改変される日常。世界を制する新しき王の名は「加古川飛流」
【EPISODE41の振り返り】2019: セカイ、リセット
グランドジオウの境地に達したソウゴは2068年の未来でオーマジオウと再戦するも、決着を付けることはできなかった。その後、ウォズの手により現代に戻されたソウゴが見たのは、変わり果てた日常だった。
グランドジオウとオーマジオウ、魔王同士の戦いが始まった。グランドジオウがビルドを召喚すれば、オーマジオウはクウガを召喚。ライダー同士が激しくぶつかり合う。両雄の力は拮抗し、戦いは長引くかと思われた。「今日こそ決着をつける!」といきり立つグランドジオウは、続けてドライブを召喚。オーマジオウに攻撃を仕掛けると思いきや、ドライブは踵を返しグランドジオウに一撃を加える。その衝撃で変身解除され、地に伏せるソウゴ。そこに血相を変えた様子のウォズが現れ、倒れるソウゴに駆け寄った。そしてウォズは瞬時に理解する。ドライブライドウォッチはゲイツがオーマジオウから奪ったもので、正式にソウゴが継承したものではない。だからまだオーマジオウには敵わない……。
ウォズが静止するのを振り切り、グランドジオウライドウォッチを手にまだ戦おうとするソウゴ。止むを得まいとウォズがマフラーを伸ばしてソウゴを包み込み、何処かへ飛ばす。「さすがはウォズ……賢明な判断」と言うオーマジオウに対し、咄嗟に臣下の礼を取ってしまうウォズ。とその直後、周囲に異変が!? 何者かが時間に介入したのか、時空に歪みが発生する。それは、今までにないほどに激しい歪みであった……。
気がつくと、ソウゴは見知らぬ場所にいた。眼前には巨大な城、さらに城の前にはかつて2068年に見た「常磐ソウゴ初変身の像」に似たモニュメントが。だが、そこに堂々とした姿で立っていたのはソウゴではなかった。それはソウゴも見知った人物、台座に記された名は「加古川飛流」。かつてアナザージオウとしてソウゴと戦ったあの青年であった。
この状況に困惑するソウゴを少し離れた場所から見ている男がいた。荒廃した世で戦うレジスタンス風の姿をしたその男は、仮面ライダーディケイドこと門矢士。彼はインスタントカメラを取り出すと、ソウゴをとらえシャッタースイッチを押す。
「これがこの世界の結末か。どう動く。常磐ソウゴ」
士は今撮ったばかりの写真を眺めるが、そこに写るソウゴはいびつな姿をしていた。
街に出たソウゴ。だが、そこに人の姿はない。拾ったチラシを見て2019年であることは確認したが、ソウゴがいた世界とは何かが違う。この荒廃した様子は、まるで2068年の未来で見た世界……。そしてソウゴはクジゴジ堂を訪ねてみるが、そこも負傷したレジスタンスの救護施設となっていた。順一郎もまるでソウゴに初めて会ったかのような余所余所しさを見せ、ふたりの噛み合わないやり取りが続く。そんななか、テーブルに置いてあったタブレットに連絡が。ツクヨミからのアナザーライダー襲撃の報告である。それを見たソウゴはこの状況をまったく理解できぬまま、クジゴジ堂を飛び出していく。
ツクヨミからの報告があった難民キャンプでは、アナザーオーズとアナザーキバが出現。すでに変身したゲイツが戦っていた。そこにソウゴが駆けつけ加勢しようとするが、やはりツクヨミもソウゴを見て「誰?」と不思議な顔をする。そしてソウゴはジオウⅡへと変身! それを見て驚愕したのはゲイツとツクヨミだった。ジオウⅡは難なくアナザーオーズとアナザーキバを撃破するが、その後、ゲイツがゲイツリバイブ 剛烈にフォームチェンジしてジオウⅡに攻撃を仕掛けてくる。
「大魔王ジオウを倒してこの世界を救う。それが俺たちレジスタンスの悲願だ!」
まるで出会ったばかりの頃に戻ったようなゲイツに対し、焦るジオウⅡは変身解除して説得しようとする。だが、問答無用と言わんばかりの剣幕でゲイツリバイブ 剛烈の凶刃がソウゴに迫る! すると突如時間が制止し、ウールが現れる。ウールはソウゴに逃げるよう促すが、その無様な背を見送り「いい気味だ」と意味ありげにつぶやくのだった。
公園の水辺で肩を落とし、ひとり黄昏るソウゴ。一体何が起こっているのか……まったく理解できない。そこに現れたのはウォズ。頼れる仲間の出現にソウゴは安堵の顔を見せ、ウォズも憔悴しきったソウゴを慰める素振りを見せる。だが、続けてウォズは「紹介しなければならない人物がいる」と告げると、オーラに連れられ、威厳をたたえた衣装に身を包んだひとりの青年がソウゴの前に立つ。それは加古川飛流!
