女王様に翻弄されるソウゴ
【EPISODE36の振り返り】2019:ハツコイ、ファイナリー!
仮面ライダーギンガを倒すためクジゴジ堂の面々とタイムジャッカーが結託。そこに女王を名乗るアナザーキバこと北島祐子を加えようとするが、祐子は一筋縄で行くような女性ではなかった。
すべての滅びを宣言した仮面ライダーギンガは想像を絶する強さを見せ、ジオウトリニティですら防戦一方の状況に追い込まれてしまう。止むなく戦場から離脱したソウゴ、ゲイツ、ウォズ、ツクヨミの4人は地下道に集まり休息を取っていたが、そこにタイムジャッカーの3人までやってくる。逢魔降臨暦にも記されておらず、その正体の見当すらつかないギンガの存在は、ここにいる全員にとっての脅威でしかない。スウォルツからの提案により、ギンガを倒すためソウゴたちとタイムジャッカーの一時的な共闘関係が成立する。
そして、アナザーキバこと北島祐子を仲間に引き入れたいスウォルツが一計を案じる。道を行く祐子の前にクジゴジ堂&タイムジャッカーの面々がズラリと並ぶ。スウォルツが一歩前に進み出て頭を垂れると、「ギンガを倒すために女王の力添えを……」と仰々しく祐子に助力を懇願。ほかの6人もそれにならい……祐子を敵視するオーラまでもがスウォルツにより無理やり頭を下げさせられるが、この願いは女王様には届かなかった。満足気な様子でただ立ち去ろうとする祐子の反応に狼狽するスウォルツは「この状況を理解しているのか!」と言うが、
「お前の意見は求めていない」
祐子の口から出たのはスウォルツお得意の言葉。それを聞いたウールは思わず吹き出してしまうのだった。
あまりにも破天荒な祐子に皆が困惑するなか、ソウゴだけが少し様子が違っていた。スウォルツたちと祐子との不可解な問答が続くなかで、「俺の事、覚えていませんか?」と、まったく空気を読まずに聞いてみたひと言。すると、祐子の「覚えている」という言葉にソウゴは初恋の女性がやっぱり彼女だったと確信。あのとき、セーラー服だったから〝セーラさん〟と、祐子にあだ名までつけて浮かれる始末……。
そんなソウゴを見て呆れ果てるツクヨミとゲイツだったが、ふと気づいたツクヨミが、祐子が冤罪に追い込まれた復讐をしようとしているのなら、真実を探ってみるのはどうだろうかと提案。ウォズもそれに賛成し、だったらとソウゴがアナザーキバとの戦いのなかで見えた過去のビジョンを語りだす。哲也という名の祐子の恋人、夜の公園でベンチの傍で倒れていた女性とそれを見下ろす哲也……。これによりゲイツがタイムマジーンで過去へ飛び、ツクヨミが哲也の捜索を担当することとなった。
ソウゴたちが事件の真相を追うなか、祐子が復讐を再開。祐子はアームズモンスターを従えて自身の事件を担当した判事を狙う。さらにその付近ではギンガが破壊活動を開始し、変身したウォズとジオウがタイムジャッカーとともに応戦していた。戦いの様子を眺めていたアナザーキバ=祐子は興味なさそうに元の姿へと戻り踵を返す。と、その直後、ギンガの攻撃の余波が迸り、祐子の背後に迫る!
それに気がついたジオウが身を挺して祐子を庇った。攻撃の衝撃によって変身解除され、気絶してしまうソウゴ。そんなソウゴの行動をガルル=次狼がじっと眺める……。
気絶したソウゴが目覚めると、子ども時代のあの日のように祐子に介抱されていた。忠実な下僕は大事にせねばという祐子に対し、復讐をやめてほしいと願うソウゴ。その想いが届き、頷く祐子だったが……突如そこに現れた次狼が、その女は腐っているとソウゴに言い放ちガルルの姿に! 祐子を庇おうとジオウに変身するソウゴとガルルが拳を交えるが、すぐに戦闘態勢を解いて次狼の姿に変化するガルル。そして、これを渡す者を探していたと、キバライドウォッチをソウゴに託すと、近いうちにお前は深く傷つくだろうと忠告。だが、
「男は傷つく事で磨かれる……」
とも言い残し、次狼はその場から立ち去った。そして、いつの間にか祐子の姿も消えていた。
やはり祐子は復讐を止めてなどいなかった。雨の中で寄り添うように逃げる弁護士、検事、判事をまとめて始末するアナザーキバ。そこにやってきたソウゴが嬉しそうに微笑む祐子を見てショックを受ける。雨が降り続く中で祐子は語る。「死んだ母が言っていた……私を産んだときはひどい雨だった、と。それ以来、ずっと雨なんだ……ずっと」。悲しげな祐子に、だったら自分が傘になると宣言するソウゴ。だが!
