ソウゴとゲイツ、決着の時……
【EPISODE28の振り返り】「オレたちのゴール2019」
2009年の事故はスウォルツの仕業であった。そうとは知らぬゲイツはソウゴとの決着を望むが、憎しみに因われた飛流もまたソウゴを狙っていた。
未来に飛ばされたツクヨミが目撃したのは、魔王誕生の瞬間だった。
街に降り立ったダイマジーンたちが街を破壊し、スウォルツが連れてきた王への試練を受けし子どもたちが悲鳴とともに逃げ惑う。そして破壊の余波により瓦礫が降り注ぎ、それが気絶した飛流の頭上に迫る。だが、ソウゴが「危ない!」と叫ぶと突然時間が静止。ダイマジーンたちは急激に時間が進んだかのようにそのボディが錆びついていき、やがて朽ち果てていく……。それを見たスウォルツがソウゴに近づいて言う。
「お前は生まれながらの王。お前には王となり、世界を破滅から救う使命がある」
スウォルツはソウゴに掌を向けるとそこから謎の光が放たれ、やがて光は周囲を包んでいく。そしてその光に飲まれるように、ツクヨミは気を失った……。
気がつくとツクヨミの側には門矢士がいた。士の目的、それはこの世界を破壊すべきかどうかを見極めること。ソウゴがオーマジオウになるのなら、この世界は破壊するしかない。だが、まだ結論は出ていないと語り、ツクヨミを2019年に送り届けようとするのだった。
一方の2019年では、ゲイツリバイブ 疾風とウォズの激戦が続いていた。ウォズはフューチャーリングシノビにフォームチェンジして対抗。だが、ゲイツリバイブ 疾風は、それでも追いつけない圧倒的スピードでウォズ フューチャーリングシノビを翻弄する。そして、ゲイツリバイブ 剛烈へとフォームチェンジして必殺技を放ち、吹き飛ばされたウォズ フューチャーリングシノビは、強制的に変身解除された。
だが、ダメージを受けたのは黒ウォズだけではなかった。変身を解除したゲイツは、目から血を流すほどに深刻な疲労感を感じ膝をつく。黒ウォズの狙いはそこにあった。時間稼ぎ……。仮面ライダーに変身を果たしたからといって、ゲイツリバイブに対抗できるとは黒ウォズ自身も思っていない。ゲイツに対し、体力回復の休息をうながす黒ウォズ。だが、ゲイツはそれでも立ち上がると、ふらつきながらもソウゴと交わした〝約束の場所〟へと向かおうとする。それを見て、もはや黒ウォズも絶句するしかなかった。
そしてバイクで約束の場所へと急ぐソウゴ。だが、そこに飛流が立ちはだかる。その背後には今までソウゴが対峙した8体のアナザーライダーたちが並んでいた。飛流は白ウォズから仮面ライダーの力を奪う計画に協力した見返りとしてウールの助力を得て、アナザーライダー軍団を結成。もちろんその目的はソウゴを倒すため。
ゲイツのところへと急ぎたいソウゴだったが、飛流は聞く耳を持たず、決着をつけようとアナザージオウへと変化。やむなくソウゴもジオウⅡに変身する。だが、いくら未来予知の力を持つジオウⅡとはいえ多勢に無勢。徐々に押されていき、アナザージオウの凶刃がジオウⅡの背後から迫るのだった。
その頃、ゲイツはよろめく身体を気迫だけで支えながら、約束の場所へと到着していた。やがてボロボロになったソウゴも姿を現す。両者は限界寸前の姿を確認しながら、そんな状態になってまでなぜ来たのかと問うゲイツ。それに対しソウゴは、自分には心から信頼できる友達がいなかったが、ゲイツとツクヨミはそれに値している。そんなゲイツが呼んでいるのなら行かずにはいられない。そして、かつてゲイツと交わした約束、自分がオーマジオウになると確信したのなら、ゲイツになら倒されても良い。今がその時なんだろう……と応える。