「私は新たな魔王に仕えることにした」
飛流に従うという耳を疑うウォズの言葉に絶句するソウゴ。そんなソウゴに飛流が憎しみの眼差しを向ける。あの日の戦いのあとに言われた、今のために生きてほしいなどという言葉は、選ばれなかった者に対しての侮辱でしかない。選ばれし者=ソウゴからすべてを奪ったとき、同じことが言えるのか? 飛流は懐からアナザーウォッチを取り出してスイッチを押す。飛流が変化した姿、それはかつてのアナザージオウではなく、ジオウⅡの意匠を持つ新たな姿、アナザージオウⅡ。それを見たソウゴもグランドジオウに変身する。
グランドジオウがライダーを召喚するなら、アナザージオウⅡはアナザーライダーを召喚する。だが、やはりオリジナルが勝るのか、鎧武がアナザー鎧武を、電王がアナザー電王を圧倒。そしてグランドジオウがアナザーアギトを撃破するが、アナザージオウⅡが得ていたのは召喚能力だけではなかった。それはこの世界をも狂わせたと思しき“時間改変”。時空の歪みとともに、倒されたはずのアナザーライダーが復活する。そして、グランドジオウがアナザージオウⅡを攻撃しても、そのダメージまで瞬時に回復してしまう。
アナザージオウⅡの規格外の能力に徐々に追い詰められていくグランドジオウ。そこに何処からともなくマシンガンの銃撃音が響き、グランドジオウの窮地を救う。そこにいたのは門矢士だった。士はありったけの銃弾を雨のようにアナザージオウⅡに撃ち込んでいく。火花とともに銃撃音がけたたましく鳴り響き、周囲が硝煙に包まれていく。やがてそれも止み煙も晴れると、グランドジオウと士の姿は消えていた。
地下に逃げ込んだソウゴと士。みんなが自分のことをすっかり忘れて、ウォズまでもが飛流の下についたと意気消沈するソウゴ。それについて士はまったくの他人事であると突き放すが、ひとつ確実に始まっていることがあるのだという。それはこの世界の崩壊。元の世界に戻すには飛流を倒すしかない……。それを聞き、まずどうすればいいのか聞くソウゴだったが、士は自分で考えろと言う。だが、士はひとつだけソウゴにアドバイスを与える。ソウゴは仲間たちのことばかり気にかけているが、彼らがいたからソウゴは王様になりたいと思ったのか、それは順序が逆なのではないか? と。
その重みのある言葉についてソウゴが考える間もなく、追手のアナザーライダーが現れる。そこに飛流=アナザージオウⅡはいない……。グランドジオウに変身したソウゴは、ライダー召喚の能力を駆使し、アナザーライダーたちを退けた。だが、トンネルの入口から新たな影が!? それはゲイツ!
「ジオウ。お前を倒して、俺がこの世界を救う」
ゲイツはゲイツリバイブライドウォッチを取り出し、ゲイツリバイブ 疾風に変身。雄叫びを上げながらグランドジウへと向かってくるのだった。
ピックアップ
改変された世界
ソウゴがオーマジオウと対峙している隙に加古川飛流をアナザージオウⅡにしたことで、新たな王を擁立するというタイムジャッカーの野望は達成した。ゲイツに襲われるジオウをウールが助けることで、ジオウとゲイツの対立関係も成立。タイムジャッカーの目論見通りにシナリオは進んでいるかのように見える。
だが、本当にこれが彼らの目的だったのだろうか……。タイムジャッカー同士の立場は対等ということにこだわるオーラに対し、スウォルツが嘲りの目を向けているようにも感じられるが。
アナザージオウⅡ
加古川飛流がアナザージオウⅡウォッチを使って変化した姿。見た目はジオウⅡに近いが、能力的にはグランドジオウとほぼ変わりないと考えていいだろう。グランドジオウと同様、何らかの方法で従えたアナザーライダーを自在に召喚・使役する能力を持つ。
時間を操る能力は飛流のソウゴへの憎しみの力によるものなのか、グランドジオウ以上のようだ。撃破されたアナザーライダーの復活に加え、自身の肉体に受けたダメージも瞬時に回復する。