ノーザンベースの全知全能の書の一部により新たな力を手にした倫太郎。しかし、玲花により音銃剣、土豪剣、雷鳴剣とワンダーライドブックが奪われてしまった。マスターロゴスの狙いは聖剣とワンダーライドブック。蓮と賢人も狙われるのではないかと動き出す飛羽真たち。蓮の元へは倫太郎、芽依、そして倫太郎が新たに手にした力を守るためにユーリも同行。しかし、そのユーリが・・・。そのころ、飛羽真は一人、賢人のもとへ向かう。久しぶりに二人きりで話す飛羽真と賢人。
しかし、その前にマスターロゴス本人が現れる。

ノーザンベースを舞台に熾烈な戦いが繰り広げられた第３２章とはうって変わりそれぞれの心情によった第３３章。飛羽真と賢人が剣ではなく、かつての記憶と思いを交差させます。そして、蓮は玲花、そして倫太郎との邂逅によりある決意をする。マスターロゴスが真の目的を語り、そして飛羽真が求める彼女が現れる。
メガホンを取るのは３２章に続き杉原監督。そして、脚本は前章の激しくも想い溢れるエピソードを紡いでくれた内田裕基さん。内田さんはセイバー初参戦ですが、いきなりパワーアップ回を担当し、今回は内田さんならではのちょっと可愛い賢人も見られます。思い渦巻く第３３章、お楽しみに！

（文責・高橋一浩）

〜現場通信〜

32章「僕の想い、結晶となりて。」ご視聴ありがとうございました。

『水勢剣流水に誓う。大切な人たちは僕が守る！』
家族と思っている組織を守るという想いから、守るべきは一緒にいる仲間たちだということに気づいた倫太郎。そしてそんな、かつてのソードオブロゴスで戦ってきた剣士たちにも通じる倫太郎の想いと強い覚悟に呼応して生まれた新しい姿・タテガミ氷獣戦記！！
飛羽真との関係を築き直す剣士たちを描いたセイバーの第2期で一番悩み苦しんだ倫太郎。
彼の純粋さと覚悟が現れたような純白の鎧と鬣はとてもかっこよかったです。

組織を離れると決断して動き出した29話から今回の32話までの4話をかけて、倫太郎の苦しい内面と心情の変化をつぶさに描いたこの期間は、『仮面ライダーブレイズ』という番組タイトルだ！といっても過言ではない、倫太郎のアツい展開だったのではないでしょうか。
演じる山口貴也くんも４話を通じてお芝居に対する姿勢や考え方も大きく成長し、スーツアクターの永徳さん含めた２人のこれまでの集大成を視聴者の皆様にお伝えできたことだと思います。

そんな32章の演出を担当してくれたのは杉原監督。今回も監督独自の感性でたくさんのこだわりを盛り込んでくださいました。

まずはCG盛りだくさんだったブレイズ・タテガミ氷獣戦記VSズオス・プレデター戦。
CGカットには作業量や予算等により実は上限がある程度で決まっているのですが、（多少？かなり？CGチームの多大な頑張りもあって）うまく規定内に収めつつ…
壁を走り、海へ逃げ、大きな楔を投げたりと監督の発想でゲームの世界観のようなアクションを繰り広げて、新鮮で迫力ある映像に仕上げてくれました。
これもゲーム大好きな杉原監督らしさが出ていたところだと思います。
他にも、リアルな立ち回りの剣アクションの際には銀色のマイラーフィルムと特殊効果で使用するエコスノーという素材を混ぜ合わせて剣先に乗せることによって、
剣を振ったときにその軌跡に氷のエフェクトが現れるような演出を見せてくれました。

セットでの撮影の際にはブレイスの頭の上からドライアイスを流し込み、こちらの演出もブレイズをとってもとってもクールに魅せてくれました。

そしてズオスに吹き飛ばされる尾上。撮影の数日前に監督から生島さんに吹き飛ばされるカットを撮りたいから練習しといて、と指示。
生島さんもアクション監督の渡辺さんと一緒に撮影の合間にセットの横で練習を重ねて、本番では見事な跳躍とやられっぷりを披露してくれました。

