ソウゴの初恋の相手は脱獄犯!?
【EPISODE35の振り返り】2008:ハツコイ、ウェイクアップ!
タイムジャッカーの思惑とは完全に外れた行動でアナザーキバが世間を騒がすなか、時空を超え、眩く輝く仮面ライダーが天空より飛来する!
クジゴジ堂にて順一郎がつくった絶品アップルパイを食するソウゴたち4人。その美味しさあふれる甘酸っぱさを初恋の味と例えるソウゴだったが、それを聞いたウォズは吹き出し、ゲイツやツクヨミも目を丸くする。皆の反応を見て心外なソウゴは、思い出の初恋話を語りだした。
友達もおらず、公園でひとり遊んでいた少年時代。膝を擦りむき泣いていた自分に声をかけてくれ、一緒に遊んでくれたセーラー服の女性がいた。だが、楽しい時間はあっという間に過ぎていき、やがて終わりのときが訪れる。そして、セーラー服の女性は別れ際にソウゴの優しく顎の下を撫で、「さようなら、かわいい坊や……」そう言って消えるように立ち去っていった。
それは本当に恋なのか? ソウゴ以外の面々が疑問視し、店内が微妙な空気に包まれるなか、クジゴジ堂の入口からひとりの中年紳士が入ってきて話の流れを止める。珍しく時計の修理を持ち込んできたお客に順一郎が張り切っていると、紳士の職業は弁護士と判明。興味を惹かれたソウゴはアップルパイを食べる手を止め、「法を守る正義の味方ですね」と無邪気な様子で会話に参加してくるが、紳士はそのソウゴの言葉に表情を曇らせる。自分の力が足りず、無実と信じていた被告を守れないこともあったのだという……。
紳士が店を去ったあとソウゴがふと見ると、紳士の忘れ物らしきセカンドバッグが目に入る。ソウゴはそれを持ち、外へと飛び出すのだった。
忘れ物を届けるべく道を急ぐソウゴ。そんな彼の目に飛び込んできたのは、先程の紳士が新たなアナザーライダーに襲われている光景だった。焦るソウゴはジオウに変身するが、ジオウに気づいたアナザーライダーは「私はいずれこの世の女王になる身……跪け!」と高圧的な態度を見せる。その言葉に思わず圧倒されるジオウ。続けざまにアナザーライダーの従者らしき3体の怪人が出現し、ジオウに襲いかかる。狼男の伝承を残すウルフェン族のガルル、人造人間の伝承を残すフランケン族のドッガ、人魚の伝承を残すマーマン族のバッシャー3体の怪人の攻撃を受けたジオウは吹き飛び、変身解除されてしまう。それを見たアナザーライダーも満足げな様子で契約者の姿に。女王を名乗ろうとするだけあり、凛とした顔立ちの気が強そうな女性はソウゴに近づくと
「……ふ……かわいい子……」
そう言いながらソウゴの顎の下をそっと撫でる……。その覚えのある仕草に硬直するソウゴ。異変を察知したゲイツもその場に駆けつけたが、すでに女性の姿は消えていた。
クジゴジ堂に戻ったソウゴとゲイツ。スマホから流れてくるニュースによると、アナザーライダーに変化していたのは昨夜、牢獄から逃げ出した脱獄犯の女性と判明する。名前は北島祐子、犯した罪は殺人。そして、その事件の弁護を担当していたのが、クジゴジ堂に客として訪れていた紳士であった。点と点が繋がった。彼女を冤罪に追い込んだ関係者を襲っているのではないかと推測するツクヨミ。
それに対して冤罪なんだから気持ちはわからないでもないと言うソウゴ。祐子が去り際に見せたあの仕草……。彼女はあの優しかったセーラー服の女性に間違いない。だから無実だ! そんな曖昧なソウゴの主張にゲイツは呆れ果ててしまう。
