歴史を元に戻すため、ソウゴはアナザーライダーを従えた加古川飛流と決戦の時を迎える。
【EPISODE43の振り返り】2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル
自分がスウォルツの妹だという事実を突きつけられたツクヨミ。スウォルツが秘めた野心を露わにするなか、己を偽り敵対していたウォズがソウゴの元へと帰還する。そして始まる魔王vs魔王。歴史に選ばれるのはソウゴか飛流か!?
ジオウⅡはウォズに促されるまま拐われたツクヨミを追うのを諦め、アナザーライダーたちと戦うディケイド、ゲイツリバイブ 剛烈の加勢に向かう。そんなジオウⅡを見て、「仲間を救うこともできなかったか」と嘲笑うアナザージオウⅡ。そして凄まじい威力の衝撃波を放ち、3人のライダーを吹き飛ばす。このままではまずい……。劣勢を感じたディケイドは「いったん引くぞ」とオーロラカーテンを出現させ、ジオウⅡ、ゲイツリバイブ 剛烈を連れ、撤退するのだった。
クジゴジ堂に戻ったソウゴ、ゲイツ、士。3人は海東にグランドジオウライドウォッチを奪われた経緯を話していたが、それを聞いた士が疑問を口にする。海東に時間を操る力などなかったはずだ、と。沈黙する3人……。すると、急に店内が騒がしくなる。ツクヨミが拐われたことを知り、野菜と調理道具で全身を武装した順一郎が自分が救出に行く! と興奮している様子。それを見たソウゴは、自分たちに任せてほしいと順一郎をなだめるのだった。
このままクジゴジ堂にいても物事は進展しない。ソウゴは士に留守を任せると、ゲイツとともに店を飛び出していた。そして2人はとある路地に差し掛かるが、そこで衝撃的な光景を目にする。アナザーライダーがウールとオーラを襲っている。いったいなぜ!? 何かの罠かと訝しむゲイツだったが、このまま放ってはおけないというソウゴに促され2人は変身! アナザーライダーを撃退する。
ウールとオーラの身に何が起こったのか、その経緯を聞こうとするソウゴだったが、ウールはいつもの生意気な態度を見せ、詳細を話そうとしない。何か引っかかるものを残しながらもその場から去ろうとするソウゴとゲイツだったが、意を決したようにオーラが2人を呼び止めた。
「待って。頼みたいことがある」
少し前、ソウゴたちがアナザージオウⅡと戦ってる間、飛流の居城では衝撃的な事件が起こっていた。スウォルツはウールが連れてきたツクヨミを妹と呼び、自分たちが時間を操る特別な能力を持つ一族であると告げる。そしてスウォルツが腰を下ろしたのは、飛流が収まるはずの王座……。まるで自分が王になったかのようなスウォルツの態度に、ウールは抗議の言葉を投げ掛ける。だが、スウォルツは意に介すことなく「王座は間もなく私のものになる」と返す。
タイムジャッカーの目的は〝新たな王を擁立する〟ことだったはず。ウールが困惑の顔を見せるなか、海東を連れたオーラが王の広間に入ってくる。厳しい顔のオーラはスウォルツに対し、海東にタイムジャッカーの力=時間を操る能力を与えたというのはどういうことなのかと問いただす。今にも襲いかからんとするオーラに向けスウォルツは手をかざし衝撃波を放つ。力を与えることができるのなら、その逆も可能……。オーラはタイムジャッカーの力を奪われ、その場に崩れるように倒れ伏す。そう、オーラとウールの力も彼らの知らぬままスウォルツから与えられたものだったのだ。そして新たな王の擁立というのは、ウールやオーラを手足として使うための詭弁に過ぎなかった。危機を察知したウールがオーラに駆け寄ると、彼女を連れて逃走。それを目で追うスウォルツは、海東に2人の始末を命じた……。
スウォルツが己の野望を露わにしたことを知ったソウゴとゲイツ。オーラはそんなスウォルツに一泡吹かせてやりたいという。それを聞いたウールも態度を改め、スウォルツは自分が王になるつもりだろうと打ち明ける。
「あなたたち、あいつを倒せる?」
オーラが差し出したのは、グランドジオウライドウォッチ。海東は完全にスウォルツの軍門に降っていたわけではなかった。スウォルツはまだ何かを隠している。そう考えた海東は、オーラたちを追撃すると見せかけ、グランドジオウライドウォッチを託していたのだ。打倒スウォルツを約束し、それを受け取るソウゴ。すると、そこにゲイツのファイズフォンXに連絡が入る。その相手はツクヨミからであった。