三上真史さん演じる師匠と幼い倫太郎のイメージシーンも、台本の打ち合わせの際に高橋Pと杉原監督がやりたいと言って盛り込まれたシーン。
師匠の想いを受け継ぎ・更に超えていく倫太郎と、彼が小さい頃から…そして死してもなおずっと優しく見守っていた師匠だったんだろうなと想像させるいいシーンになりました。
幼い倫太郎を演じた大野遙斗くん。緊張のせいかなかなかいい笑顔が出せず、1日１時間しかできない大好きなゲームを三上さんが立ち会いに来てたお母さんに許可をとり、本番で「ゲーム１日に２時間していいよ。」と言って引き出した笑顔なのでした。

そして今回の32章で仮面ライダーセイバーをオールアップとなったのはズオスを好演してくれた才川コージくん。
You Tubeにて公開されているウラメギドや撮影現場でスタッフ・キャストのいる前では演技の話などもあまり積極的にせず、筋トレを中心とした楽しい話ばかりする才川くんなのですが
そういうブランディングなのか照れ屋だからなのか、実は隠れてとてもお芝居を熱心にストイックに考えているキャストでした。
アフレコでも裸になって笑わせようとしているように見えますが、実際に体を大きく動かして声を出すことによって映像のキャラクターの声とのマッチングを向上させていたり、
監督にアクションをしたいと申し出ていたのも自分が演じる爪痕を残そうとする姿勢からだったと思います。
飄々としている才川くんでしたが現場ではとても愛されて、最終日は一人でグリーンバックセットでの撮影でだったはずが、その日の撮影のないキャストたちも集まって無事オールアップを迎えたのでした。

そしてオールアップした後日の最後のアフレコでなんとタイミングよく誕生日を迎えた才川くんにキャストからケーキと、劇中ではライバル関係にあった筋肉兄弟の山口くんからプレゼントを送られていました。

才川くん、本当にお疲れさまでした！！

(文責・土井 健生)

■Ocean histroy
飛羽真が見抜いた仮面ライダーデュランダルの真の力。
それは、時の聖剣「時国剣界時」によって、時間を削り抹消するという能力。

時の能力としては一風変わったこの力、なるべくわかりやすく解説してみたいと思います。

時国剣界時の刀身を分割し時間を抹消すると、デュランダルの胸部装甲「シーデュエルソナー」の働きによって時間の流れと無関係な特殊な空間へデュランダルは移動することができます。

この空間は深海のように音も光も遅れて届くため、デュランダルは時間の流れをゆっくりと見極めながら、浮上する場所を選ぶことが出来るのです。

ただし、この特殊空間内は高負荷がかるため、デュランダルでも自由自在に動き回れるわけというわけではありません。この空間内で他者へ対して攻撃するということは出来ないのです。
さらに効果範囲に巻き込まれた者は抹消された敵味方問わず時間の記憶を持たないため、「時間が飛んだ」ような感覚に陥リます。

以上の性質から、時国剣界時は高い攻撃力に加え、時間を削る能力による高い防御・回避性能を併せ持つ非常に強力な聖剣である一方、一つ間違えば仲間にも危険が及ぶという扱いが難しい剣なのです。

そもそも時国剣界時は神代家に代々受け継がれてきた特別な聖剣。
凌牙のように、自在に扱えるようになるにはどれだけの訓練を積んできたのか…

そんな稀有な能力を駆使して飛羽真たちに襲いかかった神代凌牙。
同じく扱いの難しい聖剣煙叡剣狼煙を持つ仮面ライダーサーベラ・神代玲花とともにまだまだ一筋縄ではいかなさそうな相手ですが、彼らの正義はどこにあるのか。
　マスターロゴスの暗躍の真実を知った時、果たしてー

(文責・湊 陽祐)