セイバーを暴走させていたプリミティブドラゴン。それは一人ぼっちになり、死してなお仲間を求めるドラゴンの哀しい物語だった。その物語の続きを作った飛羽真はエレメンタルドラゴンという新たなワンダーライドブックを生み出し、復讐に燃えるレジエルを打倒した。それを目の当たりにした倫太郎はある決意をする。
そして、蓮は組織を離れ賢人と行動をともにすると一人、賢人の元へ向かう。
そんな中、芽依が編集長から飛羽真の代表作「ロストメモリー」の続編を作れないかと打診される。こんな状況の中、断られてもしょうがないと思いつつ、遠慮しながらも飛羽真にお願いすると、飛羽真は物語の始まりを語り出す。
一方、賢人と対峙する蓮。賢人と蓮の邂逅は何をもたらすのか？
さらにマスターロゴスの元に一人の男が現れる――。

プリミティブドラゴンを克服し、賢人、そして真の敵へと思いを新たにする飛羽真をはじめとするノーザンベースの剣士たち。今はまだサウザンベースに残る蓮、そして倫太郎がそれぞれ決意し行動を始める。
そんな中、飛羽真が語る物語の始まり、そして小説家になった理由。レジエルを失ったメギド。新たなワンダーライドブックの誕生に歓喜するマスターロゴス。そして、登場する新たな剣士。それぞれの思惑が渦巻く第２８章。この物語を見ればセイバーという物語がよくわかること間違いなし。

（文責・高橋一浩）

〜現場通信〜

27章「哀しみを、笑顔に変えて。」ご視聴ありがとうございました。

破滅を求めていると思われていた禁書は実は、寂しくて仲間を求めていた悲哀の物語という真相でした。
その気持ちに気がついた飛羽真がついにプリミティブドラゴンを救い出し、自らも友達となることで新たな力・エレメンタルドラゴンのワンダーライドブックを手にすることができ、そしてその力を使って因縁のレジエルを撃破することができたのでした。

今回の話の演出を担当してくれたのは坂本監督。

セイバーエレメンタルプリミティブドラゴンVSレジエルの戦いではワイヤーアクションとド派手な合成を駆使し、そしてアクション中に流れる主題歌「ALMIGHTY」。
坂本監督らしくアクションの派手さとかっこよさが超マシマシの演出となっておりました。


劇中では見事にレジエルを倒したセイバー！！となりましたが、それはつまり悲しくもレギュラーキャストで初めてオールアップを迎えた方が出たということ。
レジエル役の高野海琉くんが今回の27章をもちまして仮面ライダーセイバーオールアップとなりました。

オールアップとなった撮影日はスタジオのグリーンバックにて、合成素材と最後にレジエルが見た2000年前の記憶を撮影。
いつもNGを出すことが少ない高野くんだったのですが、これが最後のカットであると意識してしまったからなのか、この「安堵した笑顔」というのに最後の最後で大苦戦。
どんどんどんどんぎこちない引きつった笑顔になっていく始末。
まわりのストリウス役の古屋くんやズオス役の才川くん、そしてスタッフが大爆笑というシチュエーションが続きました。
見かねた坂本監督が「カイル！極限まで我慢したおしっこをやっと出したときの表情でいけ！」とアドバイスをして無事OKテイクとなったのでした。
怒りの表情が多かったメギドたちでしたが、不思議と最後は和気あいあいとした空気の中穏やかで笑顔の表情のカットで終了となりました。
そしてこの日に撮影の予定がなかったライダーチームのキャストたち、そして編集作業をしに来ていた柴﨑監督や石田監督まで、高野くんのオールアップに駆けつけてくれました。
高野くんを驚かせようと少し暗くなるまで、寒い中をスタジオの前で待機して、最後の監督のOKコールでみんなで駆け込んでお花を渡してくれて、セイバーキャストたちの絆はとってもとってもカタメとなっておりました。

諸事情により集合写真は掲載できないのですが、高野くんと二人三脚でレジエルを作り上げてくれた怪人体スーツアクターを務めた榮男樹さんも、実は変身した体で高野くんのオールアップをみんなと一緒に祝ってくれておりました。
榮さんもおつかれまでした！

■Picture book of Primitive & Elemental

プリミティブドラゴンの少年が語る悲しみの物語。
そして、飛羽真が紡ぎ出した物語の続き、エレメンタルドラゴンの物語。

小説家・神山飛羽真の本領発揮とも言えるこの物語は、長谷川圭一さんによる渾身の脚本と、
それを少年に絵本を読み聞かせるように演出した坂本浩一監督の映像手腕により感動的なシーンとなりました。

