DICTIONARY

用語辞典

あーるえいちしーぴー 【 RHCP 】

スマートブレインの医療施設で乾巧が投与された薬品。

細胞の崩壊過程を早める効果があり、投与後の巧の細胞を観察、分析してオルフェノクの死の運命の秘密を解き明かす予定だったと思われる。

あいしーゆー 【 ICU 】

日本語では「集中治療室」。
重症患者のための特別室で、生命維持装置やモニタリング機器などを備え、患者を24時間観察しつつ集中的に治療する態勢が整えられている。

緑ヶ丘病院に入院後、園田真理は容態が悪化して移された。

あいそ 【 愛想 】

相手に接する態度、もしくは人当たりがよく相手に好感をもたせやすい態度のこと。
自分ひとりが絶海の孤島で自給自足の生活をしているなら不要だが、人間社会で暮らすなら、要らぬ誤解や争いを避けたり人間関係を円滑にするためにも、ある程度は必要になる。

木村沙耶が自分に無愛想な態度の乾巧に対し、「愛想悪いんですね」とこぼしていた。

あおいちょう 【 青い蝶 】

スマートブレインのコマーシャルに現れる鮮やかな青い羽をした蝶。

詳細は不明だが、スマートレディが操って人間や木場勇治たちの動向を探ったりもしている。[#劇場版]

あつりょく 【 圧力 】

押し付ける力のこと。また、おもに権力を持つ者や組織などがその威光などをちらつかせたり力づくで従わせようとすること。

警察組織と強いつながりがあるスマートブレインは、秘密裏に資金提供している南雅彦に働きかけ、スマートブレインやオルフェノクが暗躍していたビル火災事件の捜査をしていた警察の上層部に圧力をかけさせた。その結果、独自に捜査していた添野錠二と沢村刑事も満足に動けなくなってしまう。

いーぐるさっと 【 イーグルサット 】

スマートブレインが所有する人工衛星。

仮面ライダーファイズたちのデータ収集、解析などを行い、変身時に形成されるスーツを電送したり修復したりする。またファイズブラスターの変身コードを受信し、ファイズ ブラスターフォームへの変身シグナルを発信する。

なお人工衛星にはもうひとつ、情報を集めるスパイ衛星である「ホークアイ」もある。

うぃりあむばとらーいぇいつ 【 ウィリアム・バトラー・イェイツ 】

19世紀から20世紀にかけて活躍したアイルランドの詩人であり、劇作家。多数の名作を書き、1923年にはノーベル文学賞も受賞している。

イェイツの詩集は琢磨逸郎の愛読書であり、ハードカバーの本を持ち歩きよく読んでいた。また、ただ読むだけでなく本の文字をなぞるようにしてエネルギー球を生み出して攻撃するという芸当を見せたこともある。

うぇっとてぃっしゅ 【 ウェットティッシュ 】

ティッシュペーパーにアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどを含ませたもので、衛生用の日用品。

草加雅人はウェットティッシュを持ち歩き、事あるごとに必要以上に強い力で手を拭いていた。その理由は潔癖というだけでなく、流星塾の同窓会の日に起こった惨劇に要因していた。

えくしーどちゃーじ 【 エクシードチャージ 】

仮面ライダーファイズたちが必殺技を放つ準備として行う行為。

ファイズフォンをはじめとしたマルチデバイスにコード入力(デルタは音声入力)することで、ドライバーで生成されたフォトンブラッドをフォトンストリームに沿って流し、各ツールや攻撃する部位に蓄積させる。

おうのねむりはふかい 【 「王の眠りは深い」 】

スマートブレイン社長から木場勇治に送られた、メモリーカードに入っていたメッセージの文言。

メモリーカードをスマートパッドに装填することで、ディスプレイ上に表示された。

おうりんじょしこうこうしゅうだんへんしじけん 【 桜林女子高校集団変死事件 】

桜林女子高校のバスケットボール部に所属する女生徒13人が命を落とした事件。亡くなった場所も時間も全員バラバラで関連性はないと見られ、捜査も早々に打ち切られている。

添野錠二、沢村刑事が事件を担当し、添野は部活動をしていた体育館に謎の手形を発見したが、詳しい部分までは判明できなかった。

おもしろいもの 【 面白いもの 】

流星塾の同窓会の様子が撮影されている映像。

乾巧が菊池啓太郎の店を出て行ったのち、村上峡児が呼び寄せた彼に見せていた。

オルフェノクに襲われた塾生たちとともに巧が変身したウルフオルフェノクの姿も写っており、一見すると彼が塾生たちを襲ったようにも見える。映像は加工や編集されたものである可能性が高かったが、この前後の記憶が曖昧だった巧は自分が真理を襲ったと思い込んで強いショックを受けた