ソウゴの真っ直ぐな言葉に戸惑いを見せるゲイツ。そこに乱入してきたのはソウゴを追ってきたアナザージオウ! ソウゴを吹き飛ばし、追撃しようとするが、そのアナザージオウの攻撃をゲイツが身をもって制した。ソウゴはゲイツにとっても倒すべき魔王ではないのか? 憤るアナザージオウに対し、ゲイツはソウゴが魔王になることを完全否定しながら言い放つ。
「こいつは誰よりも優しく、誰よりも頼りになる男だ。そして……俺の友達だ!」
ついにゲイツがソウゴのことを友と認めた。
この状況がまったく理解できず、錯乱する飛流のもとに8体のアナザーライダーが合流。これを迎え撃つため、立ち上がったソウゴ、ゲイツが2人並んで変身! ジオウ、ゲイツがそれぞれのライドウォッチを交換しながら対応するライダーアーマーを纏い、アナザーライダーを次々と撃破していく。お互いを友と認め合ったふたりのコンビプレイに寄せ集めのアナザーライダーなど、もはや敵ではなかった。ひとり残された怒りのアナザージオウはなおも攻撃を続けるが、ジオウがジオウⅡ、ゲイツはゲイツリバイブ 剛烈へとフォームチェンジ。未来予知のジオウⅡ、剛烈・疾風を使い分けたゲイツリバイブ、ふたりの連携からのジオウⅡの必殺技が炸裂する! ついにアナザージオウは撃破され、飛流は地面に倒れ伏す。
なおも憎しみの言葉を吐き続ける飛流に対し、ソウゴは過去は乗り越えていくしかない。過去よりも今のために生きてほしいと、ゲイツにも掛けたことのある言葉を贈る。それを聞き、もともと理解をしていたのか。飛流はその場で泣き崩れた。
だが、これですべてが終わったわけではない。決着を覚悟し、ライドウォッチを構え合う2人……。そこにオーロラカーテンが揺らめき、2009年よりツクヨミが帰還。今まさに戦おうとする2人を見て、戦う必要はないのかもしれない! と叫ぶ。むしろツクヨミこそがゲイツがソウゴを倒すことを望んでおり、そのためにゲイツも覚悟を固めたのでは……? そんなツクヨミが戦いを止めようと必死になる姿を見て、ソウゴとゲイツは思わず顔を見合わせて笑い合い、ツクヨミは困惑してしまうのだった。
その後3人は帰るべき家であるクジゴジ堂へ。ゲイツとツクヨミが戻ったこと、ますます賑やかになることに喜ぶ順一郎。ますます……? 空いた部屋を借りたいという先約がいたのだ。その入居希望者とは黒ウォズ! そして、ゲイツと黒ウォズは渋々ながらも相部屋となることに。ここに新たなチームとなった4人の共同生活が始まるのだった。
そんなひと時の平穏を見せるクジゴジ堂とは別の場所。街を見下ろせる高台に、銃のようなものを持つひとりの男がいた。
「この世界のお宝を独り占めにはさせないよ、士……」
それは仮面ライダーディケイドと対をなす者。「仮面ライダーディエンド」の海東大樹だった――。
ピックアップ
門矢士
仮面ライダーディケイドに変身する、通称〝通りすがりの仮面ライダー〟。EP13~16ではソウゴを2068年に送り込んでオーマジオウに会わせるなど、状況を混乱させていた。そのときもこの世界を破壊すると嘯いていたが、どうやら本当に破壊するべきなのか、まだ決めかねているようである。果たして、士は次は敵として現れるのか、それとも!? また、ラストシーンでは世界をめぐる士を追いお宝を狙う怪盗にして、もうひとりの通りすがりの仮面ライダー、仮面ライダーディエンドこと海東大樹が出現。さらなる波乱の予感が!
ウールは何を求めているのか?
EP23でアナザーキカイの触媒として利用されて以降、ほかのタイムジャッカーと反目するような行動が目立つウール。だが、彼は〝新たな王の擁立〟というタイムジャッカーの目的成就を第一に考えているがゆえに、未来を変えようとする白ウォズの存在や、タイムジャッカーから逸脱した行動を取るスウォルツが許せないようだ。今回、仮面ライダーの力を奪ったことで白ウォズの怒りを買って足蹴にされてしまったが、彼もまた自分の信じるもののために戦っているのである。