第21話
マッドウォリアー！黒炎のヴァルバラド！

いったいどうなってしまうんだスパナ……

ということで。
20話ご視聴いただいた皆様ありがとうございました。

次回、遂に黒鋼スパナがブンブンにバクアゲますので、お楽しみに！！

さて。
今回明かされた黒鋼スパナの過去。
10年前の事件。
この事件にはまだまだ隠されている部分がありますので、詳細は今後の展開をご期待いただきたいのですが。

そもそもこの過去の出来事というものについて、番組の企画立ち上げにあたってはひと悶着ありまして。


それは、「主人公(=宝太郎)はどんな過去を抱えているのか？」というもの。


毎回新番組の企画にあたって直面する命題です。
毎年キャラクター、世界観全てを構築し直している仮面ライダーシリーズですが、既に『仮面ライダークウガ』から数えて25作。
ありとあらゆる主人公のパターンは概ね出尽くしています。
「天然系」「最強系」「弱々系」などなど…
浮世英寿のように、主人公が抱えている過去が大きなドラマのキーになるというのもキャラクターの作り方の一つです。

ドラマである以上、もっと複雑なキャラクターを構築する事も可能ですが、
特撮ヒーロー番組である以上、メインターゲットに理解できないキャラクターとなってしまうことは避けるべき。
ある程度の被りは避けられない状況と言っていいでしょう。

それでも毎年新しい番組を放送する以上、要素を組み合わせ、その年のテーマにあった新しい主人公像を選択する必要があるわけですが、『仮面ライダーガッチャード』においては「何者でもない普通の高校生」というキャラクターが選択されました。

その結果、我らがガッチャ野郎が出力されたワケですが……笑（こいつ、普通か？）

この最終結論に至るまでは本当に色んな案が出され、喧々囂々と議論が繰り広げられていたとき、最後の一推しを決めた一言が

「この番組の面白さは、視聴者が主人公と一緒になってワケノワカラナイ世界に飛び込んでいく面白さ。ならば、主人公は１話がスタートライン。過去は白紙だ！」（一部脚色を含みます。たぶん）

という当時のテレビ朝日井上Pの鶴の一声。
放送開始とほぼ同時に部署異動があり、今は別部署から番組を支えていただいておりますが、この井上さんの置き手紙によって番組の方向性は大きく決まったと言っても過言ではないでしょう笑

思えば私がAPとして参加した『仮面ライダーゼロワン』『仮面ライダーセイバー』『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』まで全てご一緒したプロデューサーは井上さんだけ。本当に色々と教えていただきました。感謝です。
非常にクレバーな方なので、きっとどこかで井上さんの企画がまた見られることでしょう！乞うご期待！


結果的に宝太郎には失われた記憶があることが明らかになりましたが、
今の宝太郎がその事実を初めて知り、覚悟を決める展開にしたのも、彼のスタートラインが１話あることを変えないため。
番組を見ている視聴者と同じレベルで情報を知り、視聴者と共に成長していくためです。

