第49話
メタルウォリアー！ 白銀のヴァルバラド

48話、ご視聴いただきありがとうございました！

いかがでしたでしょうか。
りんねとアトロポス、二人の"娘"が辿った数奇な運命と運命に抗う覚悟。
１年間の撮影を経て、松本麗世さんと沖田絃乃さんの大きく成長した姿を見せていただきました。改めて、ありがとうございました。
そして脚本・井上亜樹子さんもありがとうございました！


そう、１年です。


本日ついに新番組「仮面ライダーガヴ」のスタートアップ特番も解禁され、「仮面ライダーガッチャード」は残り２話で放送を終了します。
撮影的にも48~最終話までの田﨑組が俳優たちの最後のTVガッチャード。
スタッフ、キャスト一同、持てる全ての力を注ぎ込んで制作しました。


先週のガッチャどころで、マジェードの強化フォーム「トワイライトマジェード」の登場に関するプロデュース的狙いを後日語ると言いましたが、おそらく48話を見てご理解いただけたかと思います。
それは
「最強フォームは絶対に負けないから最強。そのためには、物語も、俳優も、スタッフも、全てが最強の最終盤でやるべし！」
という狙いでした。

元々、一般店頭で発売される玩具を作中に登場させることで、視聴者に物語と玩具を両方楽しんで貰うことが前提の特撮番組は、その性質上、２号ライダー以降の最強フォームというのは商業的にも、物語的にもマストではありません。
むしろ、慣れ親しんだキャラクターの姿形が何度も何度も変わるなんて、主役だけで精一杯。２人目、３人目はむしろ初期の姿で１年間通して置いたほうが低年齢の視聴者さまには親しみやすいですからね。

それでも我々が終盤にPUフォームを出そう！玩具を出そう！と毎回頑張ってようやく商品化にこぎつけるのはそこに「物語の力」があると信じているからです。
観た人の中に永遠に残り続ける物語が、そのキャラクターと玩具に意味を持たせ、最高の思い出として輝き続けると、信じているのです。

そのため、２号ライダー以降のパワーアップは毎回東映側がまず物語をバンダイに提示し、その感動を伝えることで成立しており、決して"アタリマエ"ではないんです。


というわけで先週も明かしたように今年、ガッチャードが取った作戦が、

第48話　脚本：井上亜樹子　監督：田﨑竜太（りんねPU）
第49話　脚本：長谷川圭一　監督：田﨑竜太（スパナPU）
最終話　脚本：内田裕基　　監督：田﨑竜太（？？？）

という布陣なのです！！！
つまり次回はスパナ回from長谷川圭一兄さん！
我らが兄さんが描くスパナとギギスト決着の物語にご期待下さい。
ちなみに、仮面ライダーヴァルバラド黒鋼、めっちゃカッコいいです。
仮面ライダー界隈で話題になりがちなスーツ流用の話にある意味一つの結論を出したのでは？と思っていたり……これは来週語りますね。


そして、現在大ヒット公開中の映画「仮面ライダーガッチャード　ザ・フューチャー・デイブレイク」
特に8/6に東京と大阪で開催された応援上映回は非常に盛り上がりました！！
ということで、応援上映第２回も8/20（火）に全10都市で開催決定しております！

一度御覧いただいた方はおわかりいただけるかと思いますが、この映画、本当に応援上映が楽しいです。
だって撮ってる時から田﨑監督と「絶対これ応援上映やりましょう！」と話していましたからね。
第３回以降も評判次第では開催される可能性もありますので、ぜひ一緒にバクアゲガッチャしていただければと思います。

最後まで加速し続ける仮面ライダーガッチャードにぜひご期待下さい！！


それとそうだ、8/17（土）に新宿・バルト９で開催のスタッフトーク付き上映会に田﨑監督とともに登壇させていただきます。
お越しいただける方はこちらもお楽しみに！

（文責：湊 陽祐）

九堂りんねとアトロポス
２人の少女の結末、ご視聴ありがとうございました！




りんねとアトロポスは、
ガッチャード初期、8話から(正確には7話から）
ずっと因縁を敷いてきた２人でした。

実はこのタイミングでは、
りんねの人間性とその過去を深堀りしていくために含みを持たせる目的と
アトロポスの洗脳能力を紹介するという目的のため、
カフェでの２人の対立構図は生まれました。


