Case14
神鳴る

おやすみございます！
Case13ご視聴ありがとうございました！


それでは早速振り返ってみましょう。

ノクスナイトのイレイスカプセムの力で、ゼッツの持っていたカプゼムの力が消されてしましました。
カプセムは悪夢を叶える力……

カプセムが無力化されたことで変身して戦うことができなくなってしまった莫。
でもカプセムの力の由来は夢ではなく、悪夢……
そんなものを使い続けていいのか、でも人類滅亡の危機は確かに迫っていて
いや、ノクスの言うことも鵜呑みにはできない…

ひたむきに「隕石衝突を阻止せよ」のミッションを遂行しようとしているのにもう、何もうまくいきません。

思わず莫の口から溢れた「小鷹って人がいなければ…」

莫と富士見の協力関係が崩壊しました。

秘密裏に夢の中で戦ってナイトメアの脅威から世界を守り続ける莫と
まだ見ぬナイトメアの存在を確信して捜査を続ける富士見。
孤独な戦いの辛さを知っているからこその速さで出来上がった信頼関係でしたが…
つらい…

両者の心臓の音まで聞こえてきそうなかなり緊迫したシーンでしたが
今井さんと三嶋さんは仲良しです。ご安心を。

ゼッツルームから出ないといけなくなっちゃて
プレートを持って放浪する富士見となすか。
怪事課はゆくよ、どこまでも

夜に見る「夢」と、将来の目標の意味での「夢」がリンクした今回。
この二つを同じ単語で表す国は多いようで、夢、Dream、rêve、Traum、sogno…などなど
もともとは寝る時の夢だったけれど次第に将来の希望、的な意味も含むようになった、という言語もあるようです。
それだけ両者とも儚くて幻のようなものなのでしょうか。


小学6年生の星也くんにはいろいろ現実の厳しさも見えていて、宇宙飛行士になる夢を持ち続けるのは難しい状況でした。
それでも、夢をもち続けることは尊いことで、夢があること自体が「才能」であって当たり前ではないのかもしれません。
未来に希望を持っている人は自然と周りの人を励ますことがあります。


星也くんが莫に、エージェントへ憧れる純粋な気持ちを気が付かせたように…

山口監督回あるある
「〇〇そのものがナイトメアだった！！」
今回は、巨大隕石そのものがナイトメアだった！
メテオナイトメアのCVは山口監督でした。

パラダイムグラビティ。
重力を操作して宇宙へも飛び出し、
そしてブラックホールの中へ吸い込まれてしましました。



次週、ゼッツを、莫を待ち受ける衝撃の真実…

誰が敵で誰が味方？

登場人物たちの関係性も宇宙さながら混沌としてきた今日この頃。

……次回　Case14 神鳴る　お楽しみに！！

（おまけ）

今作で万津莫、ねむ、ノクスなどを手掛けるスタイリスト・村瀬昌広氏による連載解説「Zeztz Clozeztz（ゼッツクローゼッツ）」。
仮面ライダーシリーズには幾度となくスタイリストとして関わっている村瀬氏によるクリエイティブの裏側を、ぜひご堪能下さい。


Mission_14「スタイリング相対性理論」

コスプレ（Cosplay）
＊「コスチューム・プレイ」の略、和製英語。アニメ・漫画・ゲームなどの特定のキャラクターになりきる行為を言う。

モード（mode）
＊フランス語で「流行」を指す言葉。ほかに様式・方法・状態などを意味する。これにファッション的解釈を加えると、最先端といった意味も含まれる。

人は理解困難な情報を処理する際に、情報を単純化する傾向がある。

ファッションの世界に身を置いて感じることは、日常から少しでもかけ離れたスタイルをしていると、「何かのコスプレ？」と言われることがよくある。そりゃ、オレンジヘアで金のトレンチコートを着て表参道を歩いていれば、そういわれるわ（笑）。

時代の最先端（と考える）クリエーションをマーケットに提案するのが、デザイナーやスタイリストの役割だが、それをビジネスにしていくには消費者の賛同が必要だ。だから独りよがりな提案は、コスプレと処理されても仕方のないことではある。

パーソナリティはさておき。

前回も述べたが、宇宙の解釈は無限にある。
その範疇を少し縮めて挑んだ衣装合わせでは、さらに踏み込んだアプローチを試みる。

帽子：YUEQI QI
ユェチ・チさんが手がけるブランド。セントラル・セント・マーチンズ美術学校ニットデザイン科を卒業後、CHANELで経験を積み、2020年春夏シーズンの上海ファッションウィークにてコレクションデビュー。中国手工芸復興運動の担い手として、Gucciとのコラボを発表したり、LVMHプライズに選出されたりしている。

ブルゾン：Kiko Kostadinov
ブルガリア出身のキコ・コスタディノフさんが2016年に立ち上げたブランド。セントラル・セント・マーチンズでファッションを学び、独特なフォルムやパターンカットを用いた機能的なディテール、ミニマルな世界観で知られる。

レッグウォーマー付きスカート：JICHOI
チョイ・ジヒョンさんが手がける韓国発のユニセックスブランド。Vivienne Westwoodでの知見を活かし、機能性とロマン性を融合させ再構築したワークウェアなどを得意としている。K-POPアイドルの衣装やコラボで聞いたことがあるかもしれない。

靴は、未来的なソールで人間と重力の関係を変える「LEAP GRAVITY」がコンセプトのgroundsの一択。

現時点では、多くの人が「コスプレ」と認知するであろうアイテムを意図的に並べてみた。

宇宙を語る際に必ず出てくる相対性理論とは、時間や空間は絶対的なものではなく、観測者の運動状態によって変化することをいう。

スタイリングも同じだ。
トレンドや流行は絶対的なものではなく、見る人の環境、立場、知識、心理状態などによって変化する。

表参道を歩けば、およそ大半の人が「コスプレ」と認知するかもしれない今回のスタイルも、山口監督が創り上げる映像的背景と融合すれば、情報を単純化し、きっと宇宙を感じてくれるに違いない。

こういったアプローチで創り上げたのが、ナビゲーターねむ。


宇宙は歪んでいる。
重力は力ではなく、質量によって時空が歪められることで生じる現象だ。

夢を題材にする『仮面ライダーゼッツ』の世界観におけるスタイリングには、ときに多少の歪みがあった方がいい。

これからも己の眼光を信じ、ミッションを解決していくことにしよう。

「スタイリング相対性理論」流行るといいな。

Mission complete！

（構成・資料・文：村瀬昌広）

【Profile】
Masahiro Murase

東映特撮作品をこよなく愛するスタイリスト。
ファッションエディターとして、みずから企画・プロデュースした『仮面ライダー40thコレクション』（マガジンハウス刊）をきっかけに東映内部に潜入。
以降さまざまな極秘活動を遂行中。


万津莫のコート、シャツ、ハーネスベルト、パンツなどは、バンダイアパレル公式サイトで販売予定。
https://p-bandai.jp/apparel