クジゴジ堂に戻ったソウゴとゲイツ。そこには沈痛な面持ちのツクヨミが伏せっていた。スウォルツは自身の能力をさらに強化するためツクヨミの力を奪い、我がものとした。そして用済みとなった彼女を始末しようしたが、それを阻止したはウォズ。彼はスウォルツの動きを探るため、自らを偽り飛流を王として崇めていたのだ。ツクヨミとともにクジゴジ堂に来ていたウォズは今までの非礼を侘び、ソウゴに許しを請う。それに対し、ウォズの行動には何か意味があると信じていたと返すソウゴ。やはり2人の主従関係は強固なものだった。
ツクヨミが得た情報から、スウォルツとツクヨミがこことは違う時空に存在する一族であること、すべての事件の黒幕がスウォルツであることが判明した。この場にいる全員の思いは一致している。未来は誰にも渡さない! 決戦の覚悟を固めるソウゴたちは、本来あるべき未来を取り戻すため、飛流の居城へ向かう。
ソウゴ、ゲイツ、ウォズ、士は飛流の居城前にいた。城壁の高台にはアナザーライダーが勢揃いしている。その中心からソウゴを見下ろす飛流が、憎しみの言葉を叩きつける。飛流の人生を狂わせたことに謝罪の言葉を口にするソウゴだったが、だからといって皆の時間を書き換えるのは間違っている! ソウゴの返答に怒りを隠さない飛流は決着をつけるとアナザージオウⅡに変化。対するソウゴもグランドジオウに、ゲイツはゲイツリバイブ 疾風に、ウォズはウォズギンガファイナリーに、士がディケイドに変身!
「祝え! 我が魔王が偽の魔王を打ち倒し、時の王者としての資質を証明する瞬間を!」
ウォズギンガファイナリーの高らかな祝辞が号令となり、4大ライダーvsアナザーライダーの激戦が始まった。そしてもうひとり、この乱戦に闖入者がいた。それは海東大樹こと仮面ライダーディエンド。
「会えて嬉しいよ、士。君の相手はこの僕だ」
ディエンドがディケイドに襲いかかる。それを離れた場所からスウォルツが見ていた……。各所で激戦が続き、ライダーたちが次々とアナザーライダーを撃破していく。未来をつくるため、最低最悪の未来から皆を守ると覚悟を固めて戦いに臨んでいたグランドジオウは、すでにアナザージオウⅡを凌駕していた。グランドジオウの必殺技が炸裂し、アナザージオウⅡが撃破される。消える飛流の居城、転がり落ちるアナザージオウⅡウォッチ。それを拾い上げたのは、海東だった……。飛流が残された力を振り絞り、取り返そうとするが、
「お前の役目はもう終わりだ」
スウォルツが飛流に冷酷な言葉を告げ、自分は傀儡でしかなく見捨てられたと悟った飛流は膝を突き崩れ落ちた。
すべての戦いが終わり、スウォルツの視線の先には士が倒れていた。ソウゴを一瞥し、消えるスウォルツと海東。ディケイドとディエンドの戦いに一体何があったのか!?
クジゴジ堂に戻ったソウゴたちは、士から詳細を聞く。勝敗を分けたのは、ディエンドの持つタイムジャッカーの力だった。時間を止められ動きを封じられたディケイド。そこにスウォルツが近づき、士からディケイドの力を奪っていった。もしや、スウォルツの狙いは初めから仮面ライダーディケイドの力だったのでは? そんな不穏なことを呟くウォズ。アナザージオウⅡという偽りの王を打倒したソウゴだったが、次なる魔王の出現は間近に迫っていた……。
ピックアップ
アナザーWとアナザー龍騎
今回のエピソードの最終決戦では、アナザージオウⅡはこれまでに登場したアナザーライダーたちを総登場させた。そのなかでTVシリーズに登場していないアナザーライダーが2体存在している。それは「アナザーダブル」と「アナザー龍騎」の2体。アナザーダブルは映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』に、アナザー龍騎はau公式動画サービス「ビデオパス」にて配信されている『RIDER TIME 龍騎』に登場している。
なお、今回登場したすべてのアナザーライダーの身体に刻まれた年号は、アナザージオウⅡが召喚したからか、すべて「2019」になっている。
門矢士と海東大樹
士と大樹、2人は『仮面ライダーディケイド』の登場人物である。『仮面ライダージオウ』でも活躍する姿を見せているが、彼らが再会したのは映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』以来。こちらは2012年4月21日に公開されているため、実に7年ぶりとなる。
このときの海東は、士との友情を拗らせることで最終的に敵となり、地球破壊危機規模の大暴れするという厄介な姿を見せたが、今回は士の変身能力をスウォルツに奪わせてしまった。士にとっては良くない再会が続くが、再び彼らが出会うときは来るのか。次なる展開に期待したい。