世界を破壊しながらも人々を救う。その驚天動地の方法には、ひとつだけ避けられぬ犠牲が必要だった。
【EPISODE48の振り返り】2068: オーマ・タイム
門矢士の提案した第4の選択肢に乗ったソウゴは、2068年に向かい、オーマジオウと決着をつけんとする。この時空は、未来はどうなるのか!? 物語の終焉のときは近い!
クジゴジ堂に集まったソウゴ、ゲイツ、ツクヨミ、ウォズ、士がこれまでに判明したことを語り合う。
別の世界に各々存在していたはずの仮面ライダーたちがひとつの世界に集結し、時空が融合しつつある。その呼び水となったのは、生まれながらに王の才覚を持つソウゴ。
スウォルツは幼き日のソウゴに時空を操る力を与え、仮面ライダーたちを呼び寄せてその力を譲渡させた。すべてのライドウォッチが揃ったときに融合しつつある世界に起こること。それは仮面ライダーに倒されるはずだった怪人たちの出現。やがて完全に融合した世界は怪人たちに蹂躙され、滅びへと向かっていく。一方で唯一残された自分の世界だけが救われる。それがスウォルツの真の目的だった……。スウォルツは己が野望、そして発生しつつある時空の乱れから目を背けさせるためにウールとオーラを騙してタイムジャッカーを結成し、アナザーライダーを生み出していたのだろう。
スウォルツの用意周到な策により、もはや世界の滅びを止めることはできない。士はこの世界の破壊を宣言する。だが、たとえ世界を捨てても人々を助ける方法があるという。スウォルツが提示した3つの選択肢以外に道があるのなら、それに乗りたいというソウゴの決断に皆が同意し、士の作戦を実行することが決まった。
それから少し時が経ち、各々が与えられた役割を果たすためにクジゴジ堂を出発し、ソウゴと士だけが店内に残っていた。「そろそろ俺も行くよ」というソウゴに対し、士は言いにくそうにこの作戦にはひとつ落とし穴があると告げる。
「俺だけ生き残れないっていうんだろ?」
ベルトを受け取ったとき、いや生まれたときから覚悟はできていたというソウゴ。士もそれ以上はもう何も言わない……。だが、その前に寄り道してやらないといけないことがある、とソウゴがカウンターに目を向けると、そこには「買い物に行ってきます 順一郎」というメモ書きが残されていた。
外は様々な仮面ライダー世界の怪人たちに溢れ、人々が恐怖とともに逃げ惑っていた。ウォズはウォズギンガファイナリーに変身してツクヨミを守りながら怪人と戦い、ゲイツは別の場所でゲイツリバイブ 剛烈に変身し、スウォルツが変化したアナザーディケイドに戦いを挑む。
一方、クジゴジ堂の近くの道では順一郎が怪人たちに追われ逃げ惑っていた。買い物帰りなのか、小さなダンボールを「これだけは!」と大事そうに抱える順一郎。そこに「おじさん!」と駆けつけたジオウが怪人たちを蹴散らす。順一郎の前で変身を解き、自分は仮面ライダーとして悪い奴らと戦っていたと告白するソウゴ。「本当に王様みたいだなあ」と感心しきりの順一郎は急に真剣な顔になると、自分には時計屋としてやらなければならない役割があるから、ソウゴはソウゴの役目を果たすよう告げる。そんな心強い言葉で順一郎に送り出されたソウゴは、自身の役目を果たすため、タイムマジーンに乗りこむのだった。
ソウゴが向かったのは2068年の未来。オーマジオウとレジスタンスが激戦を繰り広げており、そこには悲壮な覚悟を胸に戦うゲイツとツクヨミの姿もあった。オーマジオウの強烈な攻撃により発生した爆風にツクヨミが吹き飛ばされる! それを間一髪抱きとめたのはソウゴ。一般人が何をしている! というゲイツの怒声が飛ぶが、ソウゴはツクヨミの懐に何やら忍ばせると、俺が食い止める! とジオウに変身。その姿を見て驚愕するゲイツとツクヨミ。そして、対峙するオーマジオウも困惑気味に言う。
「若き日の私よ、お前がこの時代に再び来るなど私の記憶にはない」
決着戦とも言うべき両雄の戦いが始まった。
