およそ40年後の未来からやってきたという仮面ライダーアクア。ゲイツとツクヨミを元の時代に戻そうとする彼の真意とは!?
【EPISODE44の振り返り】2019:アクアのよびごえ
野心をあらわにしたスウォルツの魔の手から逃げるウールとオーラを匿うソウゴたち。未来のライダーであるアクアも出現し、戦いは新たな局面に向かう。
クジゴジ堂でテレビを観ているソウゴ、ゲイツ、ウォズ、順一郎。ニュースで報道されているのは、各地で頻発する衆人環視のなかでの人物消失事件。順一郎がそれを〝神隠し〟と呼び、聞き慣れない言葉の意味をソウゴが順一郎に尋ねていた。そんな光景を横目に、ゲイツはこの事件の裏ではスウォルツが動いていると予想するが、ソウゴとウォズはやんわりと否定。ツクヨミとディケイドの力を得た今、スウォルツならもっと大それたことを企てていてもおかしくないはず……。どのみち油断はできないと気を引き締める一同。 そしてソウゴがふと気づく。今日はツクヨミの姿がない、と。どうやら昨日の夕方から姿を見せていないようだが……。もしや彼女も神隠しに!? 不安なことを口にする順一郎。そこに突如、轟音が響き地面が激しく揺れだす。外でいったい何が!? ソウゴたちは慌てて表に飛び出すのだった。
轟音の正体はクジゴジ堂のすぐ側にタイムアウトしてきた青いタイムマジーン。見慣れないその機体は、ウォズの話によると2050年代の古いタイプらしい。ハッチが開き中から降りてきたのは、メタリックな水色のボディに銀のラインが鮮やかな仮面ライダー。そのライダーはどうやら敵ではないようで、変身を解除すると、髪の毛に青いメッシュの入った爽やかそうな青年の姿に。青年はゲイツに近づくと、自分は「仮面ライダーアクア」、湊ミハルと自己紹介する。そして「ゲイツ、君とツクヨミは未来へ帰るんだ」と藪から棒に言い出した。
困惑する一同はミハルとともにクジゴジ堂の中へ。ミハルはゲイツたちが行っている過去への介入を真っ向から否定。自分もかつて過去のライダーと会い、自分自身を変えることができた。だが、ゲイツたちは過去自体を変えようとしている。それはスウォルツがやろうとしていることと何も変わらず、絶対に間違っていると力説する。その言葉にゲイツは怒り心頭。場の空気が緊張するが、順一郎が入ってきてお茶の準備を始める。「たしか紅茶だったよね?」。順一郎の言葉に「?」となるソウゴたちが入り口に行くと、そこにはウール、そしてオーラの姿があった。
どうやらスウォルツの差し向けた追手から逃げてきたようで、バツの悪そうなウールが口を開く。「匿ってほしい」と。ミハルの言葉もあってか怒り冷めやらぬゲイツは、自分たちとタイムジャッカーのこれまでの関係性を鑑みて、それを突き放す。まぁ当然か……という感じでオーラはウールを連れて店を出ようとするが、ソウゴがそれを呼び止めて仲介。結局、2人はクジゴジ堂に匿われることとなる。
その日の晩御飯なのか、順一郎とウォズが楽しげにお好み焼きをつくるのを渋りながらも手伝うオーラと、微妙な顔でそれに参加するミハル。そして、店の外ではソウゴとウールが佇んでいた。今まで見下していた相手に助力を乞う立場になってしまったと自虐的なウール。だが、ソウゴはこんな状況すらも楽しんでいる様子を見せ、「賑やかでいいじゃないか」と返す。ゲイツと違い帰る場所がないのなら、ここを家だと思えばいい。そんなことまで言ってのけるソウゴにウールの心も揺れる。わだかまりが解けたのか、ウールはソウゴの誘いに素直に応じクジゴジ堂の中へ。そんな2人の様子をゲイツが遠巻きからじっと眺めていた……。
翌朝、ソファに寝転び考えるゲイツ。ミハル、そしてソウゴの言葉が頭をよぎっては消える。自分の帰る場所とは本当はどこなのだろうか……。そこに血相を変えてウールが飛び込んでくる。オーラが消えた! この状況で、彼女はいったい何を考えているのか。
皆で外に飛び出し、それぞれがオーラを捜索するなか、いち早く彼女の気配を察知したのはウールだった。だが、その方向にいたのはアナザーライダー。ウールを仕留めんと攻撃してくるものの、それを助けたのは、偶然通りかかったツクヨミだった。ファイズフォンXの銃撃で応戦するが、アナザーライダーは意にも介さずツクヨミに迫る。そこへ突然、
「君がツクヨミ。そうだよね?」
間に割って入ってきたミハル。「あなたは!?」となるツクヨミだったが、ミハルは取り出した1枚のパンツを握りしめるとキリッと表情を引き締め、アクアへと変身!