それが思いのほか、今後発展させて物語に活かせるのでは？となり、

（りんねも人形だった説やすでに死んでいる説がアイディアとして出されたりも……）


りんねとアトロポスの誕生には強いつながりがある(結果、りんねをモデルにしてアトロポスがつくられた）という設定は
早い段階から何となく固まっていたものでした。


そこから、3名の脚本家と監督たち、
そして何より、松本麗世と沖田絃乃という2人の役者で1年間紡いできた２人の深い結びつき。


それをどう結末づけるか、その大役を担っていただいたのは、
脚本・井上亜樹子さん
監督はもちろん田﨑監督です。


19話で、アトロポスを守ったりんねの覚醒を担当いただいたのもお二人。


19話でりんねが起こした行動とその覚悟は、
めぐりめぐってアトロポスの48話につながることとなりました。

……それでは48話をふりかえっていきます！！






あの決闘の後、実は風雅のもとで保護されていたスパナ。

満身創痍なうえ、ドライバーも破壊された彼は
再び戻ってこられるのでしょうか？


次回49話もお見逃しなく……！

そんなスパナが目覚める前、
風雅のもとを訪れたのは、なんとグリオンでした。

風雅に娘たちの危険を知らせ、協力を要請しているように見えますが、
結局その裏には別の企みがありましたね。


結末を知ったうえで、
この必死の説得シーンをグリオンの表情に注目してもう一度見ていただくと
彼の芝居を感じ取れる瞬間が本当に一瞬だけあって、鳥肌が立ちますのでおすすめです……！

鎌苅さんのお芝居がさすがすぎる……



風雅はりんねもこの事態に巻き込まれていることを知り、
完全に体が復活していないながらもグリオンと共闘することに。


向かった先にいた、拘束された２人の娘。

実はこの撮影で、
アトロポス役・沖田絃乃さんの10歳のお誕生日をお祝いしました～！

２桁歳突入の記念すべき日をお祝いできて、とても光栄でした！！


普段のお芝居がすごすぎて忘れがちなのですが、
沖田絃乃氏、まだ10歳なんですよね……（笑）


この時もとても喜んでくれたようで、幸せな現場空間でした。

風雅とグリオンは、娘の命をかけ
ガエリヤの仕組んだ「死のゲーム」に参加させられることに。



風雅とグリオンの緊迫した大人の決闘、
痺れましたね……

絶対どこかで実現させたかったのが、石丸さんと鎌苅さんの対話劇。


やるならここだろうと、
会話を繰り広げながらできる緊迫感のあるバトルということで
ロシアンルーレットという形をとりました。

現場では銃監修の方にもついていただき、
とてもリアルな演出になっています！

さて、そこで語られたのは、
かつて風雅とグリオンが共同研究していた頃の昔話。

実は風雅が仕事をする場に遊びに来たことがあったりんね。


そこでグリオンは風雅とりんねの親子仲睦まじい姿を目にしていました。
そして、りんねの姿も。



りんねを見て顔を歪めるグリオンは絶妙でした……！


「君が持っているものは全て欲しかった」
と語ったグリオン。


ここでだけは、グリオンは意外と本音の一部を話していたのかもしれません。


風雅と自分、人間と人形。
同じように錬金術を極め生きているのに、違いを見てしまった。
それは親子という名の人間同士の絆。

親子とは、娘とは、
風雅と自分の違いとは一体何なのか、、、
そんな思いを秘めていたことは確かだったのでしょう。





そして、このシーンでりんねの幼少期を演じていただいた
大野りりあなさんがオールアップを迎えました！

難しい回想シーンも毎度こなしてくださる、素晴らしい役者さん！

現場でもいつも礼儀正しく、芝居を楽しむ姿にこちらが感銘を受けてしまうほど……


りりあなちゃん、1年間ありがとうございました！







さて、宝太郎の打開策には驚いていただけたのではないでしょうか？

久しぶりのバレットチョウチョワイルドが登場！

ゲームに関するものしかガエリヤの空間には入り込めない……
あっそういえば俺銃になれるじゃん！ということで


AでもBでもなくCを生み出すのが、
風雅さんも認める、ずっと変わらない宝太郎の良さと強さ！

完全なる余談ですが、
脚本家さんをはじめとした文芸チームで宝太郎のCを考え出すのはなかなか難しい時間でした。

宝太郎という名の一休さんだったら、どんな頓知を利かせるだろう？
宝太郎の頭になってみて、さらにケミーとの共闘という部分をはずさずにアイディアを考えるのが結構大変。

