2021年 9月 5日放送

第1話 「家族!契約!悪魔ささやく!」

脚本: 木下半太

監督: 柴﨑貴行

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「お背中流しま~す!」
ここは地元民にこよなく愛されている下町の銭湯・しあわせ湯。
元気な声の主は、しあわせ湯を経営する五十嵐家の長男坊、一輝だ。

一輝にはとある秘密があった。
時々、耳元で「悪魔のささやき」が聞こえるのだ。
これまではあまり意に介さなかった一輝だが、状況は一変する。
なんと、ささやいていた悪魔が自分にだけ見えるようになってしまったのだ。
悪魔にペースを乱され、常連客にも心配される始末だ。

そんな一輝が暮らす五十嵐家は
次男の大二、末っ娘のさくら、父の元太、そして母の幸実の5人家族。
この日は大二が、所属している政府特務機関フェニックスの歴代最年少分隊長への就任が決定したお祝いとあって、5人揃って盛大にすき焼き。
翌日の任命式の話題で大盛り上がり、五十嵐家の幸せの1コマである。

だがしかし、その任命式が五十嵐一家の運命を変える。
悪魔を崇拝する邪集団、デッドマンズの魔の手がすぐそこに迫っていたー。

見どころ

あまり触れたくはないですが、今の時代に始まる作品として触れない訳には
いかないですね。新型コロナウイルスについてです。

この企画が立ち上がった当初、本当は『アフターコロナ』の時代を見据えたコンセプトを考えていました。それこそ『移動』の喜びが詰まったロードムービーとか。

ですが、コロナウイルスとの戦いは一向に出口が見えてきません。
それどころか、最も厳しい状況の中で始まる仮面ライダーになってしまいました。
そんな中で始まる新たな仮面ライダーは何を描くべきか。非常に悩みました。
ですが、そんな状況が逆に、仮面ライダーというヒーローが果たすべき役割を
はっきりと浮かび上がらせてくれました。
今こそ、今だからこそ、子供たちに楽しんでもらえるものを作りたい。

運動会や、修学旅行といった特別な行事はおろか、休日や学校帰りの時間のような日常までもが制限されてしまう状況は、それを不自由なく経験してきた身からすると、
本当に楽しい時間だったからこそ、涙が出るほどに辛い。
自分にも幼い子供がいますが、様々な貴重な経験を得る機会を奪ってしまっている
感覚があります。

そんな普通の幸せすら奪われてしまっている子供たちに、少しでも楽しい時間を取り戻してあげられるのであれば、この「仮面ライダーリバイス」が存在する意味はそこに生まれます。

そう思い立ってからは子供たちだけではなく、とにかく観てくださる方に楽しんでもらえるような仕掛けを、伝えたい想いを、これでもかと盛り込んできました。

家族と過ごす時間が増えた人にとっても、逆に中々会えなくなってしまった人にとっても、それぞれ今までとは違う「家族」の景色を見ている中で、その大切さに気づいてほしいという想いから、テーマを「家族」にさせました。

我慢の時代だからこそ、予期せぬ悪魔のささやきが聞こえやすく、堕ちやすい。
そんな自分に潜む悪魔を自覚し、咀嚼し、整える。そんな力を身につけて欲しい。
人が人であるために、子供たちがこれから生きていくために必要なこととして、個人的に作品を通して伝えたいことです。その比喩表現として、「悪魔」を持ってきたのも、そんな想いからです。

でも、そんなテーマだのコンセプトだのを忘れて吹っ飛ばすくらいエンターテイメント性に満ち溢れた30分間にするために、大小様々なエンジョイ要素をぶち込みました。
最高にキラめいているキャスト陣は言わずもがな。
前人未到、空前絶後のホバーバイク。親子で合体!必殺!リミックス!
イケイケサーフミュージック風BGMにハイテンション藤森さんドライバーボイス。
そこに地鳴りのように響く、パンチ力ハンパない主題歌。
そして…度が過ぎるほどの世話焼き兄ちゃんと、振り切れ過ぎちゃって予測不可能なノリノリ悪魔の奇妙なバディの漫才風会話と、超絶コンビネーションアクション!!
ふう…きっと喜んでもらえると思います。

そんな企画チームの企みを、感染対策を徹底しながらの制限された環境下で、スタッフ・キャストが全力で形にしてくれています。
常々言っていることですが、人を楽しませるなら自分たちがまず楽しむ。
非常に良い雰囲気で撮影が行われています。
そしてそれは完成した映像を見ていただければ、特に説明しなくてもわかっていただけると思います。勝手に、滲み出ていますので。

『仮面ライダーリバイス』いよいよスタートです。
一年間、よろしくお願いいたします!!

(文責・望月 卓)