おりがみ 【 折り紙 】

紙を折って動物などの形を作る遊び、もしくは作られた作品のこと。小さな正方形の専用紙がよく使われ、これ自体も折り紙と呼ばれる。

幼い頃に澤田亜希が園田真里をからかった際、自分を追いかけて転び泣き出した真理を慰めるために折り紙を折って渡した。真里はこれを乾巧に渡しつつ思い出を語り、澤田が心の中では助けを求めていると主張した。

彼女の言葉は、のちにスパイダーオルフェノクと遭遇した巧が戦えなくなる原因になったが、この折り紙を落としたことで澤田の戦意が削がれ、追撃を逃れることにも繋がった。

おるふぃのてぃんようえき 【 オルフィノティン溶液 】

研究所で被験者のクラブオルフェノクに投与されていた薬品。

オルフェノクの行動を抑制するとともに、人間体へ戻れなくする効果もあるようだ。

おるふぇのく 【 オルフェノク 】

素質を備えた人間が命を落として覚醒する人類の進化形態。

普段は従来と同じ姿の人間体で生活し、必要に応じて人間とは異なる動植物の特性を備えたオルフェノクの姿へと変化できる。この姿では身体能力が大きく向上するほか、特性に応じた能力が使える。この形態でも会話は可能で、影に青白い人間体の姿が現れて言葉を発する。

その一方、人間体での能力は基本的に普通の人間とあまり変わらず、長田結花と海堂直也が寝込んでいたように風邪をひくなど病に冒されることもある。ただ、高層ビルから身投げした木場勇治が無傷だったように体は驚くほど頑丈。またラッキー・クローバーのメンバーである琢磨逸郎や影山冴子が見せていたように、完全に力をものにすれば人間体でもある程度はオルフェノクの力を使えるようになる。

ただし急激な進化に肉体が耐え切れず、オルフェノクに覚醒した者の寿命は人間に比べてかなり短いということが、研究の結果判明した。

オルフェノクの発生としては、事故などによる自然発生のほかにオルフェノクが意図的に人間をオルフェノク化する「使徒再生」があるが、「オリジナル」と呼ばれる自然発生したオルフェノクのほうが、使徒再生で誕生したオルフェノクよりも能力が高い傾向にある。また澤田亜希のようにわずかながら人為的に生み出されたオルフェノクもいた。いずれにせよオルフェノクへの覚醒には素質が必要なため、オルフェノクの数は人間に比べてそれほど多くはない。

おるふぇのくけんきゅうじょ 【 オルフェノク研究所 】

警視庁の南雅彦が管轄する研究所。

人里離れた山中の地下にあり、クラブオルフェノクを被験者としてオルフェノクから人間を分離する実験を行なっていた。長田結花が落命したのち、彼女が人間たちの手にかかったと勘違いした木場勇治によって破壊され、その場にいた研究者たちもみな灰になっている。

おるふぇのくのおう 【 オルフェノクの王 】

人類の進化形であるオルフェノクを統べる王。

命に関わる事故や事件に遭遇して生き延びた「九死に一生を得た子供」から誕生するとされ、その急激な進化ゆえに短命という宿命を背負ったオルフェノクを不死にする唯一の力を備える。オルフェノクの繁栄を約束する存在であることから、花形や村上峡児は条件に当てはまる子供を集め、探していた。

おるふぇのくのきごう 【 オルフェノクの記号 】

流星塾生たちを生き返らせたスマートブレインが、彼らの体に埋め込んだもの。

草加雅人がカイザギアを使えたのは体がある程度これに順応できたためだが、実験が失敗したこともあって徐々に体から消えつつあった。

おれのことをすきにならないにんげんはじゃまなんだよ 【 「俺の事を好きにならない人間は邪魔なんだよ」 】

草加雅人が乾巧に対して言い放った言葉。

自分にとって心地よい空間を作るため、草加は巧を邪魔者と判断。これからは徹底的に排除に向かうと宣言するかのように、本音を吐露してしまった。このときの草加の顔は歪み、邪悪に満ちている。

外面は良いが実は独善的で、敵と見なした人間には容赦しないという草加の性格がよくあらわれている言葉でもある。元々そのような性格だったのかもしれないが、オルフェノクへの憎しみがより草加の心を歪ませてしまったのは、彼の言動を見ているとよく分かる。

おれのははおやになってくれるかもしれないおんななんだ 【 「俺の母親になってくれるかもしれない女なんだ!」 】

正確には「真理はな! 俺の母親になってくれるかもしれない女なんだ!」。

園田真理に告白するも受け入れられなかった草加雅人が、当たり散らすように乾巧に言い放った。

他者に対しては強い自分を装っていた草加だったが、流星塾の同窓会の日に起こった惨劇、そしてオルフェノクとの過酷な戦いは、確実に彼の心を蝕んでいた。実のところは救いと癒やしを求め、それを真理に期待していたが、儚くも拒絶されてしまう。

自分と同じ方向を進まないと見なした人物である巧に対してだけは、自分の本音=弱さをぶつけることができる。草加雅人という男は、器用そうで実は不器用な男だとも言えるだろう。