「冤罪というのはその女の嘘だ!」
駆けつけたゲイツがその目で見た真実を叫ぶ。同じくこの場にやってきたツクヨミも哲也から事件の真相を聞いていた。仲間たちの言葉に祐子が嘘で固められた悪女であると悟るソウゴ。ということはあの日のことも嘘だったのか……その心により深い傷を追う。
一方、ギンガは雨の間は元の隕石の姿に戻り、活動を停止していた。雨が止み、太陽が出ると隕石がギンガの姿になる。太陽こそがギンガのエネルギー源だったのだ。そして再び暴れだすギンガ。ウォズとスウォルツがギンガと戦いながらソウゴたちのもとに現れ、ソウゴがジオウⅡにゲイツがゲイツリバイブ 疾風に変身して参戦。さらに、
「……女王様の気まぐれだ……」
そう言ってジオウⅡを助けるようにアナザーキバも戦いに参加してくる。アームズモンスターたちもアナザーキバに続き、その場にいる全員の必殺技が放たれる。さしものギンガもそれには耐えることができず完全消滅。
スウォルツが流れ出るギンガの力をブランクのライドウォッチに吸収しようとするが、完成直前にそれを奪ったのはウォズ。スウォルツが共闘を持ちかけてきたときから、ウォズはその怪しい目の輝きに気がついていた。彼の狙いはギンガの力を奪うことだ、と。そして完成したギンガミライドウォッチはウォズの手に収まった。
翌日、とある結婚式場。そこでは哲也が恋人の由紀と結婚式を挙げようとしていた。そこに現れる祐子……。復讐の最後のターゲットは哲也と由紀。アナザーキバの毒牙が2人に迫るが、そこにソウゴ、ゲイツ、ウォズが駆け付ける。ゲイツとウォズはそれぞれゲイツリバイブ 剛烈、ウォズ フューチャーリングシノビに変身するが、アナザーキバはバッシャーとドッガを放ち、花嫁を手に掛けようとする。ジオウに変身したソウゴは次狼から受け取ったキバライドウォッチを使おうとするも、どうしてもそれを躊躇してしまう。
見かねたウォズ フューチャーリングシノビがギンガミライドウォッチをベルトにセット。ここに「仮面ライダーウォズギンガファイナリー」が誕生する。緊急事態により祝福は短縮版で済まし、アナザーキバに向けて必殺技を炸裂させる。爆炎に包まれたアナザーキバは完全撃破され、そこから祐子が出現。ソウゴは変身を解除して祐子に駆け寄る。
「私に傘はいらない。全人類の傘になれ……」
ソウゴの腕の中で呟く祐子に衝撃波が直撃し、彼女は息を引き取った。衝撃波を放ったのは、無言のまま去っていくオーラであった……。
すべての事件が解決したあとのクジゴジ堂。皆でアップルパイを食べるが、気落ちするソウゴはひとり外へと出かける。ふと目に入ったのは、自転車のパンク修理をしている妙齢の美女。ソウゴがそれを手伝い、無事に修理が完了するやその美女は、
「ありがとう、かわいい坊や」
そう言ってソウゴの顎の下を撫でて去っていく。まさか! ソウゴは硬直し、自転車で走り去る美女のうしろ姿を見送るのだった。
ピックアップ
仮面ライダーウォズギンガファイナリー
ウォズがギンガミライドウォッチをビヨンドライバーにセットして変身した姿。仮面ライダーギンガの持つ絶大な宇宙の力に満ちており、重力を操って触れずして敵を組み伏せることが可能。必殺技は神秘的な力で宇宙空間を生み出して放つキック、超ギンガエクスプロージョン。
また、高熱を発するタイヨウフォーム、惑星のエネルギーを集束させて凄まじいパワーを生み出すワクセイフォームへのフォームチェンジも可能である。
妙齢の美女
ソウゴが最後に出会った女性は、『仮面ライダーキバ』に登場した、仮面ライダーキバこと紅渡の父・紅音也と次狼がそのハートを射止めるために激しく争った女性、麻生ゆりに似ている。
なお、『仮面ライダーキバ』において、ゆりは高校時代、確かにセーラー服着用の高校に通っていたが、おそらくは他人の空似であろう。