だからこそ、そんな素人主人公の対抗馬である黒鋼スパナ先輩には濃厚な過去を用意することにしていたのですが、いざ蓋を開けてみると、それもまた封印された過去！

どうやら井上Pが残した置き手紙は、我々の中にとても大きな影響を残していったようです。

つまりこの番組においては過去は「仮面ライダーが背負うもの」ではなく、「仮面ライダーがぶち破るべき壁」なのです。


さて次回、黒鋼スパナは一体どのように過去をぶち破ってくれるのか？
期待値バクアゲでご期待下さい！！！！！（もうええわ！）

（文責：湊 陽祐）

黒鋼スパナ、まさかのマルガム化ーー！




衝撃の展開。

そう……皆様お思いになったことでしょう。

いや鎖多くね！？

……と。






って、重要なの絶対そこじゃない！！

ということで
20話21話と黒鋼スパナ篇。

笑えないのは
このページのジョークだけということで（？）


本編では徹底してハード。
非常に重厚な２話が仕上がりました。

お迎えしたのは
ガッチャード初参戦の杉原輝昭監督。

2話かけて
じっくりと「黒鋼スパナの今までとこれから」に
向き合ってもらいました。


消された記憶。
「美学」の意味。
師との決別。

1話とは思えない、スパナに対する情報量！


20、21話を始める際に決まっていたことは
「スパナが仮面ライダーになる」
という、ただ一点だけ。


では、どうすれば彼は「仮面ライダー」になれるのか？
それを考えるにはやはり
黒鋼スパナとは何者なのか？　というところに
立ち返るしかありませんでした。



このタイミングで
スパナの話をすると決まっていたので

逆算で彼の師匠である枝見鏡花を登場させ、準備は万端。


そうしてお膳立てがそろったとき
脚本の長谷川さんが企てたのは
彼の「仮面を剥がすこと」でした。


心の仮面を剥がさなければ
〝仮面ライダー〟にはなり得ない。


これまでのスパナが変わるためには
まずその気取った、飄々とした外面を
「美学」を取り払い

みじめなまでに、超Ａ級のエリートを追い込むことが必要だったのです。

そこまで追い込まれたスパナならば
行くところまで、行き着いてしまうのでは？

その「追い詰め」の極地として
怪人（マルガム）に堕ちるスパナというアイデアが考案されました。

「悪意をもった人間は、ケミーと結びつきマルガムになる」


この番組の怪人生成ルールが
スパナが必要としている状況と偶然嚙み合った幸運。


ちなみに、杉原監督の演出により
今回だけ、普通のマルガムパターンと違い

ケミーが囚われるのではなく
マッドウィールが「自ら」スパナのもとに向かった？
と取れるようなお芝居を、声優の坂さんにお願いしていたりします。



それはおそらく、マッドウィールにとっても
スパナは大事な戦友だから……。

そう考えると
いっそう切なくつらい、異形の姿。



そしてこちらの怪人化という「仕掛け」
実は番組的にもありがたく。

毎週ＴＶの前で「おぉ！？」と驚いてほしい。
そんな思いでお届けしているガッチャード。


しかし
仮面ライダーヴァルバラドが登場することは
諸々の事情で隠せない。


いわば、ネタバレ不可避の状況でした。



だったら！　
手札が丸見えなら、自分でカードを作っちまえ！

ということで、錬金術師の番組らしく（？）
「隠し玉」の錬成（でっちあげ）に成功したわけですね。


つまり「ウィールマルガム」という「切り札」を残すことで
年末ビジュアルや新OPでの「大ネタバレ」に
踏ん切りもつけられたというわけでした。



いや～～みんな驚いてくれているといいな～～。




そうして明かされたスパナの過去。
彼の美学とは、具体ではなく指針。
復讐の黒い炎を封じ込めるための「鎧」であったと語られます。

宝太郎にとっての「消された記憶」が
「忘れたくなかった美しい記憶」

だとすれば

スパナにとっての「消された記憶」は
「忘れたかった忌まわしき記憶」。


本来、記憶を消す、とは重大なことですから
宝太郎のような良い面だけを描くわけにはいかないでしょう。



「復讐に美学はない。明日を生きろ」

第6話で長谷川さんが紡いだセリフを
今回、長谷川さん自身が拾った形となっているのは、もちろん意図してのこと。



ただ美しく、お行儀よく
乱れることなく配列されたチェスの駒のように。

彼の美学とは
要は「はみださない」ための指針。

それは、師であり恩人でもある枝見鏡花によってもたらされた
救いであり呪いでした。

そして今回の20、21話で特に光ったのは
キャストの皆様の熱演。

杉原監督の的確かつ熱量あるディレクションのもと
皆様この話数にかける想いが素晴らしく迸っておりました。



