2022年 6月 26日放送

第41話 「父の真意、息子の決意!」

脚本: 木下半太

監督: 杉原輝昭

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大二は赤石に操られている訳ではなく、
自らの判断に歯止めが効かなくなっているだけだと肌で感じた一輝。
カゲロウの不在が影響しているのではという仮説が指摘が虚しく響く。
そしてその言葉は、父親である元太の胸にも鋭く刺さる。

一方、壮絶な兄弟喧嘩に割って入った赤石は増していく大二への偏愛を抑えられず、
ベイルに抵抗を続ける大二以外の五十嵐家の抹殺を命じる。

太助を失い、喪失感に包まれているウィークエンドに
悲しむ暇もなくシェルターが襲われているとの一方が入るが、
ヒロミが率いる量産型デモンズ軍団とアルティメットリバイスを筆頭に、
闘志を奮い立たせて立ち向かう!

見どころ

今の「仮面ライダーリバイス」をディベートに置き換えると、
前提がギフという脅威が存在する世界。
議題は人類が進むべき道。
選択肢が服従して種としての存続を選ぶか、滅亡してでも抵抗するか。
服従を主張するのが赤石たちで、抵抗を主張するのが一輝たち。

日々、難しいなあと思いながら取り組んでいますが、
仮面ライダーがディベートで終われればどんなに楽か…笑
アクションものである以上、そこに必ず戦いがある。
でもそれは現実の世界でも同じなのかもしれません。
日本にいると麻痺しがちですが、人類は幾分かマシになったとはいえ、
結局今でも世界各地で争いは止まない訳です。

ギフが本当に人類を破滅させるほどの力を持っているのなら、
赤石(や大二)の言っていることは正しいのかもしれません。
でも、それは太助さんの命を奪う理由にはなりませんよね。
その行為で、赤石の言う正しさは、答えを失ったと思います。

戦うということはどういうことか。
誰かを守るために必要な行為である一方、
常に犠牲を伴うリスクが存在すること。
そして一転、誰かの希望を絶ってしまう可能性もあるということ。

戦いを描かなくてはならない宿命にある番組であるからこそ
ただヒーローが悪を倒すだけではなく、
戦いが生まれる過程や動機、戦いの先に生まれる感情や行動、
そういったものに面と向かっていく番組でありたいと思います。

そんなマインドを感じて下さっているのか、最近は特に
役者の皆さんの精魂込めたお芝居が際立ってきています。

限られた出番の中で39話に緊迫感をもたらして下さった乃緑さん、
本当にありがとうございました。
そして40話での迫真の演技を披露して下さった矢柴さんにも感謝です。
私も立ち合わせていただきましたが、存在が撮影そのものを支配してしまう
ような雰囲気といいますか、スタッフの矢柴さんの演技を受け取って
100%かそれ以上のクオリティで映像に「記録」しなければならない
というプレッシャーがうまく煽られて、素晴らしく心地よい緊張感が
生まれていました。改めて、ありがとうございました。

そんなお二人のバトンを受け継いで、終盤戦は若手たちが
珠玉のお芝居をぶつけてくれていますが、
次の41、42話で熱演を披露してくださるのは戸次重幸さん!
大二のために背中で、行動で示す父親の姿を丁寧に演じてくださいました。

熱量が画面に収まりきらなくなってきている「仮面ライダーリバイス」ですが、
これから迎える夏にはぴったりかと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします!




(文責・望月 卓)

第40話 あとがき

40話、いかがでしたでしょうか。39話で公子を失ったことにより、偽りで結んだ関係に真の“家族”のつながりを見出し始めていた光。だからこそあくまで非情な太助の態度を受け入れることが出来ず、これまで“お互いを詮索することなく”“ウィークエンドの使命のため”結びついていた関係に生じた亀裂。

仮面ライダーへの変身を経て闘う力を得て、大切なものを守ることが出来るようになったからこそ生まれた信念。本気の想いはいつしか響き合い、太助の心にも少しずつ、変化をもたらしていました。
しあわせ湯の常連で、五十嵐家に負けず劣らずの「お風呂大好き一家」として登場した牛島家。

第8話で怪しげな動きを見せ、第21話ではその正体が地下組織・ウィークエンドの構成員であり、偽りの家族であったことが明かされました。

互いを詮索しないルール、と、何の痛みもない顔で語っていた光。ウィークエンドは身寄りのない人や家族を失った人、挫折からの再起を求める人の集まりであるからこそ、拭えない罪を背負う花や玉置も、共に闘う同志として受け入れられました。

太助を演じる矢柴俊博さんとラストシーンを共にしたのは赤石役の橋本じゅんさん。まさに、名優ふたりによる魂と芝居のぶつけ合い。

山奥のダム。5月の初め。灰色のコンクリートと緑が囲むシチュエーションの中、白と黒の影。普段は肌寒い場所なのに、この日は汗ばむくらいのやや高めの気温。演出に熱が入る中、俺なんでこのTシャツ着て来ちゃったんだろう……と呟く監督(上着を脱ぐ予定じゃなかったそうです)。

赤石「これが本当の君の家族か。亡くなったのかね」
太助「ああ。デッドマンズの汚い手にかかってな」
赤石「愛すべきものを失って……さぞ辛かったろう」
太助「気にするな。過去のことだ……俺は未来しか見ない」
台本には、ト書きのないセリフのやりとり。脚本家の毛利さんから、太助と赤石を演じるふたりに託された芝居。テストを重ねる中でいくつもの芝居パターンを提示し合い、太助のラストシーンを作っていきました。血で汚れた1枚の写真に写っていたのは、妻と娘と3人での笑顔。太助の本当の家族。