そこにソウゴとゲイツも合流。ゲイツはアナザーライダーを見て瞬時にアナザードライブと判断。ライドウォッチをすべて揃えたのになぜ!? いや、ドライブライドウォッチはまだ……。その存在理由を理解したソウゴはグランドジオウに変身! ゲイツもゲイツリバイブ 疾風に変身する。
そして、アクアがグランドジオウを見て、自分の知る歴史とあまりにもかけ離れた姿をしていたからか、呆然となってしまう。だが、すぐに我に返ると、この場をグランドジオウとゲイツリバイブ 疾風に任せ、自分はツクヨミを連れて撤退するのだった。
ツクヨミを連れ、安全な場所へと避難したアクアは変身を解除する。この状況に困惑するツクヨミに、ミハルはゲイツと同様、君を迎えに来たと告げ、彼女のことを「アルピナ」と呼ぶ。それがツクヨミの本当の名前……。ツクヨミやスウォルツ、時を司る一族が別の時間軸にいることは、時空の乱れにつながってしまう。そんなミハルの言葉に昨日、一緒にいた門矢士も、同じような言っていたと思い出すツクヨミ。
ミハルはツクヨミの持つ力とともに元の時代に帰らねばならないと力説する。だが、それはもはや不可能。なぜならばツクヨミの力はすでにスウォルツに奪われているからである。
一方、グランドジオウ、ゲイツリバイブ 疾風とアナザードライブの戦いは続いていた。アナザードライブは重加速の能力を発動し、ゲイツリバイブ 疾風の長所である超スピードを鈍らせる。焦るゲイツリバイブ 疾風だったが、それを救ったのはウールだった。時間停止能力でアナザードライブの動きを止めると、やがて重加速も消失。好機と見たグランドジオウとゲイツリバイブ 疾風の必殺技が、アナザードライブに炸裂し、爆炎に包まれる。そして炎揺らめく中にいたのは……オーラであった。驚愕のウールは「どういうことだよ……!?」と詰め寄ろうとするが、オーラは無言で逃走。そして、追いかけようとするウールの前にスウォルツが立ち塞がった。グランドジオウとゲイツリバイブ 疾風が、自分たちが相手だと前に進み出るが、スウォルツは余裕の表情で懐からアナザーディケイドウォッチを取り出す。それを起動させると、スウォルツの姿は禍々しきアナザーディケイドに変化した。
腕をかざし、その方向に複数のオーロラカーテンを出現させるアナザーディケイド。その揺らめく灰色の壁により、グランドジオウとゲイツリバイブ 疾風は分断。アナザーディケイドはそれぞれに一方的に攻撃を仕掛け、ダメージを与え続けた。そして、
「俺の手を下すまでもない……」
オーロラカーテンの彼方から謎の影が出現した。それは闇の戦士・ダークライダー。「仮面ライダーG4」「仮面ライダーレイ」「仮面ライダーダークゴースト」「仮面ライダー風魔」。彼らの躊躇のない攻撃が、グランドジオウとゲイツリバイブ 疾風に襲いかかる!
ピックアップ
仮面ライダーアクア
『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGAMAX』に登場したライダーで、仮面ライダーオーズが戦っていた時代から40年後の未来で活躍している。変身者の湊ミハルは、怪人がはびこる世界でアクアドライバーを入手。水の力で戦う仮面ライダーアクアに変身する力を得た。
だが、残念なことにミハルは水が大の苦手。思うように力を発揮できなかったが、過去に飛ばされてオーズこと火野映司と邂逅したことで、ミハルは戦う勇気を得て、戦士として覚醒した。必殺技は水流を巻き上げながらジャンプしてキックを放つ「オーシャニックブレイク」。
湊ミハルの変身前の行動の意味
ミハルはアクアに変身する前、派手な柄のパンツを取り出して握りしめていた。このパンツというのは、ミハルが過去に出会った仮面ライダーオーズ=火野映司の口癖「少しの小銭と明日のパンツさえあればいい」に由来しているのだろう。
さすがに映司本人のものではないだろうが、パンツを握りしめることで過去の戦いを思い出して勇気を奮い立たせ、変身につなげていたと思われる。