ジオウが取り出したのはジオウトリニティライドウォッチ。世界を超えた仲間たちの絆の力は時をも超えるのか……!? そんなソウゴの想いは見事に届き、ジオウはジオウトリニティへとフォームチェンジを果たした。ひとりではなく仲間の力。それこそがオーマジオウが唯一持っていなかったもの。ジオウトリニティの三位一体の必殺技が炸裂し、オーマジオウがついに膝を屈する。
決着がつき、オーマジオウは言う。「その仲間のために、自分を犠牲にしようというわけか」と。その言葉にどういうことだ!? となるゲイツ、ウォズに何も答えず、ソウゴは変身を解除する。
もはや戦うのは無意味。なぜなら自分自身であるソウゴをオーマジオウが倒そうとするはずがない。すべてを悟っていたソウゴは、オーマジオウの力とはいったいなんなのかを尋ねる。
スウォルツは時空を破壊しようとしているが、そんな大それた力を彼自身は有してはいない。それを持っているのはオーマジオウのみ。スウォルツはソウゴをオーマジオウへと導き、時空=融合した世界を破壊させようとしているのだろう。それこそがスウォルツの野望の最終目的。だが、ソウゴは言う。自分は決してオーマジオウにはならない、と。
「どうかな。お前は私だ。楽しみにしているぞ。お前がどの時空をどう破壊するか……」
2019年への道が開かれ、ソウゴが消えていく。オーマジオウもソウゴの未来に興味を抱いたのか、無意味と言いながらも空に向けて力を放出した。その力が届けられたのは2068年のツクヨミ。ソウゴが懐に忍ばせた何かが光を放つ。それはブランクのライドウォッチ……。
2019年、仮面ライダーと怪人たちの戦いは佳境を迎えていた。ゲイツ、ウォズの使命は、ソウゴが未来で目的を果たすまで、ツクヨミを守りながらスウォルツを抑える時間稼ぎをすることだった。ゲイツとウォズが未来に呼ばれたことでディケイド、そして助っ人として馳せ参じたディエンドがアナザーディケイドと戦うが、続々と出現する怪人軍団がディケイドとディエンドを圧倒。そして、アナザーディケイドはツクヨミを排除せんと動き出すが、彼女の危機を救ったのは、ロイミュードでありながら自らが仮面ライダーであったことを知ったチェイスだった。人の心の美しさを知るチェイスは、人でありながらツクヨミに手をかけようとするアナザーディケイドを否定。怒るアナザーディケイドの一撃を喰らうと、駆けつけたゲイツの腕の中で力尽き、消滅していった。
そして、怒り冷めやらぬアナザーディケイドの魔手がツクヨミに迫る……。そこに走り込んできたソウゴが叫んだ!
「ツクヨミ! ウォッチだ! 君はもう持っている」
ツクヨミが懐を探ると、そこにはブランクのライドウォッチが。そしてそれは新たなライドウォッチ、「2068」の文字が刻まれたツクヨミライドウォッチへと変化した。続けて大急ぎで駆けつけたウォズが、ジクウドライバーをツクヨミに投げ渡す。意を決したツクヨミはジクウドライバーを腰に巻き、ツクヨミライドウォッチをセット!
「変身!」
まばゆい光とともに新たな仮面ライダーが誕生。その名は「仮面ライダーツクヨミ」!
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チェイスの苦悩
ウォズの指摘により、チェイスは自らがロイミュードの番人・魔進チェイサーにして仮面ライダーチェイサーであることを知った。人間の心の美しさを知るチェイスは自身の現状に苦悩し、最終的にはスウォルツのもとから離反。ツクヨミを守って消滅した。今際の際で、自身を助けようとしている友(詩島剛)の存在を知り、ゲイツから友と呼ばれたのは救いだったが、『仮面ライダードライブ』に続き、悲しい最期を遂げてしまった。
仮面ライダーツクヨミ
ツクヨミがオーマジオウの力を受けたツクヨミライドウォッチを手にしたことで、新たに誕生した仮面ライダー。門矢士はスウォルツにツクヨミが世界を救うと言っていたが、彼女を仮面ライダーにすることが、士の目的だったのだろう。仮面ライダーツクヨミの誕生により、世界の命運はどうなっていくのだろうか……。