きで、ということではなかったのですが）
星也になる運命だったに違いありません。

さて、夢主は当てがついたのに心の扉の捜査はなかなかうまくいかず
夢の中の小隕石衝突によるブラックケースで
現実の建物がめちゃくちゃになっていきます。


その主たる妨害要因が…

ノクス



カプセムの恐ろしさを莫に知らせてくれているようにも聞こえますが…
意図的に任務を妨害するその動機は一体なんなのでしょうか。

瓜二つの小鷹賢政について、富士見がいうには
絶対にナイトメアに加担するようなやつでない、と。
じゃあ一体、別人というのでしょうか。
ますます謎は深まるばかり…

富士見課長、小鷹のことは賢政じゃなくて、小鷹と呼んでたんですね。



バリアカプセムを壊し、中から出てきた緑のモヤのような
よく見るとゼッツに似た姿が見られるような得体の知れない相手に
「かかってこい。ナイトメア」とふっかけるノクス。
なぜだなぜわかるノクス…！


一方現実でも、ついに美浪にゼッツルームの存在がバレます。

ゼロを見上げ怒りを露わにする美浪。

ノクスはCODEの存在にまで言及しました。
CODEは莫が作り上げた世界の中だけの組織ではなく実在しているらしい。
「お前はCODEの恐ろしさをわかっていない」…？
それじゃあ、ノクスは、CODEについて何か知っているというのですか…？

じゃあ、ゼロは一体…？
ゼロが手に持ってたあの透明なカプセムは、何…？

そしてついに

ノクスがノクスナイトに「擬装」しました。

スーツアクターは、なんと、永徳さん！
ロボ体のゼロと兼任です！！
ゼロの時の所作とノクスナイトの時の所作の違いにもご注目！！

ねむが「ギンギラのゼッツ！？」と言っているように、
胸ベルト、カプセムを回して擬装する様子は
まるでゼッツのようで…

イレイスカプセムによる擬装

イレイスの名の通り、擬装中ベルトを残して全身が消されるのがかっこいいです。

任務はうまくいかない。
知らぬ間にゼロと会う妹。
カプセムやCODEについて不穏なことばかり言うノクス。

莫の信じていた世界が少しずつ揺らぎ始める中、
超巨大隕石の衝突からゼッツは地球を守ることができるのでしょうか？

Case13を待つことにいたしましょう…

それではまた来週！
みなさん良い夢見られますように。

（文責：阿波根礼奈）

今作で万津莫、ねむ、ノクスなどを手掛けるスタイリスト・村瀬昌広氏による連載解説「Zeztz Clozeztz（ゼッツクローゼッツ）」。
仮面ライダーシリーズには幾度となくスタイリストとして関わっている村瀬氏によるクリエイティブの裏側を、ぜひご堪能下さい。


Mission_13「ウチュウノハンチュウ」

宇宙は広い。

解釈も無限にある。
果てはどこにあるのか、そもそもどうやってできたのか？

歴史上の偉人と、現代の研究者たちの英智をつなぎ合わせても、まだその答えは見出せていない。次に生まれ変わった時も、さらに謎は深まっているだろうし、知れば知るほど、果ては遥か彼方になっていることだろう。

このコラムで掲載しているスタイルブックは、さまざまなシーンで活用している。僕がファッションエディターということもあり、作ることが好きなのが前提だが、イメージをスタッフやクライアントに伝えていくには、とても有効な手段と捉えている。それ以上に自身の頭のなかを整理整頓するためが主、と言った方がいいかもしれないけど。

山口監督とは、『魔進新戦隊キラメイジャー』の立ち上げ以来、ライダー、戦隊と数多くの現場でご一緒させていただいている。監督にもそれぞれの傾向、クセがあるため、スタイルブックには、好みに近い答えを書き込むようにしている。

先にも述べたように宇宙の解釈は人によって違う。広義すぎるがゆえに、実際の衣装合わせ時に明確な答え合わせができないケースも想定できる。

そこでエージェント・スタイリストはこう考える。

今回の指令を聞いたとき、パッと思い浮かんだのが「パビリオン」「コンパニオン」というキーワード。ちょうどその頃、2025年日本国際博覧会（大阪万博）取材のため、太陽の塔で有名な『日本万国博覧会（EXPO’70）』の資料を読み込んでいた際、宇宙ぽいコンパニオンスタイルを目にしていたことに起因している。
ちなみにこの時点で台本は仮の状態で、物語は打ち合わせ段階にあったことを追記しておく。

ゼロとのやりとりにおいて、スタイルブックで先手を打ち、「Yes or No」で答えてもらうのもプレゼンテーションの一手である。誰かの夢とはいえ、宇宙を定義するにあたっては、広すぎる選択肢をなるべく限定するよう扇動していく。衣装合わせにおいては、プロデューサー、監督への答案用紙と言えるが、実は僕からの逆司令書であったりもするのだ。

二次元を立体化できる監督と、イメージがあった方が明快になるのもそれぞれで、山口監督は後者にあたるため、実際、真帆ちゃんに着てもらった。

たとえば、〜 莫が宇宙パビリオンを尋ねる 〜というシチュエーションになるとしたら、このスタイルはアリなのかもしれない。でも物語が決まってこない以上は、なんともいえない現状であるのは仕方のないこと。


後日、台本が出来上がり、
コンパニオンの方向は「No」との指令がきた。

さて、ここからはまた違った角度から宇宙を捉えていくことになる。
広すぎる宇宙の範疇を、少しでも縮められたことに安堵を覚えながら。


次回は、その答え合わせをしよう。

See you next week！

（構成・資料・文：村瀬昌広）

【Profile】
Masahiro Murase

東映特撮作品をこよなく愛するスタイリスト。
ファッションエディターとして、みずから企画・プロデュースした『仮面ライダー40thコレクション』（マガジンハウス刊）をきっかけに東映内部に潜入。
以降さまざまな極秘活動を遂行中。


万津莫のコート、シャツ、ハーネスベルト、パンツなどは、バンダイアパレル公式サイトで販売予定。
https://p-bandai.jp/apparel