特に17話からの参戦組の

鏡花を演じる福田さんと
グリオンを演じる鎌苅さん。

お二人のこの2話における功績は計り知れません。

守るための嘘をつかなくてはいけなかった苦しみ。
保護者としての顔、指導者としての顔。

そのどちらもに
福田さんがすごく真剣に向き合っていただけたことが
画面を通して伝わってくるようでした。

鏡花の魅力を
この2話だけで10倍にも20倍にもしていただけた気がします。


そしてこちらも熱演、いや怪演のグリオン様。

初めて本格的な「ワル」の面を見せた回でしたが
その圧倒的に「愉悦」きわまったお芝居！

観ていて楽しくなってしまうような
圧倒的な「狂いっぷり」。
こちらもここにきて〝本領発揮〟なグリオン様。

ここまでのキャリアがある鎌苅さんだからこそ、出せる味。
いやあ、これからますます楽しみです！！

福田さん、鎌苅さん、引き続きよろしくお願いいたします！


そしてゲストの皆様もありがとうございました！

スパナの父役の尾崎右宗さんと
スパナの母役の大賀 埜々さん！

お二人とも
特殊な設定のキャラクターであったのにもかかわらず
非常に積極的に取り組んでいただきまして……

黒鋼家も、とても柔和な雰囲気に！
ありがとうございました！


そして少年時代のスパナは
髙橋夢人くん！

スパナは現在24歳という設定なので
その10年前なので夢人くん演じるスパナは14歳。

まだ、現在の宝太郎たちと同じアカデミー生徒で
下級生の青服、指輪も青いものでした。

（ちなみに、10年前鏡花さんの指輪は緑になっております）

夢人くん、大変なシーンばかりでしたが
スパナのつらい時代を背負っていただき、ありがとうございました。


そしてこの2話で一番がんばったのは
おそらく、スパナ役の藤林くんかとは思うのですが……
そちらは、完結編である来週へ持ち越しましょう。

来週が藤林くんの最高の瞬間になることを祈って…！！

そんなスパナを助けるために
宝太郎とりんねもＷライダーとして活躍！

駆けろ！　ゴルドダッシュ！！

（ゴルドダッシュはケミーなので二人乗りしても大丈夫なのだ！たぶん！）

いささか唐突なバイクシーンですが

こちらは脚本の長谷川さんが
「宝太郎とりんねの二人乗り観たいな～～無理かな～～やってよ～～」
と、半ば無理やりねじ込まれた……もとい要望されていたシーンでしたが


でもたしかに……

長谷川さん、このシチュエーション
そりゃイイっすよね……
ご提案いただきありがとうございます……！！

かわいいスクショもいっぱい撮れるし！！

それにしてもこのライダーたち、陽気である。

ピースまでしちゃって。

まぁオフショぐらいは癒し要素がないと……ね！

そしてファイヤーとマジェードの並び立ち、上がりますね～～！

実は下園さんのアクションが
19話からずっと、あまりにしなやかでスゴイという話を
小一時間くらい語りたいのですが……それはまたどこかで。

一方こちらは
イグナイター待ちのガッチャードさん。
「待て」の姿勢がかわいいですね。

翻ってオフショットでも真剣な顔つきの藤林くん。
その想いが伝わってくるようです。


そんな藤林君の万感の想いのこもった「変身」
ついに来週、解禁です。

どのような形で
スパナは自分の黒い炎を乗り越えるのか！？


ご安心ください、仮面ライダーヴァルバラド
めっちゃカッコよく仕上がってます！！

来週もお楽しみに！


以上、富良州高校掲示板でした！！

（文責：松浦大悟）

ちなみに、ここからは大いなる脱線ですが……


実は
本日朝8時から東映特撮YouTubeOfficial、そして東映特撮ファンクラブにて
「仮面ライダー555 殺人事件」という
奇妙な作品が配信開始しております。

朝8時、昔のニチアサはマジで朝早かったんですよね……懐かしい。


なんとガッチャードとは全く関係がありませんが
面白いので見てください！


なお、パラリゲ未視聴でも行けます。
ネタバレなし！　というか、そういう次元はもはや超越してます。


むしろこれを見た後にこそ
「555_20th　パラダイスリゲインド」を観てほしい。

ガッチャードと555、どちらも見てくれてる方は必見！
ガッチャードは知ってるけど、20年前の作品なんか知らねぇ！って人はここから！
ついでに「ド○ブラザーズ」とかが好きな人もぜひ！(？)

みなさまにおすすめです！


…ということで、2月2日から公開の「パラリゲ」予習にぜひ！
↓のURLから本編まるごと見れちゃいますので！


https://youtu.be/-krtQhdvUg4?si=b9cZuTUZVyUzIwTw

（文責：スマートブレイン社広報部 M浦）