本当の名前や思い出に蓋をしてもなお、肌身離さず持っていた写真。ト書きにはただ「ポケットから一枚の写真が落ちる」とだけ。赤石が拾ったそれを、太助が奪い返し、握り締める。しかし死を前に力尽き、倒れる。太助のそばに落ちた写真に視線を落とした赤石。太助は青空へと手を伸ばし、写真の中にはいない、「息子」へと呼びかけました。太助から目を逸らした赤石は一言呟きます。

「愛していたか?」

これは、芝居を作り上げていく中で橋本さんが提案したものでした。問いかけは既に絶命した助けには届くことなく、赤石は傍に落ちていた写真を拾い上げ、太助の遺体の上へと落とす。何を見つめるでもなくさ迷う視線。本物の家族を持たないふたりが思い浮かべた、想いをかける「息子」の存在。太助の想いに触れたことで、赤石の中に芽生え始めていた父性がより濃くなっていく――リバイスの描くテーマのひとつである「家族」がまた新たな形で紡がれる名シーンが誕生しました。
そして、チェックOKの声が伝わった後、矢柴さんのオールアップコールが響きました。

上堀内監督から矢柴さんへ、ウィークエンド色の花束。

ラストシーンを共にした橋本さんと固い握手の後の、熱い抱擁。血のりの汚れが付いたらいけないと矢柴さんが遠慮される中、ギリギリのところまで組み合う橋本さんの、矢柴さんへの心からの労い。

自身の出番が終わった後も、ふたりの魂の芝居と矢柴さんのオールアップを見届けたいと現場に残っていた五十嵐さくら役の井本彩花さんと、門田ヒロミ役の小松準弥さん。井本さんからはこの日のために書いた矢柴さんへの手紙が送られました。

そして、最後に本物の家族の絆を結ぶことの出来た息子・牛島光役の奥智哉さんとの別れ。お父さん、と呼びかける姿と固い握手に、魂の受け継がれた瞬間が見えました。

若手キャストがメインを務める現場で、大人キャストの皆さまはチーム全体の支えであり、がむしゃらに励む若手たちに目指すべき背中を示してくれるありがたい存在です。コミカルな仕草も、シリアスな表情も、動作やセリフの強弱に機微を込め、ただの一瞬にも多くのドラマを滲ませる芝居は、若手キャスト達のこれからにとって大きな糧となりました。矢柴さん、本当にお疲れ様でした!

最後はスタッフ全員で記念撮影!

偽りと言いながら、心から笑いあう瞬間もきっとあったはず。リバイス世界に生きる人々全員が笑顔を取り戻すその日まで……息子たちライダーの闘いを見守っていてくれますように。

(文責・近松 知佳)




■続・ひゃっほ〜い!ワッショイ!夏映画ゲストキャスト解禁!
先日解禁された八嶋智人さん・藤森慎吾さん・立石晴香さんの3名に加え、劇場版ゲストキャストが大発表です!
五十嵐夫妻と偶然同じ飛行機に乗っていた青年・大谷希望を演じるのは、豆原一成さん!2019年に社会現象を巻き起こした<日本最大級のオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」>で選ばれた精鋭11名で結成されたグローバルボーイズグループ・JO1のメンバーです。歌もダンスもキレッキレの豆原さんですが、お芝居もキレッキレです!元々、仮面ライダーファンであった豆原さんは、現場でも興奮を隠しきれないご様子。リバイスレギュラーはもちろんのこと、豆原くんの見どころも満載な本作になっております。

★豆原一成さんコメント
仮面ライダーリバイスの映画に出演すると決まった時は本当にビックリしました。僕は昔からずっと仮面ライダーを見て育ってきて、今でもグッズを集めるほどのファンなのですが、いつか出たいという気持ちがあったのでその夢がこんなに早く叶って凄く嬉しかったです!お芝居の経験もまだ浅くてわからない ことも沢山ありましたが、キャストの皆さんやスタッフの皆さんに助けていただきながら、楽しく撮影が出来ました。僕はこの撮影現場で幸せや感動を感じ ることが沢山あったので、皆さんにもこの映画を通して幸せや感動を受け取ってもらえたらなと思います!

そして、さらに追加ゲストはこの方です。"Mr.PERFECT BODY"ケイン・コスギさん!赤石と共に、ギフと契約した男アヅマを演じます。「スーパー戦隊」「ウルトラマン」、そして「仮面ライダー」に出演し、3作品で『変身』を果たすという偉業を成し遂げました!ケインさんのスーパーアクション、本当にヤバかったです。某モンスターB○Xをオマージュしたアクションシーンもあるので必見です!

★ケイン・コスギさんコメント
仮面ライダーに出演するのが長年の夢だったので、出演依頼をいただいたとき、飛び上がるほど嬉しかったです!また十代のころお仕事をご一緒させていただき、「ガイバー」等の作品でアクションを進化させてきた坂本浩一監督と再びタッグを組ませていただけることを光 栄に思いました。 ただ、東映に戻ってこれて嬉しいと思う反面、カクレンジャーに出演してから28 年が経ち、皆さんの期待に応えられるか心配でした。それでも精一杯務めさせていただいたつもりで す。多くの皆さんに映画を楽しんでいただけたら嬉しいです!

皆さま、このアクション超大作は是非大きなスクリーンでご覧下さい!
『劇場版 仮面ライダーリバイス/暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE』7/22全国ロードショーです!!

(文責・百瀬 龍介)