ツクヨミの読み通り、祐子は事件の関係者を襲おうとしていた。ターゲットは事件を立件した検事。襲撃現場にソウゴとゲイツが駆けつけたことで悲劇は免れたが、ソウゴは自分もそうであるがゆえ、祐子にどうしても聞きたいことがあった。「なぜ女王になりたいのか」。祐子はこの世の法を正すため、冤罪に泣く人々を救うためだと語る。正義のための行いと知り、動きを止めるソウゴ。だが、だからといって人を襲っていいはずがないとゲイツはソウゴを諌める。と、その直後、どこからともなく祐子に向けて衝撃波が放たれてくる! ギリギリでそれを避けた祐子。衝撃波を放ったのは、タイムジャッカーのオーラだった。
オーラは牢の中で怒りに震える祐子を新たな王の候補として見出した。その思惑通り、女王を目指すと語る祐子。だが、その破天荒すぎる性格はオーラが扱えるものではなかった。その強靭な意思がなせるのか、今までの王候補と違い、祐子は自我を保ったままアナザーライダーに変化。さらにはオーラをただの使い走りと嘲り、その頬に傷までつけた。
憤慨するオーラは祐子を失敗作とみなして排除を決め、この場に現れたのだ。様々な思惑を持つ者たちが集まるなか……
「お前たちは……有罪だ!」
祐子がアナザーライダーに変化する。ゲイツがボディに刻まれた文字「KIVA」を読み解き、その正体がアナザーキバであると判明。ゲイツが変身し、ソウゴも続こうとするが、突如空間が歪み、過去のビジョンがソウゴの脳裏に出現する。
デート中の祐子。相手の男を哲也と呼び、仲睦まじそうな雰囲気を見せている。そして場面は突如、夜の公園へと転換。ベンチの脇で絶命しているひとりの女性……その脇には無言の哲也が……。
ソウゴがはっ! と気がつくと、すでに戦いは始まっていた。
一方、街角で佇んでいるウールとスウォルツ。何かに気づき、空を見上げたスウォルツが呟いた。
「何か、来る!」
ツクヨミやウォズ、そしてアナザーキバとともに戦っていたガルルも異変に気づき、空を見る。
周囲に轟音が響き渡り、空を引き裂くような猛スピードで燃える隕石が飛来。そして、凄まじい衝撃音とともに地表に落下した。もはや戦いどころではない!
隕石が飛来した地点にウールがやってくる。続いてオーラ、さらにソウゴ、ゲイツら4人も集結。皆が隕石のほうに目を向けると、それはまばゆく輝き……マントを纏った仮面ライダーの姿に変貌した。
「仮面ライダー……ギンガ」
自身の名を名乗ったライダーは手から灼熱の球体を出現させ、そこから放たれる凄まじい衝撃波でソウゴたちを吹き飛ばす。そこにアナザーキバも駆けつけ「私はこの世を統べる唯一の法律」と叫ぶが、「全宇宙を支配する不変の法はただひとつ……」ギンガはそう語ると、エネルギー波でアナザーキバを吹き飛ばす。
輝く太陽の下、滅びこそは絶対の法であると宣言するギンガ。そのあまりの強さに危機感を感じたソウゴは、トリニティライドウォッチを取り出し、ジオウトリニティに変身! ギンガとの激戦が始まった。
ピックアップ
キバの従者、アームズモンスター
仮面ライダーキバ=紅渡に従う3体の怪人たち、ウルフェン族のガルル、マーマン族のバッシャー、フランケン族のドッガをアームズモンスターと呼ぶ。彼らはそれぞれの種族の最後の生き残りで、キバに従属する前は人間の姿に変化し、ガルルは次狼、バッシャーはラモン、ドッガは力として人間社会に溶け込んで暮らしていた。
そのなかでも次狼は種族の繁栄に積極的で、麻生ゆりという女性をめぐり、渡の父・紅音也の恋敵となった。やがて音也との間に奇妙な友情が芽生え、戦いで命を落とした音也に代わってバッシャー、ドッガとともに渡を見守ることを約束した。
仮面ライダーギンガ
時空を超え、天より飛来した未来の仮面ライダー。出自、変身者など詳細は一切不明だが、宇宙の法に従って滅びを与えることを目的としているようだ。
手から小さな太陽のような光球を出現させ、そこから凄まじい威力のエネルギー波や衝撃波を発生。相手に触れることも許されないほどに規格外の強さを見せる。