今回のバレットチョウチョワイルド擬態作戦はテレ朝Pのナイスアイディアでした！





宝太郎の活躍で、無事死のゲームからは抜け出すことができた宝太郎たち。

これで何とか助かったかと思われた2組の親子。

しかし、ここでグリオンの本当の狙いが明らかに。

グリオンは、アトロポスを救おうとしていたのではなく、
むしろキマイラの主導権を自分に書き換えて、黄金郷実現に利用することを狙っていました。

ついでにその犠牲となるりんねの姿を風雅に見せ、
絶望する顔を拝んでやろうという魂胆。





「お前を愛したことなど一度もない」

強烈な一言。これを言わせるのがさすが井上さんです。



そして、アトロポスの絶望も圧巻でした

これまでも素晴らしい目力を魅せてくれていた沖田さんでしたが、
今回はその目に光が失われていく様がとても素晴らしかった……


おかまいなしにギラギラの目で自分の野望を語り始めるグリオンを見つめる表情が何とも……

三つ巴の戦いがはじまりますが、

グリオンが上手だったのは、
ガエリヤがキマイラ誕生を阻止するためにりんねを殺そうとしても、
それは宝太郎か風雅が止めに入るため、

ガエリヤの阻止が失敗してのキマイラの誕生か、
宝太郎の阻止が失敗してのりんねの死と風雅の絶望は、最低でも見られる。

求めるものが、少なくともひとつは手に入る構造をつくったこと。

片方が生きる限り、片方は生きることができない
りんねとアトロポスに課された「運命」。


それでもりんねは負けず、「命が尽きるまで戦う」と宣言しました。


それにしても、りんねは宝太郎に負けず精神的に強いヒーロー、
仮面ライダーに成長しました。

演じる松本さんもりんねと共にこの１年で本当に成長して、
その進化と自信が表情にも現れているから、さらにお芝居に説得感が感じられます。




そんなりんねの覚悟と強さを目の当たりにしたアトロポスがとった行動

それはまさにかつてりんねがとった行動と同じ
「運命」に抗うものでした。


アトロポスを突き動かしたのは、りんねと交わした約束。
『もうだれかを傷つけたりしない』



そしてアトロポスは、
「りんねのような友達がほしかった」という自分の本当の気持ちに気づいたのでした。

アトロポスとりんねのエネルギーが混ざり合ったことで、

りんねの左手には、黒と金に輝くアルケミストリングが誕生。


それと同時に、アルケミスドライバーが
マジェスティドライバーへと進化。

ザ・サンとユニコンも
トワイライト ザ・サン、
トワイライト ユニコンという新しい姿に。


悲しき別れを力に変えて、マジェードは新たな姿に変身を遂げました。


その名も……

トワイライト・マジェード！

マジェードの最強パワーアップ、それはまさにアトロポスとの合体。


アトロポスが纏う冥黒の衣装と
ボブヘアがマジェードに混ぜ込まれ、


明るく光る正義と暗闇の中の正義との融合を
夜明け前や光が沈む前の薄明るい空間、光と闇のグラデーション、
「トワイライト（黄昏）」という言葉に表現しました。

運命に抗ったアトロポスの攻撃はガエリヤには予測できず、
りんねとアトロポスは、最初で最後の共闘を果たします。


そしてガエリヤが明かしたのは、
怒りや悲しみの感情に支配されるしかない人間は、心を捨て運命に従い生きることが正しき進化であり、
自分はそのために人間を捨てたということ。


しかし、
ただ運命を受け入れるためだけに生きるなんて間違っている
自分の運命は自分でつかみ取るもの！

ガエリヤ撃破！！！！！！



残酷な企みを巡らせ、皆を翻弄したガエリヤでしたが、
その最後に明かされた信念は、なんだか悲しいものでした。



ということで、

ガエリヤを演じてくださった酒井菜々子さん、

そして声を演じていただいた伊藤彩沙さんがオールアップ！



妖艶で知的な冥黒の王ガエリヤを演じきっていただき、
本当にありがとうございました！！！

そしてりんねの元へ戻ったアトロポス。


姿形は消えても、アトロポスの思いとりんねとの絆は
りんねの中で、りんねとともに、これからも生き続けるはずです。

こうして、ガエリヤの元にあった賢者の石のかけらは
グリオンのものに……

なるかと思いきや、忘れてはいけないもうひとりの冥黒王、
ギギストへもちゃっかり分配されました。


長いこと外野で動向を伺っていたギギスト、
そろそろ本気を出さないとガッチャードも終わっちゃうぞ！（？）

ということで、次回はギギスト、
そしてスパナが最後の戦いに挑みます。

新たな姿・ヴァルバラド黒鋼の誕生と輝きをぜひ目に焼き付けてください！



今週の掲示板はここまで！
次回もお楽しみに！

（文責：原島果歩）