「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」
(ニューヨーク市立大学教授 キャシー・デビッドソン)
「今後10~20年程度で、アメリカの総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い」
(オックスフォード大学准教授 マイケル・A・オズボーン)
「現在日常的に行われている仕事のほとんどをロボットが受け持ち、10人中9人は違う仕事をしているだろう」
(Google創業者 ローレンス・エドワード・ラリー・ペイジ)
「少なくとも2045年までには人間と人工知能の能力が逆転するシンギュラリティ(技術特異点)に到達する」
(アメリカ未来学者 レイ・カーツワイル)
このような言葉をしばしば耳にするようになりました。新しい「令和」という時代を迎え、今後この現象が加速度的に時代を席捲することは目に見えて明らかです。確かに、ここ数年をみても我々のライフスタイルは大きく変わり、人工知能が生活の一部になってきました。ネットで買い物をすることが常態化し、もはや店には店員がいる必要もない。身の回りだけでも、誰かの仕事が無くなっている“今”を実感します。
初めてこれらの言葉に出会ったとき、私は驚愕しました。そして、自問自答が始まったのです。
「自分達が経験すらしたことのない環境にさらされる令和を生きる子供達に、大人はいったい何を教えてあげられるのだろうか」と。
その答えを見つけるために、令和初の仮面ライダーでは人工知能=AIを作品の軸にすることにしました。そもそも改造人間として生まれた仮面ライダー。AIブームを駆け抜ける現在だからこそ、仮面ライダーが取り組むべきSFのド真ん中ともいえる『人工知能』というテーマに真っ向から挑みます。
最初にある4つの言葉。そのセンセーショナルな響きの部分だけが取り上げられがちですが、実は後に続く言葉にこそ人間が生きるためのヒントがたくさん詰まっています。
「ゼロワン」が描くのは、まさにこれらの言葉の先。
令和を生きる子供達に「こんな仕事があるんだ!」と驚いてもらい、昭和や平成を生きてきた大人達に「これからの時代こんな風に変わるんだ!」と楽しんでもらえる世界のお話です。
これから先の未来を想いながら始まる令和初の仮面ライダーが、これから先の未来を生きるすべての人々が人生を楽しむためのヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。
(文責・大森敬仁)