迫る巨大隕石! 復活の地獄兄弟!
【EPISODE37の振り返り】2006:ネクスト・レベル・カブト
地表に落下する隕石を揺りかごとし、地球外生命体ワームが出現。その中の一体がある男に擬態したことで地獄のコンビが復活を果たし、ソウゴの周囲を混乱に巻き込んでいく――。
クジゴジ堂にて、ツクヨミのタブレットで頻発する隕石落下のニュースを観ているソウゴたち4人。すると突然、ニュースリポーターが巨大な頭部を持つ緑色の怪人の姿に変貌し、人々を襲い始めた。ウォズの説明によると、この怪人はワーム。かつて「仮面ライダーカブト」が戦っていた人に擬態する能力を持つ地球外生命体で、隕石に乗ってやってきたのだという。
だとしたらカブトのライドウォッチの手掛かりになるかもしれない。4人は事件現場へと向かおうと外に出るが、目に入ったのは、新たな隕石が降り注ぐ光景だった。一同はやむなく二手に分かれ、ソウゴとツクヨミはワーム出現現場へ、新たな隕石の落下ポイントにはゲイツとウォズが向かうこととなった。
現場へ向かう道すがら、ツクヨミがこれまでの戦いを振り返り、感じていた疑問を口にする。少し前まではアナザーライダーが誕生すると、オリジナルのライダーはその存在が消えていた。だが、最近出会ったアギト、ブレイドはそうではなかった。これはいったいどういうことなのだろう? 確かにと頷くソウゴだが、仮面ライダーに次々と会えることは嬉しいし、今回も新たな仮面ライダーとの出会いの予感がする、とソウゴは能天気に走りだす。
ソウゴとツクヨミがタブレットで見た場所に到着するが、ワームの姿はない。だが突然、その場にいる人たちが次々とワームの姿に変貌。あっという間に多数のワームに囲まれてしまう。そこへ颯爽と現れたのは、上半身に重厚なアーマーを纏ったような姿の青い仮面ライダー。両肩に備わった大型銃器から弾丸を浴びせ、ワームを吹き飛ばす。その隙にソウゴもジオウⅡへと変身! 2人のライダーが協力し、ワームを次々に撃退していく。
優勢に戦いを進めていくジオウⅡだったが、突然、謎の影がすれ違ったかと思うと、ジオウⅡが攻撃を受けた! その影は人の目に捉えられないほどの高速移動をしているようだが、ジオウⅡ本人には何が起こっているのか理解できない。すると、敵が何者なのかを察した青いライダーが「キャストオフ!」そう叫んでバックル部を操作。上半身のアーマー部がパージされ、頭部にクワガタのような角のあるシャープな姿のライダーへと変形した。続けて「クロックアップ!」ベルトサイド部のスイッチ操作により、謎の影と同様に超高速移動を開始。見えないなか、2つの影が攻撃を交差させる。
この攻撃の余波は周囲に波及していき、ビルが破壊されて瓦礫が一般人の頭上から降り注ぐ。それに気付いたツクヨミが咄嗟に時間停止能力を使うが、直後、ツクヨミの脳裏に謎のイメージが浮かぶ。自分の父母らしき男女と黒服の少年……顔は見えない。これはいったい!? そしてそんなツクヨミの様子をうかがう2つの影があった。スウォルツ、そして門矢士……。
ツクヨミが戸惑うなか、ジオウⅡもようやく戦況を理解する。高速移動するふたつの影を捉えるため、予知能力を発現させ、謎の影を攻撃! その動きを止める。影の正体は、鈍い銀色のボディの仮面ライダー。青いライダーがとどめを刺すべく両手の刀で追撃を加えようとするが、そこに新たな乱入者が現れる。頭部にカブトムシのような角を持つ赤いボディのアナザーライダー。大腿部には「KABUTO」の文字、アナザーカブトだ。
「弟に手を出すな」
その言葉を聞いて正体を察する青いライダー。そしてアナザーカブトは銀色のライダーを連れて姿を消した……。
ソウゴたちはクジゴジ堂に帰宅。隕石の調査に向かったゲイツとウォズもすでに戻っており、ソウゴはウォズとともに青いライダー、「仮面ライダーガタック」の変身者である加賀美新から詳細を聞く。
加賀美はワームの侵略から地球を守る組織「ZECT」所属の戦士であった。そして、アナザーカブトの正体は矢車想、銀色のライダーは「仮面ライダーパンチホッパー」こと影山瞬。この2人はコンビで行動する通称「地獄兄弟」。ただ、影山は先の戦いですでに絶命しているため、今の影山はワームの擬態なのだという。加賀美は何か情報があれば連絡をと矢車と影山の写真を手渡し去っていった。
