2020.08.30 ON AIR
ソレゾレの未来図
脚本: 高橋悠也
監督: 杉原輝昭
最終話
或人と滅の戦いは、人類とヒューマギアの全面戦争を意味していた。にもかかわらず、或人が選んだ結論は滅との直接対決だった。アークの力を手に入れた滅は、或人を倒すために変身する。それを迎え撃つのは、同じアークの力を持つ或人、仮面ライダーアークワンで―――。
第44話 ハイライト
次回、ついに最終話です。内容に関しては、もう見ていただくしかありません。でも、最終話を迎える前にあたり、一つだけ言っておきたいことがあります。それは、「仮面ライダーゼロワン」のレギュラーキャストたちの話です。
1年前、撮影が始まったときは、主演の高橋文哉さんをはじめ初々しさが眩しかったメンバーたち。お芝居を初めて経験するキャストもいたりで、杉原メイン監督のもと厳しい指導を受け、いわゆる仮面ライダーシリーズの洗礼を受けていきました。変身をどうやるのか、どう言うのか、銃をどう握るのか、どう芝居やアクションをするのか。試行錯誤しながら、夏の猛暑や冬の寒さに耐え撮影は続きました。そして、『令和 ザ・ファーストジェネレーション』などの映画や、超英雄祭などのイベントを重ねて、敢えて言うと例年の通り成長を重ねていってくれたと思います。
ところが、今年に入って少し経ったあたりから、例年とは雰囲気が変わり始めます。世の中全体の雰囲気が……。新型ウイルスの感染拡大により、撮影自体に影響が出始めたのです。そして、ついに約1ヵ月半にわたり撮影が中断しました。撮影だけではなく、数々のイベント、そして映画も延期となり、まさに今まで経験したことのない空白を経験したのです。キャストたちは、例年であれば経験できる撮影と、ファンの皆さんの声援に触れる機会を失いました。ただでさえ厳しい撮影環境の中、イベントなどで直接声をかけてくださる多くのファンの皆さんの声援が、レギュラーキャストたちを支えてくれていたはずなのですが、その貴重な機会を失ってしまったのです。仮面ライダーシリーズは1年間という長い期間をかけて一つの役を演じ、向き合い、そしてファンの皆さんに支えられて成長していく。その根底が崩れ去ってしまいました。果たして、キャストたちの集中力は持続するのか。そんな心配がつのりました。
でも、撮影が再開し、私がただキャストたちを見くびっていたことが分かりました。シリーズの終盤にあたり、これほどまでに早く、そして熱く急成長を遂げたレギュラーキャストメンバーたちを私は知りません。それは、撮影の中断期間の悔しさやシリーズに対する情熱や使命感を一気に爆発させたような“予測できない”現象でした。残された「自分の役と向き合える時間」の長さを知ったキャストたちは、高橋さんを中心に最後まで集中力を切らすことなく、自分の役を演じきってくれたと思います。逆に、コロナ禍の中で悩むスタッフに、最後まで駆け抜ける元気をくれたのは、現場に立ち続けた俳優部だったのかもしれません。
応援してくださるファンの皆さんの想いをキャストたちはキチンと受け取っていました。そして私は、撮影に関わる時間の長さがキャストたちを成長させていたのではなく、その信念と使命感が仮面ライダーに携わるキャストたちを成長させていたことを実感しました。キャストたちのその想いは、きっと最終話の画面からも伝わるはずです。
俳優部といえば、次回はゼロワンと滅の最終決戦。そう、令和の仮面ライダーを引き継いだ縄田さんと、ミスター平成ライダーこと高岩さんの真っ向対決です。一瞬も見逃さないでください。1年前から想い描いてきたこの最終決戦を、杉原監督と渡辺アクション監督が予測を上回る見事な演出で描き切っています。
最後です。俳優たちの芝居と、熱い熱いアクションを、ぜひご覧ください。
(文責・大森 敬仁)
第44話プロダクションノート
■カレらのオールアップ
遂にゼロワンも最終話を残すのみとなりました。テレビシリーズの撮影において最終組となった杉原組では、一年間役を生き抜いたキャストがひとりずつオールアップしていきました。
第44話のシーンがオールアップとなったのはこちらの皆さま。