今回はなんと、この絵本をフルバージョンでご紹介致します！

絵本のイラストを手掛けたのは、アニメーターの谷田部透湖（やたべとうこ）さん。
学生時代から自主制作アニメで高い評価を得ており、今なおアニメーション業界の最前線で活躍するトップクリエイターの一人です。
そんな国内屈指のクリエイターたちにより情感たっぷりに描かれた少年龍の物語をお楽しみ下さい。


「プリミティブドラゴンとエレメンタルドラゴン」

むかし、むかし。
ドラゴンと人間は仲良く、幸せにくらしていました。

しかしある時、ドラゴンを恐れた人たちに、ドラゴンは狩られてしまいました。

生き残ったのは、たった一匹だけです。

どこ？どこにいるの？
砂漠の上も。吹雪の中も。
いるはずがない仲間をドラゴンは探し続けました。

しかし、ついに力尽き、ドラゴンは倒れてしまいました。

それから時が経ち、体が骨だけになっても、ドラゴンは仲間を探しました。
しかし仲間を見つけることはできません。

僕は一人ぼっちなんだ。

疲れて眠るドラゴンの耳に、ふと誰かの声が聞こえました。

君は一人ぼっちじゃないよ。

友達ならいるよ、君のすぐそばに。
ほら。耳を澄ませてごらん。何が聞こえる？

風の音…笑ってる。とても楽しそうに。
そうドラゴンが答えると更に声は尋ねました。

水はどう？土は？火は？何を感じる？

水は歌ってる。
土はなつかしい匂いがする。
火は、すごく温かい。

すると、大自然はエレメンタルドラゴンとなり、ドラゴンに寄り添いました。

ありがとう。友達を見つけてくれて。

ドラゴンは、エレメンタルドラゴンと共に、大空へ飛び上がりました。
２匹は手を取り合い、大自然のなかでいつまでも楽しく暮らしてゆくのでした。

めでたしめでたし。

（さく：かみやまとうま）

〜現場通信その２〜

今回の坂本監督担当の撮影時期に、『仮面ライダーセイバーBlu-ray Collection 1』の特典ボーナスディスクに収録されるスピンオフオリジナルドラマ『ソードオブロゴスサーガ』の撮影を併せて行いました。

そこで描かれるのはなんと！！！

唐橋充さん演じる富加宮隼人に端を発して１５年前に起こった、「ソードオブロゴス」の存在意義を根底から覆しかねないあの事件の真相！！
富加宮隼人は自らが持つ聖剣「闇黒剣月闇」が見せる残酷な「未来のビジョン」に苦悩し、ある決意を胸にマスターロゴスがいるサウザンベースへ向かいます。そんな隼人を、親友の剣士・上條大地が追うのですが……。
さてさて、１５年前の事件の背景には一体何があったのでしょうか？

さらに１５年前ということで、ファンのみなさん必見の　“先代”　の仮面ライダーがたちソードオブロゴスに集っていた時代を描きます。
現在も活躍するバスターとスラッシュ、そしてTVシリーズでも登場していた先代セイバー、カリバー、ブレイズはもちろん、そこにエスパーダと剣斬を加えた７人の剣士が揃います。
スピンオフのオリジナルキャストとしてご出演いただいたのは
先代“雷の剣士”新閃恭一郎(しんせんきょういちろう)として石井一彰さん。

先代“風の剣士”鏡天祢(かがみあまね)として水沢エレナさん。

石井一彰さんは同じ雷の剣士・富加宮賢人にも通ずるような優しさとその中に芯を感じる雰囲気を、水沢エレナさんはインパクトの強い先代キャストたちの中でも一段と目を引くような美しく凛々しい女性剣士として、セイバーの世界観をより一層際立たせて深みのあるものにしてくれております。
ノーザンベースのセットでの撮影の際には生島さんや岡さんも、毎週放送しているTVシリーズとは少し違った得も言えぬ緊張感をもって撮影に臨んでおりました。
キャリアのあるキャストたちが演じる仮面ライダーセイバーの世界もとってもアダルトで魅力的なものとなっております。

そんな「仮面ライダーセイバー」の世界を深堀りできる「ソードオブロゴスサーガ」の予告動画が公開中！！
下記のインフォメーションを要チェックです！

（文責・土井 健生／湊 陽祐）