一方、謎のビジョンに心揺れるツクヨミは表で黄昏れていた。心配して近づくゲイツに、家族と思しきビジョンを見たと語るツクヨミ。そこに現れたのは門矢士。時空が歪んでおり、その答えを探しているという士は、自分自身の謎を解明する気があるかとツクヨミに尋ねる。驚くゲイツが止めようとするも間に合わず、ツクヨミと士は時間を超える扉・オーロラカーテンへと消えていく。
ウォズとともに地獄兄弟を探すため、あてもなく道を行くソウゴ。そこにゲイツから連絡が入り、ツクヨミが士とともに時を超えたことを知る。余計なことをと呟くウォズだったが、その真意はソウゴにはよくわからない。
そんな2人の前に影山が現れる。自分は確かにワームだが、人間だった頃の記憶も持っている。怪物になってしまった兄貴=矢車にこれ以上の地獄を見たくないと、協力を懇願してくる影山。あからさまな罠だと忠告するウォズだったが、アナザーカブトを助けたいという思いは変わらないはずだと、ソウゴは影山に矢車のもとへと案内させる。
影山に連れられ、とある倉庫に入っていくソウゴ。そんなソウゴの背後から影山が襲いかかるが、2人の後をつけてきたという加賀美がそれを阻止する。やはり罠だったのだ。だが、地獄兄弟の本当の狙いはソウゴではなく加賀美だった。現れたアナザーカブトが加賀美を襲い、影山もパンチホッパーへと変身する。
「こうなる気はしてたんだよね」
ソウゴは影山の狙いに感づいていた。そこに現れたウォズギンガファイナリーが重力波を放射し、アナザーカブトとパンチホッパーの動きを止める。あとは2人を倒すだけだったが、突如謎の振動がその場を襲い、ソウゴとウォズギンガファイナリーは外へ。
見上げると、地球を破壊しかねないほどに巨大な隕石が地球に迫っていた。この緊急事態にソウゴはこの場をウォズギンガファイナリーに任せ、自身はジオウに変身。フォーゼアーマーを纏って宇宙へと飛び出す。
倉庫に戻り、ガタックがパンチホッパーと戦い、ウォズギンガファイナリーがアナザーカブトと対峙する。カブトの力は宇宙由来の力。ギンガファイナリーはウォズギンガファイナリー ワクセイフォームへとフォームチェンジし、必殺技を炸裂させる。爆炎に包まれるアナザーカブト。そこから出現したのは矢車ではなく、影山が変身したパンチホッパーと同じフォルムを持つ緑のボディのライダー、「仮面ライダーキックホッパー」だった。
「どうせ俺には宇宙の力なんてない……地獄の力だけだ」
天高く飛ぶライダージャンプからライダーキック! 身構えるウォズギンガファイナリー ワクセイフォームだったが、ふと気がつくとキックホッパー、パンチホッパーともに姿を消していた……。
そのころ、宇宙空間にて隕石を前に勇ましく構えるジオウ。
「なんか、行ける気が……しない」
あまりにも巨大な隕石にひるむジオウだったが、意を決して必殺技を発動! すると隕石は爆炎に包まれて粉々に。地球は救われた! そう思った瞬間にジオウの目に飛び込んできたのは、さらに巨大な隕石が迫ってくる光景だった。どうしようもない絶望がジオウ、そして地球に迫っていた!
ピックアップ
ワーム
擬態能力を持つ地球外生命体で、成虫は超高速移動能力「クロックアップ」を操る。ネイティブという敵対種族がおり、仮面ライダーカブトや仮面ライダーガタックといったライダーシステムは、ワームの地球襲来を予見したネイティブから技術提供され、ZECTが完成させたものである。
だが、ZECT総帥の加賀美陸は、ワーム殲滅後にはネイティブによる地球制圧が始まると予想。その予防策として、カブトとガタックにはワーム、ネイティブを見境なく攻撃する暴走装置、通称「赤い靴」を組み込ませていた。
地獄兄弟
仮面ライダーキックホッパーこと矢車想、仮面ライダーパンチホッパーこと影山瞬は、もとはZECTに所属する仮面ライダーザビーの変身者だった。様々な戦いを経て、ザビーの変身者としての資格を失った両者は、加賀美陸の私兵として新たにキックホッパー、パンチホッパーとして活動。目的は対ネイティブに加え、カブトやガタックの監視だったようだが、やさぐれてしまった2人は加賀美陸の思惑から外れ、不可解な行動ばかりを繰り返していた。
渋谷隕石
『仮面ライダーカブト』では、渋谷に隕石が落下し街が崩壊。その地域はそのままの状態で「エリアX」と呼ばれて隔離、ZECTによる厳戒態勢が敷かれ、立ち入りを禁止されていた。加賀美新が渋谷が復興したことに驚いているのはそのことに要因しており、門矢士の言っていた「時空の歪み」というキーワードにも大きく関係しているのではないだろうか。